少女と少女は鏡面世界をさまよう

キュア・ロリ・イタリアン

第一詠唱 異世界生活

第1詠唱 ハローワールド

  時は魔王がまだ存在していない時代


この世では“覚者”という、一定以上の魔力を扱える女性が存在していた。また、その女性の事を年齢関係なく“魔法少女”と人々は呼んでいたのた。


地上には覚者をどこかへ消すという人型の魔物、通称ゲートが大量にいるため、覚者達は、地上から数百メートル離れた覚者専用地下大都市『第5地区』を作り暮らしていた......



「お母さん!おねがい開けて!」


 少女は手が真っ赤に腫れて痺れて痛くなっても木のドアを何度も何度も叩くが返事は返ってこない。


「なんで?なんで開けてくれないの?」


 泣きながら問いかけると、ドアについている長方形の窓が横にシャッとスライドして母親であろう女性の眼だけが外を覗くように現れる。


「お母さん?」

「あなたにはもう会えない......いや、会いたくないの」

「何故?今まで一緒にいたのに」

「私は許されないことをした、もうあなたの知ってる私じゃないの......」


 女性は泣いているのか声を震わせて言うと窓を閉めた。


「私はお母さんが何をしても好きだよ!だから開けて!!」


 何度も何度もドアを叩いているとカチャリとドアが少し開き、少女はドアを開き入ろうとする。その次の瞬間、突然目の前に部屋いっぱいに入っているドラゴンの顔が現れた。少女はその鬼の様な恐ろしく険しい顔に思わずしりもちをつき震え上がる。


「私の所にはこないで」


 女性の声をしたドラゴンは悲しそうにそう言った後、追い払うように大きな声で吠えた。


「キャアァァァァァァァア!」


 ホームレスが多く住み着く路上の端っこに、段ボールを引いて寝ていた少女は飛び起きる。


「またあの夢......」


 うなされていたせいか真冬にもかかわらず、息は荒く顔中汗でびっしょりで白い息をハァハァと荒くしていた。


「大丈夫か?ちんちくりんまたあの夢?」


 共に路上生活をしていた、片手にお酒を持つお姉さんが心配そうに見ていた。

 

「大丈夫、ありがとう......」


 長い間整えられていないボサボサの長い髪の毛を掻きながら立ち上がると、顔を洗うため近くにある公衆便所に向かう。


お姉さんは、まだ寝ぼけているのかヨタヨタと歩く少女の背中をみて居なくなるのを確認すると、お酒を一口飲んでから少女の近くでは吸わないようにしている煙草を咥(くわ)えて人差し指の指先からポッと火をつけた。



