くりちゃんの復讐

@pochay78

第1話

フランチェスコ・ビッグ・アレキサンドリアです。僕はくやしいことにハムスターです。ストレスが相当溜まっています。そこのペットを飼っていない動物に優しい方。聞いてくれませんか?

僕は男なのにくりちゃんと名付けられています。また自分の意思にかかわらず体を撫でまわされます。とても苦痛です。僕を飼っているミサって子供は僕のことをむんずとつかみ頭をなでるのですが「ああ可愛い可愛い」と言ってきます。僕は相手がぜんっぜん可愛くありません。でっかい影みたいなやつだからです。みさちゃんのお母さんは、ぼくのことをとっとこ〇ム太郎のようだと呼びます。ことあるごとにとっとこ〇ム太郎とよんできます。僕には僕が自分に着けたフランチェスコ・ビッグ・アレキサンドリアという名前があるのです。

あっでも、お父さんは僕のことを見ていつもニコニコ笑っているだけです。50歳ならないのに禿げ頭でたれ目で優しい人です。時々僕にDIYていう人間の趣味なのか知らないけどそういうのでおもちゃを作ってくれる時があります。この人はおやつをくれたりするだけで、体にわざわざ触ってこないので僕はこの人は大好きです。


昨日こんなことがありました。でっかいかげのみさちゃんが、僕を「ジェットコースターに乗せてあげる!」といって僕を持っている手を振り回したのです。僕はその後船酔いみたいな状態が2時間続きました。

僕は今泣いています。人間に飼われているというこの身がいやでたまりません。でっかいかげのミサちゃんとお母さんに復讐したいです。


フランチェスコ・ビッグ・アレキサンドリア。

フランチェスコ・ビッグ・アレキサンドリア。


あれ、声が聞こえる。すみません。話の途中ですがここで切り上げます。


声が聞こえたぞ。あれ、優し気な女の人が現れたぞ。「私はマリアと申します。」


その人は言った。「あなたに3つの願いを与えます。3つだけあなたの願いをかなえてあげましょう。」僕は心底やったと思った。そこでマリアにお願いした。


まず、

一つ目でっかいかげのみさちゃんを僕と同じハムスターにしてかごに閉じ込めてください。

二つ目お母さんをとっとこ〇ム太郎にしてください。

ふふふこれであいつらは僕と一緒の思いをするんだ。

きっとくやしがるぞ。

三つ目は、、


その時お父さんの絶叫が聞こえた「わああああ!!」僕はびっくりしてお願い事をするのをやめた。

お父さんが絶叫したのはミサちゃんがハムスターになってかごの中に、おかあさんがとっとこ〇ム太郎になっていたからだ。僕はお父さんに言った。「僕がしました。でもお父さんは僕のことが好きでしょう?」お父さんは今まで優しかったけど、鬼のような形相で

言った「お前にはもう飯も水もやらんっ」お父さんがこんなに怖い人だとは思わなくて僕は体がびくっとなった。


そこに悪魔がやってきた。ごきぶりのようなてらてらした黒いからだで、ヤギの角のようなものが頭から生えていた。「あなたの最後の願い僕が奪わせてもらいます。」悪魔は言った。

嘘だろ?人間になろうと思っていたのに。そこにマリアはもういなかった。


事態は最悪だった。ハムスターになったみさちゃんと、とっとこ〇ム太郎のお母さんと、僕が好きだったお父さんが涙を流していた。僕はミサちゃんたちにしたことを少しずつ反省し始めた。僕がトウモロコシの乾いたやつが好きなように、みさちゃんも学校が好きだったのかもしれない。みさちゃんが前に学校のパンをこっそりぼくのために持って帰ってくれてレーズン入りのそのパンをおいしく食べたことを思い出した。そしておとうさんはみさちゃんとお母さんには餌をあげたけど僕にはくれなかった。お水もくれなかった。あの優しいお父さんがどうして?と思った。なによりそのことがショックだった。3日後僕の意識は少しずつ薄れていった。僕は死んだ。それをみて悪魔が笑っていた。くそっ



そこにマリアが現れた。


「フランチェスコ・ビッグ・アレキサンドリア。復讐は楽しかったですか?

いい勉強になったはずです。あなたは生きていたのです。生きるだけでそこに喜びや、悲しみ、苦しみ、愛おしさがあったのですよ。


またあなたを戻してあげます。今度こそ生きることを楽しむのですよ。」


気が付くと僕は日常に戻されていた。餌も水もたっぷりそこには。あった。何事もなかったように人間のミサちゃんとおかあさんがそこにはいた。今は夕方の4時。6時になればお父さんも帰ってくる。

僕は一言つぶやいた。

「生きてるってありがたかったんだ。」

その日の夜だった。

僕はみんなに謝られた。みさちゃんは泣きそうな顔になりながら、「これからはアレキサンドリアと呼ぶよ。」と言った。お母さんは泣いていた。僕を殺したお父さんは僕に土下座した。みんなもう手荒に扱わないことも約束してくれた。もう涙に枕を濡らす夜も無くなった。

 家族みんなこの出来事で人間動物への対応がひどかった思い始めたらしく動物愛護のボランティアを家族で始めた。ぼくもその場に行って捨てられた犬や猫の方たちと話して勇気づけている。彼らも僕の様に自由に人生を生きてほしいと思う。僕の人生はキラキラと輝き始めた!


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