【おすすめ】フロム・ザ・バレル【ジャパニーズ】

 あまり見かけない&得意でないメーカーのウイスキーのためスルーしていましたが、コープにて定価で入手できたこの子を今回はご紹介です。


 フロム・ザ・バレル


 コスパ最強と噂のバレルちゃん。噂と樽、字面は似ていますが真相はいかに?

 百聞は一見に如かず。味わいは己で確かめてみてこそ。

 答えは噂のなかでなく、樽のなか。樽っすよ、樽ぅ!


 真実はいつも樽のなかフロム・ザ・バレル

 

○ストレート

 香りの第一印象は度数高めのバーボンを想わせる舌をくすぐる酸味と甘さ。その影にスコッチ然とした煙さが寄り添っているようです。軽やかで華やかな印象ではありませんが、肉厚で期待をそそる香りです。

 口にした際の印象は良い意味で香りと似ています。鮮やかな赤色を想起させる酸味、続く甘さとまろやかで厚みのある舌触りは互いを引き立て合います。飲み干し吐息を漏らすとふわりと柔らかい煙さがフィニッシュを飾る。この余韻が中間のオイリーさをくどく感じさせない美味しさへと昇華させているように感じます。

 前中後と違う顔を見せながらも個性がぶつかることなく高め合い、一口目の余韻は二口目の誘い水となる罪なお酒です。 


○加水

 中間で感じた甘さとまろやかさが強調される印象。酸味はやや弱くなってしまうが、煙さの余韻は健在。ゆったりと楽しむにはいい塩梅に感じます。


○ロック

 前半の酸味の印象から中間を飛ばして煙さへとすぅ、と移行していく印象。変な雑味や苦さを感じることはなく美味しい。

 

○ハイボール

 酸味と厚みを想わせる香り。スモーキーさや軽やかで華やかな印象はあまり受けない。美味しそうではある。

 口にすると酸味に続いてモルトの厚みと甘さ、炭酸の刺激と共に煙さが鼻を抜けていきます。味わいの流れはストレートのときと変わらないかなと思いました。口に含んでからが美味しいハイボールだと思います。


  

 この子はあれですね、低身長だけど成熟した大人のお姉さんですね。

 背は低くても骨太でがっちりしてるタイプ、言動がハキハキしていて存在感があり周囲の人はふとした拍子に彼女が小っちゃいことを思い出したりするんです。

 髪や化粧に派手さは求めないけれど、地味ではなく野暮ったくもない。押さえるとこはキチンと押さえていて、よく見れば見るほどむしろ上質で丁寧な滑らかさが感じられるお肌と御髪。

 タバコやギャンブルといった遊びを嗜んでいてもそれらが騒々しく彼女から漏れ出てくることはなく、知った瞬間に色気と感じさせる魅力のあるお姉さんなのです。

 そんなちゃんとした小柄なお姉さんのちっちゃな秘密。気づいてしまってお姉さんに『バレてしまったかぁ』と呆れ笑いされたい。されたくない?


 妄想が過ぎるぞ!


 度数は51%と高いですが飲み方は万能でどんな飲み方でも飲みやすく、違った魅力を覗かせてくれる子です。

 世楽的にはストレートがお勧めです。既に述べていますが前中後と異なる魅力が隙なく詰まっています。バーボンもスコッチも好んで飲まれる方には試してみて欲しい逸品です。

 定価は500mm瓶で2000円中盤と通常換算で約4000円弱ですがその価値は十分あると思います。コスパ最強の噂も頷ける品だと思いました。ただし、なかなかお見かけ出来ない&定価でないことが多々ある点だけがネックです。

 

 などと、いろいろと言ってはきましたが最終的には飲んだ人が美味しくいただけて満足できるかどうかが全てです。結局は人それぞれで貴方次第。香りに誘われ、舌で転がし、うっとり吐息を漏らして余韻に浸れるかどうか。そんな幸せな美味しさが詰まっているかどうかは飲んでみなくてはわからない。

 そうつまり、真実はいつも樽のなかフロム・ザ・バレル!(言いたかっただけ)

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