閑話 カトリーナの一日


 彼は物心がついた時にはすでに可愛い物が好きだった。



 ウィザンドラードより南に位置する場所にある国、その城下町に住むごく普通で一般兵士家庭の第一子として誕生した彼は下に複数いる弟、妹の面倒をよく見る優しい兄でもあった。

 父に似て立派な体格を持ち、父に似ず剣技の才能に恵まれた彼は平民にとって誉高い騎士の位にもついたが諸事情で辞職した。やめた事に一切後悔はなく、今思えばやめて正解だったと彼は思っている。自分の気質は廉潔至上な騎士にはとても向いていない。


 そんな今は請負人をする彼の一日はとても穏やかでひどく甘やかだ。


 早朝、自然と目が覚めると軽く身支度を済まし、最早しないと調子が悪い気さえする身に付いた習慣である鍛錬に向う。

 カトリーナの相手は専ら同じ元騎士であるキャサリンだが時々バーバラやアンジェリカが手合わせを求めてくる事もある。二人が相手の時は回避を中心に鍛える事で充実した鍛錬になった。


 滴る汗を手の甲で拭い、全身が熱ったのを頃合いと見て本日の相手であるキャサリンと一緒に湯浴みへと家の中へ戻る。先にキャサリンへと湯浴みを譲り、玄関で別れたカトリーナはそのままキッチンがあるリビングドアに手をかけた。夜の冷たさを色濃く残す空気をまずは変える為、慣れた手付きで窓布を寄せるとテラス戸を開けていく。

 それから朝に好んで飲む黒に近いこげ茶色をしたコフ茶を入れる為、コフの実を乱雑に砕く。一般的に飲まれているコフ茶だがじつは実が非常に硬く、砕く作業は女性に嫌われている。一般家庭では主に父親の仕事だが、カトリーナはダインニグテーブルの自席の後ろ壁に飾られているシンプルな長剣を持つと苦も無くコフの実を柄で殴り砕く。さすが脳筋マッチョである。

 砕いたコフの実を入れた水が沸騰し独特の芳香がリビング全体に広がる頃、汗を流してさっぱりしたキャサリンがやってくるとあとを任せカトリーナが湯浴みに向かう。


 鍛錬の汗を流すだけなので元々湯浴みに時間を掛けないカトリーナは非常に早い。これがマチルダなら夜程とは言わないが時間がかかる。基本的に全身を洗うだけのカトリーナには湯浴みになぜそんなに時間をかけれるのか分からなかった。マチルダは髪が長いことは勿論香油を使っているからなのだがカトリーナはそこまで思い至らない。元騎士というか騎士という職につく人物は高確率で脳筋なのではと疑いたくなる。

 早々に汗を流し終わり、脱衣所に戻るとふとカウンター奥の鏡に映った自分と目が合う。鏡が映す己の姿を眺め、笑いを含む軽い息を吐き出した。


 自分は可愛い物が好きだが、つくづく自身には似合わない。最近やっとそんな自分を受け入れられた。そう認められるよう心の変化を促がせたのは彼女のお蔭だろう。


 物思いに耽っていたカトリーナは洗面所のドアを開ける音に気付くと思考を中断して、顔を見せたバーバラに場所を譲る。廊下に出ればアンジェリカとマチルダも戻ってきた所なのかリビングに入る背中が目に入った。カトリーナは玄関前で一度足を止めると、ここまで漂うコフの香りを吸い込みながら目の端に映る二階に続く階段の先でまだ夢を見ている彼女を思い、甘く目を細めた。


 朝食のメインであるスープが出来そうな頃合いに唯一鍛錬に参加しない女性である彼女、おちびを起こしにいくのがいつからか習慣になっている。大体前衛三人がローテーションで起こしにいく。一番の理由は朝風呂の関係もあるが極稀に魔術師も起こす。しかし大体おちびの叫び声が二階から聞こえるので三人で起こすよう気を付けている辺り、普段から三人に対しておちびの信頼度が非常に高いのに納得いく。

