2018年12月26日

 旅先でバックパッカーと一時同道することになった。近鉄が名古屋方面と大阪方面とに分かれる駅をぶらついた。線路はショッピングモールの構内を貫いていて、その両脇には侵入者防止のアクリル板が設置されている。橿原神宮前行きの急行が通り抜けていった。

 ぼくは普通列車に乗った。なんとなく懐かしい記憶が蘇る。丘の住宅地に建ち並ぶ家々の隙間を縫うような階段を歩きながら、赤い夕日を眺めた記憶だ。

 閉店間際の自転車店で、1.2立米ほどの抹茶ケーキを洗浄した。シェービングクリームのような泡を塗って洗うのだが、抹茶クリームと混じってしまわないか心配だ。混じらず、綺麗に拭き取れるはずなのだが。

 バックパッカーとは時間が時間なので別れることになった。時刻はもう午前1時を過ぎている。閉店作業をしていた女性店員も奥の居住スペースに引っ込んでしまった。店内はすっかり片付いてしまって真っ白だ。急がなければ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る