第三十四話『作戦』

「単体の『雷迅 - ライトニング』じゃ、彼を倒しきれない」

と僕はつぶやく。


「つまりどういうこと??」

とユカが聞く。


「組み合わせるしかない」

と僕は言う。


そう、僕の持つ『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』で得たスキルを組み合わせて彼に勝つしかないのだ。


-


「今、僕が持つ最強のスキル『雷迅 - ライトニング』でも、ただ当てるだけでは倒しきれない」

と僕が言う。


そう、目の前の敵、ビッグワイルドフォックスは、攻撃力も高く、体力も高く、根性もある。

僕のへっぴり腰のパンチでは、ぎりぎり当てることは出来ても、倒し切るほどの形で当てるのはかなり難しいといえる。


「じゃあ、どうする??」

と美少女剣士のユカが僕に聞く。

そう、難しいということがわかっただけでは何も意味がない。

相手の特性がわかった上で倒し切る方法を考えるしかない。


「当てる場所を変える、が正解だろうね」

と、僕がユカの質問に応える。

今まで試した全てを整理して考える。

ユカも小さい美少女斧使いのシズクも僕も足に攻撃を当てている、それは、根性で耐えられてしまう。


「当てる場所??」

と美少女剣士のユカが聞き返す。


「そう、当てる場所を変えるんだ、前足に当てたぐらいでは倒せない・・・」

と僕が言う。

そう、前足に電撃を食らわせたぐらいでは、この大きく、根性のあるビッグワイルドフォックスを倒すことが出来ない。



『根性で耐えられなくなるような場所』に当てるべきだ



「というと・・・」

と美少女剣士のユカは僕の説明から思考を巡らせる。

当てるべき場所。

このモンスターの弱点


「頭かしら」

とユカは一つの答えにたどり着く。

そう、電撃をくらって、根性で耐えることが出来ない場所。

それは頭だ。根性の問題ではなく、生態的な仕組みを利用して、相手を倒すしかない。


「そう、頭を狙う。頭に電撃を当てる!!」

と僕は言う。

それが僕らが考えた結論だった。


「でもそう簡単じゃないわ、あの高さじゃ普通に狙ったんじゃ届かない」

と美少女剣士のユカが言う。

当然のことだった、そもそもそれが出来るならやっている。

ジャンプしてもなかなか、頭を狙えない程にビッグワイルドフォックスは大きい。


「そう、普通じゃ届かない。でも僕には驚くことにジャンプ系のスキルが三つもある!」

と、僕は言いながら笑う。


そう、地味なスキルばかりで、どんなスキルガチャだよ!と思っていた、このガチャの引きの弱さを逆に使う。

強大なスキル一つではなく、地味なスキルを組み合わせて、あの巨大な敵を倒すのだ。


「ハルカさん!」

と僕はおっとりお姉さんのハルカに合図を送る。


「うん、わかってる。きっかけを作ればいいのよね!」

とハルカは言って、魔弾砲を構える。


「さすが!お願いします!!」

と僕は察してくれた、ハルカさんに感謝を言って、次のアクションに備える。


「次は私の番ね!行くわ!!」

と言って、ハルカは魔弾砲を発射した。

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