家飲みウイスキースキィおっさんが感想と妄想を綴るエッセイ

本編

【超おすすめ】カネマラ【アイリッシュ】

　リクエスト回でアイリッシュはいかがと言われたので、行きましょうアイルランド!(気持ちだけ)

　カネマラ

　おかしい、たしかリクエストではキルべガンの話をしていたはず……。

　ま、まあ同じクーリー社のウイスキーだし、ええやろ(震え声)

　アイルランドのカネマラ国立公園の名前を冠する古のスタイルのアイリッシュウイスキーです。

　かつてはアイリッシュウイスキーもスコッチと似た製法で作られていたそうです。つまり麦芽もピートも使われていたのです。

　それが麦芽に対する課税により未発芽の大麦が使用されるようになり、さらに時代の流れのなかで三回蒸留が定着し、燃料がピートから石炭や木材に切り替わり、現在のアイリッシュウイスキーのスタイルが確立されました。

　そんななかでこのカネマラは麦芽もピートも使い、蒸留回数は二回。前述の通りかつてのアイルランドのウイスキースタイルで作られているのです。

　アイリッシュブランドの再興を目指すアイリッシュの革命児のウイスキーそのお味のほどは⁉

〇ストレート

　煙さとハーブを想わせる草っぽさ、多少のアルコール刺激がありますが落ち着く香りがします。

　味わいは舌に優しく乗ってくる厚みのあるモルトと塩気、どこかスパイシーなハーブの香りとそれに寄り添う煙さ。余韻はスモーキーでスパイシーでありながら草を想わす落ち着く感覚があります。

〇加水

　スパイシーな草のイメージが伸びて、煙さは感じにくい。

　口当たりはまろやかなモルトに続いてスパイシーさ、ほんのりとした甘さと続いて草の感覚。

　余韻はスパイシーさが強い。茹でた枝豆を連想させる酸味もある発酵した植物のような雰囲気も感じます。

〇ロック

　ふわりと煙く、どこか甘い香り。レモングラスのような草っぽさを感じます。

　味はクリアな甘さとまろやかさ、じんわりとくるスパイシーさと後味に煙さ。苦みは出でこない。旨い！

〇ハイボール

　しっかりした煙さと厚いモルト、爽やかな草のようなイメージの香りがします。

　口にするとモルトのまろやかさが煙さを纏っているイメージが口内に広がります。乾いた草を燃やしたようなスモーキーさです。煙と草、黒く焼けた土まで見えるようです。

　味わいの流れは各要素がまとまってやって来て少しの余韻という感じで煙さとモルト、ハーブの調和を感じます。塩味があり甘さはあまりないからか、しっかりしているのに爽やかで次の一口が美味しく飲みやすい。

　ウイスキーを飲み初めに感じた感覚を思い出しました。

　この子はあれですね、ふわりと包容力のある酪農家の娘さんですね。

　背丈は低めで全体的に丸っこいイメージです。髪は長く編み込んでまとめていて、タレ眼も相まって少し幼い印象をしています。チャッカブーツがちょっとブカっとしている姿が可愛らしいです。

　筋肉質な見た目ではありませんが力持ちさんです。働き者ながらせかせかとはしておらず、人も動物もリラックスして過ごすことが出来るのは彼女の優しい空気感のなせる業なのでしょう。　　

　遠くに暗い海を臨む荒涼とした丘に動物たちと暮らしている彼女はたまの晴れ間は牧草に寝転がっています。眼が合えば笑って隣をポンポンと叩いて示してくれます。

　いいでしょう、甘えましょう！　一緒に日向ぼっこです！

　妄想が過ぎるぞっ‼

　まろやかながらハーブ感と煙さがあるところが特徴的です。

　ストレートと加水では乾燥したハーブのスパイシーと草っぽさがよく感じられ、ハイボールとロックでは煙さが感じやすいと思います。

　どの飲み方でも一貫して落ち着く味わいを感じます。すっきりしているけれど軽くない酒質が絶妙。

　塩気があるものが欲しくなる味わいで、チーズや生ハムなど畜産物との相性がいいです。ハーブ感もあるので、きゅうりとチーズとサラミのカナッペも美味しくいただけました。

　特別尖ったものはないかもしれませんが、食前食中食後をこなせるバランスの良さはウイスキー飲みの魂が還る場所なのかもしれません。

　カネマラ

　価格は3000～4000円ほどで店舗によってまちまちです。ノンエイジですがシングルモルトなので4000円でも決して高くはないでしょう。

　入手についてはそれなりの大きさの酒屋ならあるかもしれません。

　甘過ぎず、スモーキーさとハーブ感を楽しめます。

　飲みやすくてちょっと変わったものが欲しいなぁ、という方には是非試して欲しいです。

　お勧め点数はこんな感じです！(3000円基準)

　世楽好み　☆☆☆☆

　万人受け　☆☆☆☆★

　コスパ　　☆☆☆☆

　合計　　　13点