【おすすめ】シングルモルト デッサンシリーズ フローラ2024【ジャパニーズ】
『発送しました』
ファッ!?
シングルモルト デッサンシリーズ フローラ2024
今回は急遽、予約注文したウイスキーが届くので紹介することにしました!
こちら標高1200メートルと日本一高い場所にある蒸留所、井川蒸留所のシングルモルトウイスキーです。
メーカーHPによると同蒸留所は12年物のウイスキーを目指しており、それまでのプロセスを表現したものとしてこのデッサンシリーズを手掛けていくとのことです。
名称のフローラ(Flora)とは植物モチーフという意味でシリーズにおけるノンピートタイプを指しているそうです。そして対となるピーテッドモデルのファウナ?(Fauna)という動物モチーフも今後リリースしていくのだとか。いいですね、シリーズのなかでカテゴリ分けして展開していくというのは分かり易く面白いと思います。そしてデッサンシリーズはレギュラーモデルの発売まで毎年展開していく予定なのだとか。
同蒸留所は南アルプスの思いっきり山の中に位置しており、その生態系の動植物がラベルデザインを飾っていくようです。ディアジオの花と動物シリーズみたいでお洒落ですね。こちらは半端ない南アルプス推しですが(笑)
そして1本目のフローラを飾る植物は「タカネマンテマ」という南アルプス固有種です。
ボトルデザインはシンプルな縦長タイプでキャップのトップに『井川』の文字が刻まれており大変お洒落です。
今回のフローラ2024年は前述の通りノンピートタイプです。熟成樽はバーボン樽のみで、アルコール度数は53%です。
ノンカラーノンチルフィルタードで、興味深いのはディスティラリー酵母を使用しているとのスペック記載があります。
イベントで何度か試飲して密かに推している新興蒸留所ですが、そのお味のほどはいかがなものか……?
う~ん、マーベラス……!
〇ストレート
香りは固いモルトといった印象が強いですが、その前後で揺らぐ細い甘味、時折キレイに磨かれた木材と干し草のようなニュアンスを感じます。アルコール刺激は皆無とは言いませんが、気になりません。
口にすると、ころっと舌に乗っかる大麦、干し草、バチッと赤唐辛子が現れ、続く黒胡椒とアーモンドの皮のようなビターが広がります。
硬いイメージの味わいですが、崩れて舌に溶けるように馴染みます。仕込みの水がいいのでしょうか?
〇加水
香りは甘さが前面に出てくるようになり、しなやかな印象になりました。ノンエイジや若いスコッチに感じる倉庫感はありますが、不思議と拭き清められているイメージで悪い印象はありませんでした。また、甘さと穀物感プラスアルファによる複層的な香り高さの
味わいは固いモルトが広がり香ばしさと共に干し草とオイルを感じます。続けてビターさ、滲みだすような甘味、ぱちっと弾けるような赤唐辛子と黒胡椒が現れます。
赤唐辛子はキレよく終わり、黒胡椒は崩れるように徐々に、ビターは風にさらわれるようにゆっくり静かに退場していきます。
味わいの移ろいのスピードが異なるところが奥深いですね。
〇トゥワイスアップ
香りは甘味に草っぽさとオイリーさが寄り添い、安定した印象です。表層にうっすらビターさと赤唐辛子も感じます。
味わいは軽やかなモルトに続く甘味、干し草感とオイルが現れます。そこからビターさと小刻みな赤唐辛子系のスパイスを感じます。
余韻にミルで細かく挽かれ続ける黒胡椒のようなスパイシーさを感じます。
杯を重ねると余韻と味わいの第一印象が溶け合い複雑さと一体感を堪能できます。
熟成の進んだ未来の姿はこんな味わいなのかもしれませんね。
〇ロック
冷えていくなかで様々なニュアンスが個々に顔を覗かせます。青草、オイル、遠くの野花や樹液、湿った樹皮を感じます。
味わいは終盤手前までとにかくシルキーです。
始めにまろやかな甘味、体温で温まるとともに干し草と薬草系の苦味、小さく赤唐辛子系のスパイスがスムーズに展開していきます。
