【ちょっくら歌おう】独りで飲む酒、なんの酒?【番外編】

 街からビールが消え去った♪

 発泡酒などでは物足りぬ♪

 強めの酒を寄越せい寄越せい♪


 外で飲む者少なくなった♪

 モラルが酔いを赦さない♪

 酔ったヒトなど追い出せ追い出せ♪


 だけど人は弱いもの♪

 酒は命の水だもの♪

 独りの小部屋で酔わせい酔わせい♪


 少ない身銭で届く酒♪

 少ない量で酔える酒♪

 不況にあって売れませ売れませ♪


 されど独り呷るは何のため?

 酔わんがための酒は誰のため?

 知りゃせん知りゃせん!

 酔いませ酔いませ、ただただ酔いませ!


 酒は命の水なのに♪

 全て霞ませ濁らせ、皆沈む♪


 濁った瞳、届かぬ星明り。

 かすれた鼻歌はあまりに早い鎮魂歌。

 皆は知らぬ。貴方はどうだ?

 

 酒が歪めた心に非ず。

 乾いた心が求めた慰みなのだ。


 笑い飛ばせるなら酔いませ酔いませ♪

 そうでないなら酔い覚ませ!

 


――「ジン横丁」と「ビール街」を眺めながら。



 当時と現在をそのまま比較するのはナンセンスでしょう。

 しかし、符合するものがある気がしてなりません。


 酒は文化的であった方が良いと思います。

 嗜む人にはマナーが求められ、ちょっとしたウィットがあると尚よろしい。

 

 泥の中に在って星を見上げ続けるのが人じゃあないのか?

 彼らの歌と願いと小踊りとを彩るものこそ酒じゃあないのか?


 なんて綺麗ごとを舌滑らかに語るために酔いたいものだと、私は思います。

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