「マグネット!」の書評も分析しちゃいます!

「マグネット!」の書評を分析するよ第一回!

【分析対象】


今回の分析対象は、

「マグネット!」という小説投稿サイトの書評です。


カクヨムじゃないのかよ、とお思いの方もいらっしゃるでしょうから、

なぜ「マグネット!(以下、マグネットと表記)」からデータを収集したのか、まずは説明します。


【なぜマグネットで分析を行ったのか?】


マグネットでは、

カクヨムにおける、応援コメントやレビューに近い機能が実装されています。

そして「書評」というのが、カクヨムにおけるレビュー相当の機能になっています。


「書評」の特徴は、200文字以上書く必要があるところです。


カクヨムのレビューの場合、長さに制限はありません。

なので長文レビューもあれば一言だけのレビューもあります。


しかも私の集めた1500を超えるレビューを納めたエクセルファイルは、

文章の長さで仕分けられるように作っていないことに加え、

そのデータ量ゆえに編集の動作が重く、

長文レビューと短文レビューを仕分けることが難しいものになっています。


マグネットからレビューを集めれば、

私の方で仕分けをすることなく、

ある程度の長さがあるレビューを集められます。


これが今回マグネットに白羽の矢が立った理由です。



【どのような分析を行ったのか?】


今回の分析にあたり、書評を前半と後半に分けて分析できるように、

収集した書評のデータをあらかじめ加工しておきました。


そして200字以上の長文レビューでは、

前半部分と後半部分とで出てくる言葉に違いがあるのか調査しました。



【調査結果】


マグネットの書評において

前半に特徴的に出てくる語は、


・主人公

・世界


でした。



対して後半に特徴的に出てきた語は、


・物語

・作品

・登場

・キャラクター

・人物


でした。



どうやら前半は主人公や世界観などの説明をしていて、

後半では作品全体の印象を語っているようです。


実際に、

「前半で、前半の頻出語が出ている」かつ「後半で、後半の頻出語が出ている」

というレビューは、37件ありました。


そして予想通りに、

「前半では比較的細部に焦点をあて、後半で全体の印象を語る」

という書評が多く見られました。



他のパターンとしては、


・前半でも後半でも、物語の流れを説明する

・前半でも後半でも、小説全体の印象を語るもの


がよく見られました。



ところで、前半は主人公や世界観などの説明をする、というのは、

私が提案したテンプレートに近いですよね?


私の提案したテンプレートは、


1.主人公について説明する

2.物語の流れを説明する

3.主人公か物語の魅力・見どころを語る

4.特に良いと思ったポイントを語る


というものです。


なので前半の頻出語に、主人公があったことは、

私としてはとても嬉しいことでした。


そこで追加調査をしてみました。


書評の最序盤に「主人公」という語が出てくるレビューは何件あるのか?



分析の結果は、6件でした。

そのうち4件がテンプレートの手順1のように、主人公の説明を最初にしていました。


では6件がどういった書評だったのか、その大筋を紹介します。



書評1

とにかく主人公の良いところを紹介するものでした。

前半に限らず、書評のほとんどが主人公に関する記述でした。


書評2

(主人公について最初に説明していない書評その1)

前半は世界観の説明が主でした。

そしてその中で主人公の人物像にも触れていく形でした。

「異文化に対面した主人公の反応が面白い」というような具合です。

そして後半になると、キャラクター全体の印象を語ります。「この人の小説のキャラクターは~~」というような文章ですね。


書評3

こちらも主人公の魅力を語るのが主になっている書評でした。

その過程で、書評の中ほどでストーリーについても触れ、

また最後には主人公の魅力についての文章に戻ってくるという流れでした。


書評4

(主人公について最初に説明していない書評その2)

このレビューでは、主人公の相棒に焦点があてられます。

相棒もある意味主役ではありますが、今回は一応主人公とは別という扱いにしておきます。

前半は相棒についての文章。

後半になると主人公と相棒をセットで語るような感じになります。

そして「読者を〇〇な気持ちにさせてくれる!」と物語全体の印象を語られます。


書評5

このレビューでは主人公の紹介から始まりますが、

「どのような境遇(設定)の主人公か?」ではなく

「どのような境遇に陥ってしまった主人公か?」という説明がなされます。

要するにストーリー最序盤で主人公が対面する苦難を説明する形です。

書評の中頃でヒロインについての記述が現れ、

そこからは最後までヒロインの魅力について語られます。


書評6

この書評が6件の中で最長の書評です。

文字数は1000文字を超えています。

ただし内容としては、

前半は基本的に主人公の魅力について、

後半はキャラクター全体の魅力について、

というように登場人物の良さを語ることが主となっています。

その中で時折、世界観について触れられることがある、という具合です。



というわけで、私のテンプレートどおりの書評は全然ないようでした。

残念です。

強いて言えば、書評5がテンプレートに近いですね。

主人公から物語の流れを説明し、ヒロインに焦点が移っていきます。



今回のマグネットの書評の分析から、

テンプレートの提案を見直す必要があると感じました。


最初に主人公を語るのはそう的外れでもないと考えてよさそうですが、

そこから先の展開については、変更した方が良いのかもしれません。


改訂を今後の課題としつつ、

マグネットの書評の分析から面白い情報をもう少し掘り出せそうなので、

次回も書評の分析結果からレビューのヒントを探してみます。

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