【天蓋の森】0.ようこそ
鳥の声が聞こえる。すごく長いこと夢を見ていたみたいだ。なんだか薄暗い。むせ返るような、それでいて決して不快ではない緑の匂い。
体を起こして辺りを見渡すと、やはり森のようだ。
「とりあえず一回整理しよう…。俺の名前は…。」
「レイ、じゃなかったっけ?」
「あぁそうだレイだ。そんで俺は今まで何を…?なんでここに…?」
「今までの話は僕にはよくわからないな。でもここに来た理由はわかるよ?」
「俺もよく思い出せないな。本当か?教えてもらえるとすごく助かるんだが…」
いやちょっと待て…俺は今誰と喋ってんだ?
「どうしたんだい?急に固まったりして。」
慌てて声がした方を向く。さっき周りを見たときにはいなかったはずだ。あっいやでも普通に見落としてただけかも…。
ともかくそこにはにこやかにこちらを見つめる少年がいた。
髪は長くて白…と言うより透明に近い、光を受けて銀色に輝いている。顔立ちはとても綺麗だ。全身をローブのようなもので覆っている。正直こんな綺麗な生き物を見逃してたのかと言う気持ちもあるが、確かに見落としていたと言う確信も持てる。
それほどまでに少年には見た目からはありえないほど存在感というものがなかった。
「あー、なるほどね。僕に気付いてなかったわけだ。」
「あっいやその…ごめん…。」
「良いんだよ謝らなくて、今更数秒の差なんて気にしないさ。」
朗らかに少年は言った。
「なんにせよとりあえず自己紹介からだ。」
そんな風に言いながら俺の手を引いて立ち上がる。思ってたより小さいな。
「僕の名前はヤーラス、初めましてだねレイくん。気軽に僕のことはヤーラと呼んでくれ。そして…」
少年、ヤーラスはこの日一番の笑顔、まるで何かが報われたかのような、そんな笑顔で続けた。
「レイくん、ようこそ
立ち話もなんだし、とりあえず移動しようか。
そんな風にヤーラスが俺を先導する。
……ちょっと俺今情報量多すぎて追っつかないんすけども。
ペンタガイア・ファンタジア つかいかた @yoho
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