第80話

「その後の授業で無事五名が輩出され、私たちのグループは大会に参加することが出来た。それのことは嬉しかった。レティシアとレミリアと私で、手を叩いて喜んだよ」

「……大会への参加は、いつの時代も同じ気持ちだということ、か」


 そこで崇人は思い出したのは、彼自身の思い出だった。

 あの時、崇人に初めて大会のことを教えたのはエスティだった。エスティがもし教えてくれなければ、彼女が笑顔で『大会』のことを言っていなければ、崇人は大会には出ていなかっただろう。

 エスティを失って、彼は未だに『何処で失敗したのか』を考える。セーブもロードもリセットも出来ないこの世界は、時に残酷な現実を突き付けてくる。その現実は、決して受け入れることの出来ない、悲しい事実だ。

 しかし崇人はそれを受け入れようと思った。確かに最初は受け入れたくなかった。悲しい事実が彼の心を潰していった。

 だが、それではいけないと彼は思った。向き合うことも大事だが区切りをつけるのも大事であることを、彼は漸く理解したのだ。


「エスティが死んであなたが悲しんだのも事実。そしてそれを見て私は……昔のことを思い出した。それもまた事実なのよ」

「それじゃマーズも……」

「ええ」


 崇人の言葉に、マーズは小さく頷く。

 マーズはその後、何を言うでもなく、再び昔話を始めた。



 ◇◇◇



 大会の開催まであと一週間と迫ったこの日は、とても暑い日だった。

 しかしそのタイミングになって冷房機器が完全に故障したために、教室は蒸し風呂状態になっていた。


「暑い……」


 特に起動従士訓練学校はリリーファーの操縦の授業を、ほぼ毎日実施している。そのため、リリーファーの背中から吹き出る排気(或いは熱気)が、さらに学校の蒸し風呂化を加熱させているわけだ。


「せんせー、プール入りましょうよ~。どうせバレやしませんって」

「馬鹿野郎。そんなことをしてバレたら俺が給料カットになっちまう」


 学生からの質問を、玉のような汗を流しながら先生は答えた。

 だからといって学生も先生もこの状況で何も対策を取っていない――なんてことはしていない。タオルを濡らして首に巻いたり、小型の扇風機を持ってきたり(その大きさは手のひらに乗るくらいである。因みにそれを持ってくるだけで商売が成立するくらいの猛暑である)、その方法は様々だ。


「……あー、暑い」


 そう言って先生は学生の出欠席を扱う出席簿で扇ぎ始めた。この暑さでは頭がまったく働かないということであった。


「せんせー、もう今日の授業終わりにしましょうよー」

「うう……、だが俺は教職三十年だ……。そんな俺がここで諦めるわけには……」

「変にプロ意識を持っている先生だよね」


 先生の言葉を聞いて、レティシアはマーズに耳打ちする。

 マーズはそれを聞いてくすりと笑って、


「聞こえるから、あまり大きな声で言わない方がいいと思うよ」


 とだけ返した。



 メンバーは結局のところ、五名集まった。

 マーズ・リッペンバーを筆頭に、レティシア・バーボタージュ、レミリア・ポイスワッド、ファル・ルーチンネイク、ゴードン・レイバーの五名だ。ゴードン以外は女性で構成されており、このメンバーが発表された時は『女子と男子の割合のバランスが取れていない』などと卑下されたこともあったが、結局はマーズとレティシア、それにレミリアの実力を見たほかの人たちは、それで納得するほかなかった。



