37.忘れられる世

僕なんか忘れられても平気だけど

娘のあなたが忘れられることを

僕は容認できない


僕なんか忘れられて当たり前だけど

息子のきみが忘れられることは

僕には信じがたい


それだから僕は

死ぬだけじゃないこの世が憎い

死ぬだけじゃないこの世が

そういうものであるということが

僕は憎くて仕方がない


いつかいつかと

幸せになるあなたたちのことを想う

僕を対価に幸せになれるのなら

僕なんか忘れて幸せになってほしい


僕なんか忘れられても問題ない

娘のあなたが息子のきみが忘れられるより

ずっとずっといいのだ

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