義妹は超絶〇〇〇〇だ 〜兄を嫌うなんて有り得ません〜 ※工事中
アキノリ@pokkey11.1
第1話 そもそも俺は
そもそも高校2年で県立に通っている俺、山本和幸(やまもとかずゆき)は何と言うか優秀で無い。
容姿は簡単に言えば青年顔にちょっと黒子が有り少し眉の太い顔付き、歌声音痴、中肉中背で、運動神経0、成績順位下の方。
まぁこれだけ明かせば分かると思うが俺は神に見捨てられた様な人間である。
世界が平和だのどうのこうの、の意味で名を名付けられても頭が良く無ければこの世界では置いてけぼりの運命である。
更に悔しい事に俺は一緒に住んでいる義妹とも天地の差が有り、落ち込んでいる。朝、歯磨き終わった後に歯磨きをしている義妹を改めて見つめてみたりする。
義妹は歯磨き粉を含めた状態でギョッとしている。
「何ジッと見てきてるの?めっちゃキモいんだけど」
「俺とお前はどうしてこうも差が有るのか考えていたんだが.....何でだろうな」
「はぁ?もっとキモいんだけど。何?ストーカー?死ねよお前」
罵倒の勢いに俺は困惑する。
ってか、そこまで言うかこの馬鹿。
俺は眉を顰めてうがいをする義妹の飯田一歩(いいだかずほ)にイラっとする。
短めの黒髪に、顔立ち100%以上で、つまりEラインも整っている美少女、痩せ型、スタイル抜群、成績優秀、生徒会メンバーの1
身長は俺が170センチなのに一歩は165センチという女子の平均的な身長?を多分上回っている。
つまり天と地で有り、まさに全てが神に愛されている義妹で、頭にくる。
思いながら居ると、押し退けられた。
「退いて。キモオタ」
「あのな。良い加減にしろよお前。俺は兄.....」
「.....ハァ?」
「すいませんでした」
睨まれた俺は咄嗟に頭を下げた。
一戸建ての下、父親、山本久の連れ子の俺、山本和幸と。
母親、飯田三宝の連れ子の飯田一歩と暮らしている俺達は俺の親父と三宝さんは仲が良いが、俺達はこんな感じであった。
最低最悪の関係で一歩にはマジでイラっとくる。
クソッタレのボケナス。
「.....くそう。いつか見返してやるからな.....覚悟しろよ」
俺はその様に乙女の様に布を噛んで一歩を追い掛ける様にリビングへ向かった。
そしてリビングに入ると、鞄を持って一歩が直ぐに出て来る。
俺を一瞬だけ睨んでからそのまま去って行った。
クソッタレめと思いながら目の前を見ると。
「和幸。早くしないと遅刻するぞ」
久、つまり親父がその様に言う。
その横の台所では三宝さんが俺を柔和に見つめ居た。
三宝さんは黒髪に少しだけ白髪が混じった優しい瞳をした絵になりそうな人だ。
身長も164センチ有って、流石は一歩の母親だけあって凄いと思う。
そんな親父は178センチ有って、キリッとした警察官だ。
常に顔も頭も短い髪の毛で整え、顔付きも巌の様な感じで厳しい性格で有る。
俺は三宝さんと親父を見てから鞄を手に取った。
「えっと、それじゃ、行って来ます」
「あ、和!お弁当」
三宝さんが話す。
因みに和、というのは俺の愛称だ。
例え血が繋がって無くても仲良くしたいという気持ちなのだ。
その為に三宝さんはその様に呼んでいる。
三宝さんにお弁当を貰って笑みを見せる俺は厳つい顔付きの親父に頭をゆっくり下げて、玄関から出た。
それから、歩いて行っていると。
義妹が戻って来ていて、玄関辺りで必死に何かを探していた。
それも尻を見せて、草むらに頭を突っ込みそうな感じで俺にギョッとしている。
何だコイツ!?何やってんだ!
「.....何やってんだお前!?」
「は!?な、何でも!?」
「いや、これでなんでもって言うのは.....」
「何でも無いっての!話し掛けないで!」
ダダッと駆け出して行く、一歩。
何だよ一体と思って悪態を吐きながら歩いていると。
出た側の側溝に何か落ちていた。
「.....あ?」
手を伸ばして拾ってみると、手のひらサイズの赤い手帳だった。
思えば、昨日は雨。
今は側溝は乾燥しているが.....濡れてしまう可能性も有る。
ここ1時間2時間で誰かが落とした物だろう。
有名な手帳会社の手帳である。
ビニールの赤い、ワニ皮の様な表紙が目立っていて、まぁ本物では無いと思うが。
「.....?」
まぁ良いやと思いながら。
誰のだろうと思い取り敢えず、ペラペラと何気無く捲ってみると。
緻密に何かが書かれていた。
で、よく文章を見ると俺の事が書かれている。
ん!?俺の事!?
(3月23日、日曜日、昼。{お兄ノート続き} 今日はお休み。お兄ちゃんと二人っきり。お義父さんとお母さんは買い物に出掛けたから、お兄ちゃんにオムライスを作ってあげた。それで滅茶苦茶に美味しいって言ってくれたのに、私殆どお兄ちゃんに冷たくしちゃった。素直になれないな。でも嬉しいな。お兄ちゃんと二人っきり。思いっきり甘えちゃおう)
「.....」
ちょ、何だこれ!?お兄ノート?
だがちょっと待てよ?
俺の目が疲れているのか?どういう事だ。
これを書いたのは誰だ?
俺達の昨日の事を知っているのは一歩と俺だけだが、まさかあの俺を全力で嫌っている一歩がこんな事を書くとは思えないんだが。
一体どういう事だ。
「.....」
俺は顎に手を添えつつ歩きながら、ノートの2ページ目を読んでみる。
そこにはこの様に記載が有った。
俺は見開く。
(3月23日、日曜日、夜、お兄ノート続き。お兄ちゃんにまた暴言を吐いちゃった。私何で素直になれないんだろう。何時も何時も暴言を吐いちゃって私.....バカだなぁって思う。明日こそはお兄ちゃんに素直になりたいな)
「.....やっぱり一歩が書いたのか.....?」
「よー。和」
「!!!」
突然の声に俺は手帳を隠す。
そして後ろを向くと、先島悠平が立っていた。
オタッキーの友人で、少し小太りで、身長168センチ、ニキビ跡が有る様な顔立ちちで、まぁ決してイケメンとは言えないが、俺の心の理解者だ。
俺は悠平に顔を引き攣らせる。
目をパチクリした悠平。
「.....どした?」
「いや、何でも無い。すまん」
鞄に赤い手帳を隠しながら。
俺は汗を流しつつ、悠平を見る。
すると、悠平は?を浮かべつつも話を切り返す様に鞄を背中に回した。
そして話してくる。
「.....お前の妹ちゃんが何か知らないけど、必死になんか探してたぞ?」
そんなに必死に探していると言えばこれしか無いよな。
でも、俺を嫌っている一歩が?
あり得ないよな?
俺は鞄を見ながら、その様に思う。
と思っていたが、その様な思いはここ数日で裏返る事になる。
これが俺と一歩のストーリーの始まりだ。
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