第二十六話『ジャンプスキル祭り』

「逃さない・・・よっ!!」

と、そのままワイルドフォックスを追いかけるように、ぐるっと回って剣戟を加える。

彼女の剣速が、歩みを緩めたとはいえ、移動しているワイルドフォックスを越えているということだ。


「グオォォォォォ」

とワイルドフォックスがそのままユカの攻撃により倒れた。


「どう!」

と、ユカは颯爽と2体のワイルドフォックスを倒し微笑む。


-


「す、すごい・・・」

僕は美少女剣士ユカの剣戟を見て、素直にそう思った。


「一瞬で2体も・・・ほんとに凄腕だったんだ・・・」

と僕がつぶやく。


「ほんとにとは何よ!ほんとにとは!!」

と美少女剣士ユカが笑う。


するといつもの声が聞こえてきた。

>『急高跳躍 - ハイジャンプ』を覚えました。

>『雷迅 - ライトニング』を覚えました。


「お、2つスキル覚えた、しっかり倒したみたいだね」

今回の戦いで三つのスキルを覚えたのでしっかり三体倒したということだろう。


「今回覚えたのは、『二重跳躍 - ダブルジャンプ』、『急高跳躍 - ハイジャンプ』、『雷迅 - ライトニング』かー」

と僕が言う。


やっぱり、いきなり強い敵と戦ってはいけなかったのだ、そこそこの敵を倒して、たくさんスキルを手に入れるべきだったのだ。


「しかし、このスキル、『加速移動 - アクセルダッシュ』もジャンプ系のスキルの一種だと捉えることが出来るとすると、ジャンプのスキルばっかりじゃん!!」

と僕が天に向かって言う。


「このスキルガチャどうなってるの!!」

偏ってるんじゃないか、と運営に文句言いたくなる。

まぁ、ダブリがないからいいか、とは思うけど。


「試しに使ってみよ」

と僕はそう言って、スキルを発動させる。


「『急高跳躍 - ハイジャンプ』!」

と僕は言って、ぐぐっと重力がかかる。

そう、僕は空高く舞い上がっていた。


「すっごい、ケンジ!それが新しいスキルなのね!」

と美少女剣士のユカがその様子を見て言う。

僕はその様子を見る。彼女が随分小さく見える。


「よし、このままもういっちょ!!」

と言いながら僕はもう一つのスキルを発動させた。


「『二重跳躍 - ダブルジャンプ』!!」

と、すると思った通り、もう一度その場から高く飛び上がった。


「おおお!すごい!!」

と僕は言う。そして、更に小さくなるユカ達を見る。


「あれ?」

と僕はつぶやく。


そして、僕はそのまま地面に戻る。


「ねえ、シズク、この三体で、この依頼は終わりだよね?」

と僕が聞く。


「そのはず」

と美少女斧使いのシズクは応える。


「なにか見た?」

とシズクはピンと来たのか僕に聞いた。


「うん、あっちに、ちょっと大きいモンスターがいたんだけど・・・」

と僕は指を差しながら言う。


「え、どこ?」

と美少女剣士のユカが聞く。


「あ!」

とユカはそれを見てつぶやく。


そして、同時に美少女斧使いのシズクも頷く。


「ビッグワイルドフォックス」


そう、ワイルドフォックスのボスが現れたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る