「レミリア」


 レティシアはある日、レミリアと会話をしていた。しかし、何か目的があるわけでもなく、ただの他愛もない会話だった。


「そういえば上の姉さんが煩くてね」


 レミリアは言った。


「あら、あなた姉妹居たの?」

「言ってなかったっけ」


 そう前置きして、レミリアは話を続ける。


「私は五人姉妹でね。私はその一番下。一番上はもう結婚して、子供も居るのよね。可愛いわよ?」

「へえ。一度会ってみたいわね。……でも今は大会の準備をしなくちゃだけど」

「いいところよ。トロム湖の湖岸にあるライジングストリートに並ぶ小さな洋裁店に入ったって言ってたっけ。今度一緒に連れて行ってあげるわ」


 それを聞いてレティシアは微笑み、


「楽しみにしてるわね」


 そう言って、頷いた。



 そして。

 ついにその日はやってきた。

 セレス・コロシアムに続々と集まる各学校の精鋭たち。

 その中にマーズたちも居た。


「なんだか緊張するわね……」

「珍しい。マーズも緊張すること、あるのね」

「そりゃもちろん今までに経験したことのないビッグイベントよ? 緊張しない方がおかしな話だとは思わないかしら」

「それもそうね」


 マーズの言葉にレティシアは淡白に答えた。

 ただ、それだけのことだった。



 ◇◇◇



 試合は彼女たちが思った以上に淡々に進んでいく――そういう予想を立てるのも無理はない。なにせ彼女たちは初めての参加なのだから。二回目であるのはゴードンただ一人であるが、彼は今回リーダーの職を辞して、マーズにその職を譲った。理由は『若い力にやってもらったほうがいい』という、極在り来りなものであった。

 かくしてマーズがリーダーとなり、彼女たちはリリーファーを決めることとした。

 この大会では原則チームで乗るリリーファーはその前日或いは直前に決定することとなっている。仮に何日も前から決定させておくと何らかの不正が起きる可能性もあり、その対策のためだ。


「リリーファーもここまで並んでいるのを見ると圧巻ね……」


 マーズたちはリリーファーが並べられている倉庫へとやってきていた。ここはたくさんのリリーファーが集められていて、それに試乗したり外から眺めたりして、そのリリーファーを決定する。

