おとぎの国のシュガースイートフラワー

炉璃

第1話 甘いお花は砂糖の味

「甘い──────」

白、ピンク、黄色

わたあめのような花が、森の奥で眠る小さな少年を包みこむ。

ふわふわと風に揺れながら、わたが華麗に宙を舞う。

「んん、、、、、、あれ、僕は、、、」

「おはようございます。森の中で横になったらすぐに寝ちゃうだなんて、本当に子供なんですから」

森の中、、、、、、あ、そうか。 僕は今、おとぎの世界にいるのか

「全く、この世界で暮らすのも今日で3日目ですよ。そろそろ慣れてくださいグリム様」

そう、小さな女の子が森の中で横になる少年───グリムに手作りのお菓子が入った小さな籠を渡す。

「グレーテルー!!お菓子、アリスのとこに持ってくよー!!」

「あ、今行きますお兄様!」

深い深い森の奥、誰でも知っていて、でも誰も知らないような甘くて幸せな世界『おとぎの国』

この世界の創造主様こそ、ここにおられる少年グリムである。

「さてと、グレーテルからお菓子もらったし、散歩でもしてくるか」


これは、少年グリムと彼が作り出した世界の、甘くて幸せで少し不思議なお話──────

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