余韻に細い煙を想わせる粒度の細かいビターさが現れ、舌触りのイメージが変わります。手触りで例えると、シルクやサテンのツルツルすべすべが綺麗な髪やベロア生地のサラサラすべすべになった感じです。
杯を重ねると始めの甘さがより確かに感じられます。この甘味のニュアンスは強くはない、お米や牛乳を噛み続けると感じるような噛み締めるとどこまでも薄く伸びるしなやかな甘さという印象です。
一番どっぷり浸れる飲み方かと思います。
〇ハーフロック
香りは甘さが増した印象で、青草とビターさが溶け合ったイメージです。
良く言えば調和している、悪く言えばのっぺりした印象です。
味わいは干し草とオイル、短いながらはっきりとした甘味とモルト、ビターさ。後半からにシャープに突き上げるように赤唐辛子のニュアンス。終盤から余韻にかけて赤唐辛子の辛さが引いていく際に黒胡椒のニュアンスとウッドとビターを感じます。
杯を重ねるなかで短い甘味とモルトが際立ち、美味しいです。
まるで、焼け付くように苦々しく激動の青春こそ瑞々しく甘く甘い瞬間だったと、いまになって打ちのめされる我々大人の歪んだ唇の如しです。
〇ハイボール
香りは豊かではないが、とにかく嫌味がなく静かに香ばしくほんのりと甘いです。
口にするとほんのり甘く、続いて草を想わせる青さが現れ、舌の根から先へ黒胡椒系のスパイス感と滑らかなビターさが続きます。そしてこのスパイスとビターさが突然雪解けのように消える始めます。
余韻に長く尻上がり伸びるハチミツ味の極薄の飴でも舐めているような甘さが口に残ります。
ハイボール向きではないと思いますが、特徴が楽しめるので小量をゆったり飲むならアリですね。
〇温水割り
香りでアルコール刺激がやや目立ちます。黒胡椒、モルト、甘さと要素は感じられますが、特別複層的な印象はありませんでした。
味わいは初めにモルト、冷えていくほどに甘味よりビターさの印象が強まります。
嫌味はないけど、尻すぼみかなといった印象です。
要素の分析としては面白いですが、飲み方としては向いていないかもしれません。
この子はあれですね、雪のなか焚火を眺めているイメージですね。
色素が薄く瞳に焚火のオレンジが写り込んでいます。
穏やかな笑みを浮かべていますが、その胸の裡は計り知れません。
妄想が過ぎるぞっ‼
若いウイスキーながら嫌味がなく、重くなく上品です。
なかでも甘さとスパイス感が特徴的です。
甘さは薄く伸び『そこに居続ける』といったイメージです。強いという印象ではなく淡いとも軽いとも捉えられ、限りなくゼロに近づくけれどそこに居続けます。
スパイス感については激し過ぎず、引き際が上品でそのスピードが異なることで前述の甘味とのコントラストが生まれています。
シングルモルト デッサンシリーズ フローラ2024
価格は15000円で限定約6000本販売でECサイトはざっと調べた感じ売り切れております。うーん、アーカイブとしての価値ェ……!
薄く伸びる甘さとスパイス感の崩れ方は強さを感じさせる特徴ではありませんが、唯一無二な特徴だと言えると思います。
日本の蒸留所はどうしてもお高めですが、イベントなどで気に入ったものがあれば追ってみるのも楽しいでしょう!
個人的にはピーテッドタイプも気になりますねっ!!
ニュアンスとお勧め点数はこんな感じです!
温度感:冷~温(冷たさメインで温かみも感じる)
湿度 :中
香り :中
味わい:中~濃
重み :軽~中
複雑さ:中~複
余韻 :長
世楽好み ☆☆☆☆☆★★
万人受け ☆☆☆☆~☆☆☆☆☆
コスパ ☆☆
合計 13~14点
イメージ
https://kakuyomu.jp/users/selark896/news/16818093088586159080
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