 その光景に一番感動したのはレティシアだった。彼女はリリーファーが好きだった。だからこんな場所に来れるのは夢のような時間ともいえる。


「すごいねえ、マーズ。こんなにもたくさんのリリーファーがあるなんて……」


 レミリアは微笑みながら、マーズの隣に寄り添って歩いていた。

 マーズはそれを聞いて頷きながら、リリーファーの品定めをしていた。

 どんなリリーファーがいいか、どんなリリーファーが動きやすいか。

 それを考えるのがリーダーの役割とは必ずしも言えないが、とはいえリーダーが率先して働くことに越したことはない。


「どんなリリーファーでもいいわね……」


 マーズはほかの人の話を聞くことのないように、そちらにも意識を集中させながら、リリーファーの品定めに没頭していった。

 さて。残されたレティシアは頬を膨らませながら、彼女も彼女なりにリリーファーの品定めをしていた。


「リーダーだからマーズも大変ね」


 労いをかける言葉を言ったが、本心はマーズに対して怒りを募らせていた。



 ――もっと気を抜いてもいいだろうに、彼女はどうしてあそこまで気張ってしまうのだろうか? ということだ。



 確かに気張りすぎはよくない。とはいえ緊張感を持たなすぎるのもまた、ダメなことだ。適度な緊張感をもってしてこそ、リーダーはリーダーらしく務まる。

 しかし、今のマーズは『失敗など許されない』という感じの面持ちで望んでいるために、常に緊張していた。


「別に、そこまで緊張するほどないのになあ。軍人じゃあるまいし」


 そうつぶやいて、レティシアは口笛を吹き始めた。

 その時だった。


『――レティシア・バーボタージュ』


 声が、聞こえた。

 その声は低く、渋味があり、かつはっきりとした声であった。

 レティシアはその声が何処から聞こえるのか――と辺りを見渡すが、何処にもそのような人影は見えない。


『何を見ている。私はお前の目の前に居るだろう』

「目の……前?」


 言葉を反芻して、言われた通りの方向を向いた。そこにいたのは一機のリリーファーだった。


「リリーファー……? まさかリリーファーが言葉を発することが出来るなんて、そんなタイプが開発されたというニュースは……聞いたことがないのに……!」

『世界は常に進歩していつ何が起きるか解らない。だから世界というものは面白い。……そうだろう?』

「どういう……」


 レティシアは頭をフル回転させた――が、その直後、彼女はがっくりと項垂れた。まるで、意識を失ってしまったかのように。

 とはいえそれもまた一瞬で終了して、再び彼女は前を向いた。



 ――彼女の目から、光が失われていることに気が付いたのは誰一人としていなかった。



『さぁ、私とひとつになろう』

「ひとつ……に?」

『そうだ。リリーファーは起動従士に操縦される。だが、それだけでいいのだろうか? ……そう考えた科学者もいた。そしてその科学者は機械に「命」を与えた』

「それがあなた、ということね……」

『あぁ、そうだ』


 レティシアはゆっくりと、ゆっくりと歩を進める。それについて気を止める人間など誰も居なかった。ここに居るのは大会の参加者か整備士しかいないから、リリーファーに近付くことは至って普通のことなのだ。

 そして彼女はそのリリーファーに乗り込んだ。



 ◇◇◇



「そういえばレティシアはどうした?」


 マーズは一通り倉庫にあるリリーファーを見終えたところで、ほかのメンバーにそう言った。


「レティシアならリリーファーを見て回るとか言ってた気がしますよ」


 それにいち早く答えたのはレミリアだった。

 レティシアは確かにリリーファーが好きだから、そう考えられるのも頷ける話だった。


「そうか。確かにそれなら有り得ない話ではない。……まぁ、少しくらいみんなで自由に回ってもいいだろうし」

「リリーファーはいったい、どういう感じにするつもり? 個人貸切、それともチーム貸切? さっき聞いた話だけど、後者の方が工作されなくて済むらしいよ」


 再び、レミリアは訊ねた。


「うーん、まぁ予定としては私も後者のほうがいいわね。それぞれに合ったリリーファーを使うのが、全力を出せていいと思うけれど、リリーファーに何か仕込まれたらたまったものではないね。何せ個人貸切の場合は『他の起動従士と共同管理』なのだから」


 個人貸切とチーム貸切の間には、ある大きな特徴が存在する。それは管理面での問題だ。

 前者ならばリリーファーの台数の都合により、複数人の起動従士との共同利用が求められる。しかしながら整備士はリリーファー一機に何名と決定しているため、必ずしも安全が確保されるわけではない。過去にもこのような事態があったからこそ、慎重に選ばなくてはならない。

 とはいえ前者には、『起動従士に応じたリリーファー』をそれぞれに配置出来るというメリットが存在する。その大きなメリットがあるからこそ、未だに個人貸切を選ぶチームは少なくない。

 では、後者はどうなるだろうか?

