三題噺集 あれと それと これと

ツリチヨ

1.友達とはあい成らず

友達とはあい成らず(1/4)

 黒猫。

 あまり従順な素振りを見せず、扱いが難しい。

 使い魔向けの品種があって術式も洗練されているからか、入門にうってつけと思った未熟な魔術師が使い魔にすることが多いらしい。

 かわいいけれど、私には全然なついてはくれない。なぜだろう……。


 鴉。

 黒猫よりも従順で、比較的扱いやすい。

 これも使い魔向けの品種があって術式も簡易。最大のメリットは空を飛べることだろうか。わりとやかましかったりするのが玉にきず。

 こっちを小馬鹿にしているような気がして、好きじゃない。


 犬。

 とても従順。

 正直なところ、どうして犬が使い魔として黒猫や鴉よりマイナーなのか疑問ですらある。術式はもっと洗練させる余地があると思う。

 従順すぎるのがかえって悪いところか。距離感は大切。


 馬。

 手懐けるのは難しい。

 その背にまたがって駆け回るのはきっと気持ちいいけれど、それだけならべつに使い魔じゃなくていい。術式はやや難というところ。

 基本的に使い魔は中・小型動物が最適。


 鼠。

 よく言うことを聞く。

 その小ささは使い魔としては非常に有効に働く。ただし、下手に下水道なんかを駆け回らせてしまうと主人が病に倒れる。術式が意外に複雑。

 複数を手懐けて使役するのがベターかも。


 鳩。

 意外に鴉ほど言うことを聞かない。

 術式が鴉よりも複雑で、けれど使い魔としてのスペック面では鴉に劣っていると感じる。伝書鳩みたいに使う?

 野生ではなくそれなりの品種を購入することを推奨。


 蝙蝠。

 飼い慣らすのは少し難しい。

 なにをさせるにも鳥類よりも不足を感じる点は否めない。術式はそれなりに簡易。

 イメージしていたほど見かけがよくない。


 鷹。

 検討中。鷹狩りという文化もあるから案外いけるかも。

 術式は結構複雑。改良の余地ありと見える。


 蜥蜴。

 意外になれてくれる。

 鼠と同じで小さい点が優秀。大型の種類を使い魔にするメリットは薄いかも。鼠ほど病原菌を媒介する可能性が高くないのも良いか。

 変温動物なのがデメリット。よく見ると愛嬌を感じる。


 蛙。

 お試し程度にやってみたけれど、一応記録しておく。

 言うことを聞いているのかいないのか、正直全然わからない。蜥蜴の方がまだいい。


 金魚。

 泳げること意外に利点がない。術式もかなり難解な部類。


 サボテン。

 使い魔にできたのかできていないのか判断できない。花よ咲け咲けと命じ続けたら咲いてくれたりするだろうか?


 カブトムシ。

 判断は保留。

 多くの疑問が残る。見るべき点はあるかもしれない。本来虫は群を操作する方が有用なので、使い魔には向かないはず。

 愛嬌を見いだせないでもない、かも。

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