 カトリーナが扉越しにおちびに声をかければ眠そうではあるもののしっかりと返事があったのでカトリーナはおちびが二度寝をしない事を祈りながら自然と笑みの形になった口元をそのままに階下に向った。


 無事に二度寝を避けリビングに顔を出したおちびと共にキャサリン、カトリーナはやっと朝食を食べはじめる。その後、食器やキッチンの片付けを手早く終わらせると仕事を受けるため朝食後は各々装備を整えるため武具庫に向う。カトリーナは物理火力、剣での素早い斬撃で最初に斬りかかるのが主な役目なので必要最低限の胸元、腕当と手甲、膝から下の防具のみという身軽な軽装を好むので比較的早く支度を終わらせられる。


 一番重装備であるキャサリンをある程度手伝い終わったカトリーナがリビングに戻れば、おちびが労いの言葉と一緒にコフ茶が入ったカップを差し出す。

 カトリーナはおちびと一緒にお茶を楽しむこの時間がとても好きだ。気遣いスキルが際立っている為、基本的に給仕する側が多いカトリーナが唯一される立場に甘んじる。相手がおちびだからそうさせている、と言ってもいい。

 ある時、私ばかりお礼を言うのはヤダからたまにはカトリーナから言われたいとおちびが言い出し、そんな考えをした事もなかったカトリーナは何を言われたか理解できない幼い子供がする様なきょとんと瞳を丸くして、そんな顔をさせた張本人であるおちびに楽し気に笑われたのはどれくらい前だったかはもう思い出せない。ただ、その言葉から始まった心がじんわりと温かくなるこの習慣は今も続いている。これからも続いて欲しいとカトリーナは密かに願ってもいた。


 依頼仲介所や道中でも従者を装って後続を歩くおちびに、彼女の内情や気遣いを察しているがカトリーナはいつも物悲しい思いを覚える。そんなおちびの思いを全く考慮しないでキャサリンが隣を歩くのでカトリーナはこれ幸いと便乗するように二人の少し後ろを歩く。言霊師であるおちびと殿(しんがり)は相性が悪い。街中や依頼仲介所であろうと請負人として外に一歩でも出るなら油断はしないつもりだ。


 今日受けた依頼はかなり近場の町での討伐。これなら順調にいけばお昼はホームで食べれるが、それを聞いたおちびとキャサリンが町の名物料理を食べたいと言い始めた。魔術師の性質で普段から外食を好まないマチルダとアンジェリカは難色を示すが主力の作り手であるキャサリンが望んでいては反対するのは難しい。少しの望みを求め魔術師二人が残る作り手を仰ぎ見るが、楽し気なキャサリンとおちびを穏やかな表情で目を細めて眺めているカトリーナに口を噤んだ。勝機はない。 


 早々に王都から目的地である町まで馬車で移動し、そこから標的である魔獣がたむろする場所まで歩いて向かう。今回は上級請負人が受けるには少し難易度が低い依頼だが討伐対象が獣ではなく魔力を持った魔獣であること、魔獣は小型であるものの群れを成し王都から近い場での脅威という事から早期に完全に殲滅できる、その点で依頼仲介所から名指しでの依頼だった。


 魔獣と対峙してからはさすが上級請負人というだけあり、あっという間に片付いた。おちびが逃走不可と言霊を発すれば、あとは武力行使だ。草原と森の境目な事もありアンジェリカの炎での一掃は諦め、言霊が発動したのを肌で感じた瞬間、カトリーナは嬉々として素早く群れの中に単身切り込む。顔には笑みさえ浮かべているが、彼が普段する穏やかなものではなく勇猛でいてどこか暴力的な笑いだ。


 実際、カトリーナは剣を振るうのが楽しく好きで仕方ない。好ましいという言葉ではとても収まりきらないほど、命を狩る行為がたまらない程に好きだ。


 その異常性はカトリーナも理解しているし、自覚してからは騎士を辞めれて本当によかったと思っている。当時の上司であった騎士はそんなカトリーナの気質も含め大層惜しみ引き止めるが、首を縦に振らないカトリーナに着たくなったらいつでも着ろと騎士服を無理やり押し付けるのが精一杯だった。


