第三十五話『方向転換』

「ハルカさん!」

と僕はおっとりお姉さんのハルカに合図を送る。


「うん、わかってる。きっかけを作ればいいのよね!」

とハルカは言って、魔弾砲を構える。


「さすが!お願いします!!」

と僕は察してくれた、ハルカさんに感謝を言って、次のアクションに備える。


「次は私の番ね!行くわ!!」

と言って、ハルカは魔弾砲を発射した。


-


「みんな下がって!!」

とおっとりお姉さんのハルカが言う。


僕らの話を聞いていて、理解してくれていたハルカは、ビッグワイルドフォックスに向かって、魔法弾を放った。

そう、それこそが今の僕に必要な手助けだった。


「炎の魔法弾ね!」

と美少女剣士のユカがハルカの行動を見て言う。


そして、その魔法弾は着弾する。


ドカァァァァン


大きな音がなって辺りは炎に包まれる。


「でも・・・倒せない・・・!!」

と美少女剣士のユカが言う。

そう、攻撃力の高い炎の魔法弾といえども、一撃でビッグワイルドフォックスを倒すほどの威力はない。


「グオォォォォォ」

大きなダメージを受けて唸り声をあげるビッグワイルドフォックス。しかし、倒れたりはしない。


「倒せてないわよ!ケンジ!」

と美少女剣士のユカが僕に言う。


「わかってる。こうするんだ!」

と言いながら僕はスキルを発動させた。


『急高跳躍 - ハイジャンプ』


「よっ!」

と言いながら僕は高く飛び上がる。


「まさか!!」

と美少女剣士のユカが言う。


「そ、そのまさかだよ!」

と言いながら僕は笑う。


「グオオオオォォォォ」

とビッグワイルドフォックスは唸りながら、いきなり高く飛び上がった僕の方を見る。


「やっと、こっちに気づいたね!」

と僕は、ビッグワイルドフォックスの方を見て、つぶやく。


「でも、もう遅いね!」

と僕は言いながら更にスキルを発動させた。


「『二重跳躍 - ダブルジャンプ』!!」

と言いながら僕は、大きく方向を転換する。


「ケンジはビッグワイルドフォックスに乗るつもりなのね!!」

と美少女剣士のユカは一連の僕の行動を見て推測した。

僕が目指している場所に気がついた。


「でも、それじゃ届かないわ!!」

とユカは言う。


そう、僕は『急高跳躍 - ハイジャンプ』で高く飛び上がり、そこからビッグワイルドフォックスの方に向かって、方向を転換した。


たしかに、このままではビッグワイルドフォックスに届かない。


「そう、このままだと届かない、でも僕にはもう一つスキルがある!!」

と僕は笑う。

そう、これで終わりじゃないからだ。


「そうか、いつものあれね!!」

と美少女剣士のユカが微笑む。

そう、いつものアレとは、仲間をお姫様抱っこして、攻撃を避けるために使っていた、初期に覚えたスキル。


「そう、『加速移動 - アクセルダッシュ』だ!」

と言いながら僕はスキルを発動させた!!

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