　何の気なしに買った低価格ウイスキーが大当たりで嬉しい今回！

　個人的にリピート確定どストライクテイスト＆安ウイスキーのお手本のような味の構成に感じたこの子をご紹介！

　ヘッジス＆バトラー

　そこそこの知名度＆流通量ながらあまり話題に上らない印象ですが、そのお味はいかに！

○ストレート

　香りはアルコール刺激、煙さと木質感に遅れてモルトの甘さが感じられ、その後に若干のヒリヒリ感。静かでやや重たい印象でアルコール刺激もありますが落ち着ていて旨そうな香りです。

　口にすると煙さがふわぁと現れると共に甘味とモルトのふくよかな香りが広がります。濃厚なファーストコンタクトの後、濃すぎずあっさり過ぎない飲みごたえがビッと終わりを迎え、刺激と煙さを幽かに残したドライな切れ味。

　アルコール刺激は随所に現れますが不快なレベルではなく、一杯目を干すと厚いモルトの甘味を求めて二杯目に手が伸びてしまう……そんな呼び水となります。それでいてしっかりとした煙さも楽しめて飽きがこず、後味はドライで飲み疲れない。

　正直、初めて飲んだ日はやや飲み過ぎました。なんていうか、もう一杯飲みたくなる味なんですよね。美味しいです！

○加水

　甘さが引っ込んだ印象。煙さと麦のふくよかさの後にアルコール刺激が来ますが、切れの良さからしつこくは感じませんでした。ストレートでキツければアリな選択かもしれませんが、個人的にはストレートの方がおすすめです。

○ロック

　麦の香りと煙さ、甘さを感じられるがアルコール刺激がキツく感じました。強烈な刺激やエグ味ではないのですが、個人的にはイマイチでした。

○ハイボール

　個性とまとまりの良さを両立した美味しいハイボールですっ！

　元々低刺激だったアルコールのトゲはなくなり、変な雑味も出てこず、個性はそのまま楽しめます。

　静かだった香りは炭酸と共に踊り、煙さと甘さが鼻腔をくすぐります。口にすると煙さはそのまま、甘さはやや控えめに感じられます。モルトの厚みは充分で炭酸刺激と共に味わっても飲みごたえがあります。そしてドライな切れ味は不思議と健在で炭酸刺激との相乗効果で清々しいフィニッシュです。

　ストレートが次を一杯を欲する後味であるのに対して、ハイボールは潔さを覚える綺麗なフィニッシュです。

　これなら個性を楽しみつつ、食中にいただくのもありでしょう。

　この子はあれですね、スポーティで褐色肌のトランジスタグラマーな娘ですね。

　低身長で出るトコ出ていて脚のバネが強い感じ。お胸がおっきく、おみ脚は引き締まりつつムチッとしていてお尻はキュッ締まっていて……ハードル走辺りが得意な印象です。

　身のこなしは普段から快活で軽やか。距離の詰め方の緩急が激しいネコ科っぽい仕草でこちらを困らせては、にやにやするイタズラ好きな娘さんです。

　名前に対して随分自由奔放な方向に妄想が広がりましたが、雰囲気(香り)があり主を支えるしっかり者(味わい深さ)で軽やかな所作と主張し過ぎない引き際をわきまえた態度（ドライな切れ味）と捉えると執事（バトラー）という名前もしっくりくるように感じますね。

　だとしても！　私はバトラーちゃんには褐色トランジスタグラマーであって欲しい。なんとなれば、この娘が執事服を着れば解決なのでは⁉　家従（バトラー）の流れでメイド服という選択肢もあるかもしれないが、この娘の場合は断然執事服推しだっ‼　

　妄想が過ぎるぞ！

　価格は1000円程で売っているかは店による、という印象。酒屋になくてスーパーに置いてあったりもします。実際世楽の近所はそんな状況です。

　低価格のいわゆる安酒にカテゴライズされるウイスキーは大抵なんらかの短所、極論すると『不味さ』がつきものですがこの子の場合、その隠し方が絶妙に思えました。低刺激ながらアルコール刺激はありますし、ストレートの余韻は長く続くという性格ではありません。

　ですが次の一杯を口にしたり、ハイボールにして欠点を薄めてしまえば、気にならなくすることが出来ます。もちろんそうやって楽しむためには『美味しさがちゃんとあること』が大前提になるのですが。

　売値が低価格であれば必然、そこに投入できるリソースは限られてきます。そうなれば『不味さ』と感じられてしまう要素が混ざるのは仕方ないことでしょう。それをどれだけ許容しつつ、美味しさを前に出すのか。限られたリソースのなかで全てをクリア出来ずとも、押さえるトコを押さえて美味しい物に仕上げている。素晴らしい逸品です。

　ヘッジス＆バトラー　

　低価格ですが後味ドライで低刺激なのでストレートでも美味しくいただけます。　

　煙いお味が気になる初心者にもお勧め出来る素晴しいウイスキーです！