 チーム貸切では一機のリリーファーをチーム単位で借りる。そのためそのリリーファーを使用するのは、自ずとそのチームだけとなる。即ち安全性がぐんと跳ね上がるのだ。


「……やっぱりチーム貸切の方が、やり方としては手堅いかもしれないわね」


 そう言って溜息を吐いた――その時だった。

 倉庫に、サイレンが鳴り響いた。そのサイレンは普通のサイレンではなく、どこか不快な音だった。身体中を虫のような何かが這いずり回る、そんな不快感だ。

 そしてそれと同時に、


「皆さん、ここは避難命令が発動されました! 急いで逃げて下さい!」


 メガホンを持った若い女性が、倉庫に居る人間にそう声をかけた。

 そして倉庫がざわめきと喧騒に包まれるまで、数瞬もかからなかった。


「どういうことだ、いったい何があったんだ!」


 メガホンを持つ女性を捕まえてマーズは状況の説明を求めた。

 対してメガホンを持つ女性は微笑むと、


「何も問題はありません。此方で早急に対処致しますし、リリーファー倉庫は未だ幾つかありますからそちらを利用して構いません。だから今は急いで……」

「私は『何があったのか』を聞いているんだ!! こうしろああしろという命令が聞きたいわけじゃない!!」


 マーズは食いかかるような口調でその女性を責め立てていく。

 そして。

 地響きが鳴った。

 それはマーズたちがいるずっと後ろの方だったが、それが何によるものかは直ぐに理解出来た。


「まさか……リリーファーの暴走?」


 マーズが呟くと、その女性は諦めたように小さく溜息を吐いてから、頷いた。


「あぁ、そうだ。リリーファーの暴走だよ。とはいえ今の時代、自律制御が可能なリリーファーは存在しない。リリーファーにはきちんと人間が乗っている」

「その人間……までは」

「残念ながら、流石にそこまでは把握出来ていない。しかし通信を繰り返していくうちに、唯一『女性だ』という確証は掴めた」


 そこでマーズはとても嫌な予感がした。

 そんなことはありえない。彼女のはずがない。

 そう思ってはいたが、しかし真実は重くのしかかる。

 メガホンを持った女性に、一人の人間が近付いたからだ。同じように作業着を着た人間は用件だけを告げて、さっさと帰っていった。


「……名前は?」

「マーズ・リッペンバー」


 それを聞いて、女性は溜息を吐く。


「……だったら、もう言っても構わないだろう。どっちにしろ、君たちももう無関係とは呼べなくなったわけだからな」

「それはどういうことだ?」


 マーズの言葉に、女性はマーズたちの方に向かってくるリリーファーを指差して、言った。


「あそこに乗っている人間の正体が判明した。……レティシア・バーボタージュ、十歳。チームは、君たちと同じなのはあなたたちのほうがよく知っているはずよね」



 ◇◇◇



 レティシア・バーボタージュは笑っていた。抑えようとしてもその笑いが止まることはなかった。

 彼女は嬉しかった。

 なぜ? こんなリリーファーに乗れたからか? ――違う。

 なぜ? 破壊と殺戮ができることを喜んでいるのか? ――違う。

 彼女が願うこと、それはたった一つ。


「ねえ、マーズ」


 レティシアは誰にでもなく呟いた。

 彼女はマーズ・リッペンバーが好きだった。どんな彼女も好きだった。コーヒーを呑む彼女も、勉強をするためにノートを取る彼女も、リリーファーを見る彼女も、哀しみに溺れ涙を流す彼女も、笑顔の彼女も、深刻そうな表情を浮かべる彼女も、全部全部全部全部。

 レティシアはマーズ・リッペンバーの凡てを自分のものにしたかったし、そうあるべきだと考えていた。

 だが、それには幾重にも壁が立ち塞がった。

 それを凡て打ちのめしても、それよりも高い壁がやってくる。

 今回の『大会』だってそうだった。彼女はマーズを独り占めできると考えていたのに、これだ。

 レティシア・バーボタージュはマーズ・リッペンバーを見ていたが、マーズ・リッペンバーはレティシア・バーボタージュのことを見てくれてはいなかった。

 その違いが、彼女を苦しめ続けた。

 彼女を、歪めていった。

 それは、たった一つの感情だった。絶望よりも希望よりも深い、深い感情。

 だが、それを彼女は敢えて言おうとはしなかった。言う必要がないからだ。

 ただ、彼女に――マーズ・リッペンバーに振り向いて欲しかった。マーズ・リッペンバーにレティシア・バーボタージュを隅から隅まで見て欲しかった。

 普通の人間から見ればそれは歪んだ感情のようにも思えたが、彼女はそれを『歪んだもの』だとは思わなかった。

 狂っていたのは彼女だった、ということに変わりないのだ。


「どうしてあなたは――私を見てくれないの?」


 彼女はリリーファーコントローラを撫でながら、呟く。

 撫でて撫でて撫でて、それでも彼女の気が収まることはない。いや、それどころかさらにその勢いは増していた。

 認識というものを捨てて、レティシア・バーボタージュはただひたすらにマーズ・リッペンバーのことが好きだった。愛していた。壊してしまいたいほどに、狂おしいほどに、愛おしかった。


