どこまでも清冽な朝焼けの中。

 ふたつの影は、ただただ無言に。

 差し出されたふたつのてのひら。

 触れることを恐れるように。

 触れられないことを恐がるように。

 小刻みに震える指と指をからめて。

 確かめるように合わされたたなごころ。

 触れられることに歓喜するように。

 触れたことに安堵するように。

 小刻みに震えた指と指をからめて。

 

 口に乗せるのは、まるで睦言のように甘く。

 舌に乗せたのは、砂糖菓子のように美しい。



 再会の言の葉。
















暁。

それは、「夜明け」を示唆する時刻。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

少年ありす @mas10

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る