 本来なら異常な攻撃性は忌避されるのだが、幸いな事に仲間達全員が脳筋だったので孤独感は全くなかった。俗にいう類友である。肉体が女性であるおちびは違うのではと思いそうだが、案外彼女も脳筋である。物理的に筋肉で物事を解決させる事はないが意外にカッとしやすく、頭に血が上ると精神的脳筋になる。しかも性質が悪いのが自身に筋肉がないならと周りに溢れる筋肉を使おうとする事だろうか。完全な他力本願である。


 そんな脳筋揃いなのだから飛び出したカトリーナの直ぐ後に続く気配が二つ。正面にいる魔獣を素早く二匹三匹と始末すれば左右から蹴り飛ばされる魔獣が目の端に入った。宙を舞う魔獣が地面に着地すると同時に鋭い氷柱が下から突き刺す。後衛の魔術師が前に出ている事を特に疑問にも思わずカトリーナは自分達を抜けた魔獣に向け後ろを振り返るが、おちびとバーバラの前面に立つキャサリンが厚みのある長剣を振り抜き、魔獣が切断されたところだった。尚、キャサリンに守られた形の二人は名物料理についての雑談を続けていた。剣を収めたキャサリンもすぐに雑談に入るのをみる辺り、戦闘が始まってからこの三人ずっとお喋りに興じていたらしい。おちびは脳筋に染まり過ぎではと心配になるが、その異常性に気付ける者は残念ながら仲間内に居なかった。


 草原の方まで魔獣の死骸を運びアンジェリカの炎が後片付けをすれば本日のお勤めは完了である。

 町に戻るのが楽しみ過ぎてキャサリンと手を繋いで一緒にスキップするおちび達を微笑ましく見ていれば、カトリーナにおちびが近寄ったと思うと片手を取られスキップさせられる羽目になった。本音を言えばカトリーナは恥かしくて堪らなかった。おちびが到達できない視線位置でそっとキャサリンに助けを求めたら笑って応えてくれ、瞬間二人でおちびと繋いでいる手を持ち上げた。子供が両親にねだるアレだ。しかし非常に残念な事にいきなり両手を持ち上げられたおちびからは短い悲鳴が上がり、自身の体重がいきなりかかった事で両腕を痛める結果になった。まさかの負傷者である。なお原因が仲間というのは悲しい事によくある事だ。



 痛めた両腕をバーバラに完全に治して貰ったおちびは、町の食堂で名物料理をせっせと切り分けるだけでなく口元にまで運び始める両隣に座るキャサリンとカトリーナに辟易していた。必要以上に給仕され珍しい香草を使った名物の肉料理の味が羞恥でよく分からない。流石に口元まで運ばれるのは断ったが二人が先程の事を気にしての行動なのを理解しているので余り強く出れないでいる。


 だがカトリーナとキャサリンはそんなおちびの考えを全て分かっていて敢えてやっていた。

 

 ぶっちゃけワザとである。両腕の件への詫びもあるがそれに託けて只単に構い倒したいだけだ。勿論カトリーナはバーバラやアンジェリカ達にも切り分けたりと気を配ってもいる。余りの構い倒しっぷりにバーバラの肩が震えているのにおちびが気付きませんようにと思いながらカトリーナは今度はサラダを皆に取り分けはじめた。


 こんな状況ならマチルダが揶揄しそうなものだがニヤニヤと笑うだけで決して口は出してこない。出したら矛先が自分に向かうのを知っているのだ。一度からかって羨ましいわねと言った瞬間にマチルダが食べさせて欲しいってよとおちびが言うと同時にキャサリンとカトリーナが持つ食べ物を乗せたフォークがマチルダの口元に寄せられた。流石のマチルダもあの時は顔を引き攣らせていたの思い出し、カトリーナは自然と口元が緩む。