「好きだよ……好きだよ……ほんとうに好きなんだ、殺したくなるくらい好きなんだ。壊してしまいたいほど好きなんだ。あの笑顔、あの表情、あの姿、あの仕草、あの言葉、あの涙、……凡てを私のものにしたいんだ。私だけのものにしたいんだ」


 好きだ、と何度もレティシアはマーズに言ったことがある。

 しかし結局は、『私たちは女性同士でしょう?』などと流されて終わってしまう。

 そんな軽い気持ちで言ったわけではないのに。

 そんな質量のない言葉ではないのに。

 誰でも言えるような、誰にでも言えるような、質量のない空っぽの言葉なんかとは違う。うわべだけの言葉ではない、もっと真剣な言葉なのに――。

 マーズはそれを、冗談めいた雰囲気であしらった。

 だから彼女は、何度も何度も何度も何度も何度も彼女にアタックした。

 あるときは食堂でカレーを頬張りながら。

 あるときはリリーファーの訓練を行いながら。

 あるときは朝起こしに来た時に。

 必ず、毎日といっていいほどにレティシアはマーズに思いを伝え続けた。

 しかしマーズは、一度たりともレティシアの思いを汲んだことなどなかった。


「手に入れたい手に入れたい手に入れたい手に入れたい……」


 狂ったように、壊れたように、言葉が漏れる。リプレイさせる。

 彼女はマーズのことが好きで好きでしょうがなかった。

 だが、現にマーズはそれを本心だとは思わなかった。真実だと思わなかった。

 それは真実であるというのに。

 虚構ではない、真実だというのに。


『手に入らないのならば――いっそ殺してしまえばいい』


 声が聞こえた。

 その声は、あのリリーファーだった。


「リリーファー……『殺す』、って?」

『おっと、僕にも名前があるんだ。こう呼んでくれないかな……「ディアボロス」、とね』


 リリーファー、もといディアボロスは自らをそう名乗った。

 そしてそれに関して何の違和感も持たず、頷く。


「解ったわ、『ディアボロス』。でも、わたしはマーズを殺せない」

『でもマーズ・リッペンバーは君を拒否したのだろう? 君をマーズ・リッペンバーの空間へと入れることを拒んだのだろう? それならば、従わないというのなら、殺してしまうのもそれはひとつの手ではないかな?』

「でも……そんなこと……」

『何を躊躇っているんだい』


 レティシアは躊躇っていた。

 そのあと一歩を、ディアボロスは背中を押した。


『そんな躊躇していても、マーズ・リッペンバーは今度こそ振り向いてくれないよ。力で示さなくちゃ。自分がこんなにもマーズ・リッペンバーのことを思っているのだ、ということを……ね。そうでなくちゃ、そうじゃなくちゃ、マーズ・リッペンバーだって君のほんとうの気持ちを理解してくれないし、そもそも気付いてもくれないだろうね』

「私は……どうすればいいの……?」


 レティシアは涙を流していた。


『マーズ・リッペンバーが好きなのだろう?』


 その言葉に、レティシアは頷く。


『だったら殺してしまえばいい。そうすれば君だけのものになる。凡てを手に入れたいのならば、マーズ・リッペンバーを殺せばいい。そうだな、剥製にするってのもどうだろう? そうすれば、動かないことがもちろんついてまわるかもしれないが、マーズ・リッペンバーの体は永遠に君のものになる』


 レティシアは無言で、リリーファーコントローラを握る。

 その意志は彼女自身のものなのか、それともディアボロスに操られた偽りの意志なのかは解らない。

 そうであったとしても。

 レティシアがマーズのことを、愛していることには変わりなかった。

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