第十話『巨大な斧』
「ユカ、無事か??」
と聞きながら僕が聞くと、美少女剣士のユカは顔を真っ赤にしていた。
「か、かっこいい・・・」
と僕に聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
「え?」
と僕が聞き返すと同時ぐらいに、小さい美少女のシズクが走り出した。
「ケンジ、ナイス!次は私が行く!」
と言って彼女は武器を抱えて走っていた。
そして僕は、彼女の武器を見て目を疑った。
そう、シズクは彼女よりも大きいのではないかという、巨大な斧を持ってドラゴンに向かっていったのだった。
-
「え、あんなに大きな武器を使うの!?」
と僕は、美少女剣士のユカを優しくおろしながら聞いた。
「お姫様抱っこされちゃった・・・」
とユカが僕の質問に答えず、呟いている。
女性に対して失礼だったのだろうか・・・
「緊急事態だったということで、一つ許していただけると・・・」
と僕はユカに向かって言う。
そういうマナーは良くわからないのだった。
緊急避難ということで許して貰えるとうれしい。
「失礼じゃないわよ、むしろ逆よ・・・」
と美少女剣士のユカはもごもご言っていた。
彼女は顔を真っ赤にしたままだった。
どうしたのだろうか・・・
と思っていると、すでにシズクがミニドラゴンに接近していた
「ケンジが作ったチャンス使わせてもらう」
と言いながら大きく斧を振る。
彼女よりずっと大きい。斧を。
「え、シズクはあんなに大きな斧を使えるの?」
と僕は美少女剣士のユカに聞いた。
「うん、そりゃ使えるわよ!見てなさい!」
となんだかんだあったけど、すっかり落ち着いた様子のユカが、シズクの動きを見ながら言う。
「グォォォォォ」
ミニドラゴンはユカに攻撃をしようとして、態勢を崩していた。
その、大事なチャンスに大きなダメージを与えるつもりだ。
「いく!」
と言いながら更に大きく振りかぶって・・・
『叩きつけた』
ズガァァァァンと大きな音がなる。
「すごい・・・」
そう、小柄な美少女が使うとは思えない巨大な斧を振り下ろした。
「よし」
とシズクはミニドラゴンの様子を確認した。
「態勢を崩したわね!」
と美少女剣士のユカが言う。
そう、本来はユカが一人でやろうとしたことを三人で成し遂げた。
そう、三人の連携により、ミニドラゴンは倒れている!!
「あとは、ハルカよろしく!」
と言って、バッと、ミニドラゴンの元を離れた。
「え?」
と僕は口に出した。
「そうだ、そういえば、ハルカさんはどんな武器で戦うんだろう」
と、僕はハルカさんの方を見た。
「はい、ケンジも離れるわよ!」
と、美少女剣士のユカは、僕の手を引っ張って、ミニドラゴンと距離をとるために、指示した。
「え、まさか!あれは!!」
と僕は、おっとりお姉さんのハルカさんが構えている武器を見ていった。
「あれは・・・大砲じゃないか・・・」
と僕はつぶやいた。
「みんな距離は取ったわね!行くわよ!!」
と彼女は構えた。
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