 そろそろおちびが耐え切れなくなって反撃に出そうな気配を感じてカトリーナの心が小さく躍る。

 カトリーナはおちびの与えられるだけではなく返そうとする気質がとても好ましかった。それはカトリーナだけではなくキャサリンやバーバラ達みんなも同じ事が言えるだろう。

 でも一番好ましいのがおちびの与えられるものがどんなモノでも絶対に拒まない所だろうか。当然、文句は言われる。言われるがソレを一度受け取ってから自分がどう思うかを返してくれる。モノによって絶対無理と言われる事もあるが大体は正当な理由あっての事なので致し方ない。それが拒まれた事にならないのはそれを持っている事自体を否定せず肯定しているからだ。


 カトリーナの異常な攻撃性だったり可愛い物好きや構い倒しなど否定せずそれがカトリーナだと肯定する。が、自身が可愛い恰好をさせられたり構い倒しの度が越せば全力で嫌がるし反撃にも転ずる。


 どこまで拒まないのかと気になっていたカトリーナだが最近マチルダも同じ思いを感じたのかおちびの度量の深さを探り始めている。マチルダのその行動を密かに楽しんでいるのはおちびには決して言えない。

 でもまだマチルダでは荷が重いだろうな、とおちびの信頼は自分の方が厚い事を疑うことなくその結論に達するカトリーナもカトリーナである。


 おちびが自分で野菜を食べようと口を開ければキャサリンが横から肉を無理矢理入れ、怒ったおちびがキャサリンの口に野菜を無理矢理捻じ込む反撃に出始めたのを喉で笑いながら見てれば、それに気付いたおちびが矛先をカトリーナに向けた。

 おちびにとっては大きめの肉を刺したフォークを寄せて来たがカトリーナは躊躇することなく口を開けると食らいつき余裕を持って咀嚼をする。普段と変わらない涼しげな顔で食べるカトリーナにムッとした表情をしたおちびは今度は先程より大きい肉をフォークで刺す。

 さあこれならどうだ! と言わんばかりに笑顔を浮かべてカトリーナの名を呼ぼうと「カ」の発音で開いた口に間髪入れず両脇から肉と野菜が突っ込まれた。勿論、犯人はキャサリンとカトリーナだ。


 三人のじゃれ合いを見慣れているバーバラ達もその流れにはさすがに耐え切れず、食事中といえど込み上げる笑いを我慢できず噴き出した。声を出して笑うバーバラも珍しいが、全身を震わせ口元を押えて喉で笑うアンジェリカとおちびを指差し大笑いするマチルダという爆笑する魔術師はもっと珍しい。育ちがいいので食事中にそういう行為をするのはよっぽど可笑しかったという事だと嫌でも分かる上に、顔面偏差値が高い仲間達は元々視線を集め易く爆笑する事によって尚注目を集める結果になったおちびは益々不貞腐れた。仲間達の笑い声が響く中、おちびが少し怒った声音で自分の食事をしてとカトリーナとキャサリンに言い放つと自分の皿を口元まで上げ料理を掻き込み出した。もう手出しはさせないと行儀悪く食べ始めたおちびに、まだ構い足りないなと残念に思いながらカトリーナとキャサリンもやっと自分の為に食事をはじめた。


 おちびにとって散々な、カトリーナにとってはそこそこ充実した食事を終わらせ、特産である珍しい香草をお土産にして王都に帰還すればもうじきおやつ時といった時間。

 依頼仲介所への討伐報告は魔術師二人に任せてカトリーナ達は東街の大門を潜るとそのままホームに向った。今日は殆ど汚れなかったキャサリンは湯浴みをカトリーナに譲るとバーバラとおちびに手伝って貰いながら背中の装備を外していく。カトリーナは素直に言葉に甘え、素早く装備を外し終わるとすぐに浴室に足を進めた。朝よりしっかりと汚れを落とすが時間的にはあまり変わりがない。意外かもしれないがキャサリンもカトリーナと似たような時間で湯浴みを終わらせるので騎士職の癖かもしれない。

 カトリーナの後はいつもの順番で皆が湯浴みを終わらせる中、茜色の窓を眺めながら湯浴みをしたいというおちびだけが入らず残っていた。たまにこのような事を言うおちびにカトリーナは素直に感心する。皆は風情が無さ過ぎると軽口を叩くが日々の移り変わるその時々を楽しみに変える心のゆとりを眩しくも羨ましいとカトリーナは感じる。今までの自分では一切見向きもしなかった考えだ。


 リビング全体が茜色に染まる夕方、浴室方面から小さくも異国の歌が聞こえてくる。一言も意味を理解出来ない音を耳にしながら夕飯の手伝いをカトリーナはする。おちびは普通に喋る分にはいいが、不思議な事に自国の歌を唄うと翻訳が全く役に立たなくなる。本人はどんなに音が外れようが下手だって分からないとか素晴らしい! と両手を上げて喜び、気分が乗れば頻繁に歌う様になった。だがたまにマチルダがこれ絶対に音おかしいわよね? と気付いてそうな発言をしているのは黙っている。その調子外れの歌も中々味があるとカトリーナは結構気に入っているし、誰もおちび本人にその事を指摘しない時点で皆同じなんだろう。


 討伐が比較的楽で早く終わり、お昼は食べ応えのある肉料理だった事もあり今夜の夕飯は軽めだ。具沢山なスープとサラダ、必要ならパン。皆もあまり空腹を感じていなかったので特に不満もなく穏やかに陽が沈んでいった。

 残ったスープは明日の朝食に回し、片付けが済めば香草が入った茶を片手にカトリーナはリビング全体を魔石が照らすダイニングテーブルで寛ぐ。その耳には今度はキャサリンが物語を読み上げる声が入る。

 リビングの一人掛けソファにゆったりと座ったキャサリン、その膝上に乗せたおちびは背中をキャサリンの胸元に完全に預けるという超密着体勢で文字が読めないおちびに代わりにキャサリンが読み聞かせているのだが勿論子供向けの本ではない。キャサリン一押しの恋愛物語だ。

 なんの事情もしらない他人がこの二人を見て誤解するなという方が難しいだろう密着具合だが、この二人は同性としてとっても仲良しなだけである。誤解無きように。

 

 今夜のように余裕のある日に暇を持て余していたおちびに本でもどうかとキャサリンが勧めてから、仕事が簡単だった日の恒例になってきたキャサリンによる恋愛物語読み聞かせ。キャサリンが登場人物ごとに声色を変えたりしていてこれが中々面白く引き込まれる。恋愛物語読み聞かせをカトリーナも楽しみにしているし、他の仲間も自室に誰も行っておらずリビングに残ってる時点でお察しだ。


 騎士と少女の話しなのだが中々どうして、カトリーナはこの登場人物の騎士を殺したくなった事は数えきれない程だ。目の前にいたら首を刎ねるだなんて優しい殺し方はしないと心に決めている。

 少女に冷たい態度を取ったり、かと言えば好意を勘違いさせる行動を取ったり、その度にカトリーナの怒りを代弁するようにおちびがコイツ殺シタイと言ってくれるのでなんとか本を切り刻まずに済んでいる。バーバラでさえ、キャサリン本当にこれが一押しなんですか? と苦言を溢した。

 キャサリン曰く、このろくでなし騎士と少女がどうなるのか逆に気になって仕方ない。一人でムカムカするのもヤダから皆にも読んで欲しかった、と自供した。尚、続き物でまだ完結はしていない。その事実を告げられた瞬間リビングに居るキャサリン以外が絶望し、アンジェリカははっきり聞こえる舌打ちまでした。

 結局今ではこの二人がどうなるのか皆して気になっているあたりキャサリンの狙い通りになってしまったのが少し悔しい。


 取り敢えずカトリーナはこの騎士の伴侶に少女がならない事を全力で願っている。

 


 そんな彼、カトリーナのたまに物騒でいて穏やかで甘さが漂うそんな一日の終わり。



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