「そういえば今日だっけあの子の入隊式、ここも寂しくなるわ」


 空を見上げる様に、パイプが張めぐされたコンクリートの天井を寂しそうに眺める。


* * * *


 今日は強大な魔力が開花し、最年少で魔法機動隊を志願した一人の少女を、受け入れる為のパーティーが武道館で行われていた。


 武道館内では合唱団が国家を歌い、赤、緑、黄色と色とりどりな変身服に身を包んだ女性達と、そのパートナーの妖精達が数々のテーブルを囲んでワイワイもりあがっていた。


 すると、前に置いてある司会台に一人の中年の女性が上る。それに気づいた皆はパチパチと拍手をした。


「拍手ありがとう!」


 若々しい元気な女性の声に拍手がやむ


「本日は忙しい中集まってくれてありがとう!私はアイラ・テイラーだこれから歓迎式を始めたい と思う、では!まず初めに新しく入隊した、魔法少女の紹介をしよう!」


 アイラと名乗る中年の女性が台から降りると、黒子が踏み台を置いて小さな女の子を上がらせた。


「こんにちは......」


 少女は膝まである黒髪のロングヘアーで年齢はまだ8歳だろう、とても背が低かった。ホームレスを匂わせる薄汚れた穴だらけのワンピースとボサボサの髪が特徴的だ。


 周りは予想外だった為一瞬静かになったが、母性本能をくすぐられたのかすぐに「小さーい」や「キャーかわいい!」などざわざわし始める。


 基本的に魔法少女だと分かる平均年齢は18からで、都市に住めるのも19歳以上の覚者のみと決められているため、子供を見て周りがざわめくのも当然だった。


 少女は今までほぼ一人で生活してた為、「うっ......」と周りの雰囲気に少し驚いたのか黙り込む。


「リリィちゃん!ファイト!!」


 たじたじしているリリィに、アイラは小さくガッツポーズし応援する。


「私の名前はリリィ......苗字はありません......」


 少女は内気なのか、あまり話さない為アイラは見ていられなくなり、鼻でため息を吐くとしょうがなく隣に立った。


「かなり緊張しているみたいだね!じゃあここからは質問形式にしよう私が質問するから答えてね」


 リリィはコクリと頷く


「じゃぁまず一つ目!」


「ジャジャン!」と合唱団はアドリブをきかせて言い、「休日は何しているのかな?」とアイラは聞いた。


「魔法の練習......と食べ物を集める事......」


 子供らしい返しを期待していた周りは、「食べ物を集める?」という斜め上の返答にまたざわめき始めた。


「じゃぁ~二問目だ、好きな食べ物は?」


「飴」


「へ~かわいいじゃないか」


 頭を撫でるとビクリとおどろく、極度な人見知りらしい。

 

「さっき魔法の練習って言っていたけど君の魔法の属性は何?できれば魔武(マブ)もしりたいな!」


 魔法の属性や魔武は個人個人違う為、チームワークを必要とするこの部隊では、知らなければいけない情報だった。


 そのため、さっきまでざわめいていた会場内が静まり返る。中にはメモを取り始める者もいた。


「ぶきは強いやつ......」

「へぇ~そうかそうか!強いやつか~」


 アイラはかなり省略された答えに少し困り、「一応周りに補足で説明しとくとこの子の魔武は片手剣で属性は闇だ」と周りに補足した。


「じゃあ最後に何故魔法機動隊に入ったの?」

「生きるため......」

「そうか、ここを我が家だと思っていいからね、みんなも大歓迎さ!」


 辺りからも、「お姉ちゃんって呼んでいいよ~!」や「一緒に頑張ろうね~」などという声が聞こえてきて、リリィは照れくさそうに赤面で下を向き「あり、がとう......」と一言。


 この後2時間ほどの自由時間になり、リリィはいろんな人に触られたり、質問をされ無事終わり、

駐屯地の中にある寮で寝た。



次の日......


 アイラに呼ばれてリリィは朝早くに部屋に向う、部屋に綺麗な私服が用意されていたが、まだ警戒しているのか昨日の服装で行った。


 その途中、二人の女性とそのパートナー妖精2匹に会った。


 一人はロングヘアーの落ち着いた大人の女性って感じの人で、名前はイザベル・ブラウン


 もう一人はドミニカ・ディビズという、ショートカットの元気で明るい性格で、例えるなら犬みたいな背の高い女性だ。


 この二人は大学時代からの同期らしい


「なんで、ついてくるの?」


 ボソッと言うと「私たちもアイラさんに呼ばれたのよ」と二人は話す


「へ~」


「なぁコイツいやな気配がするミポ」


 まるでおとぎの国に出てきそうな、ふわふわの人形の見た目をした二頭身の妖精が、リリィを指さして言うと、ドミニカは黙って頭を殴った。


「ミポ!」


 頭を殴られた妖精は痛そうに頭をさすった。


「ごめんねウチのアホ妖精が変なこと言って」

「でもミポルプの言う通りニィ…ほかの魔法少女とは違うオーラ…まるでまもn…」

「アハハ」とイザベルは慌てて口をふさぎ作り笑いをした



 コンコンとドアをノックすると、「は~い」とアイラの声げ聞こえてきた。


「リリィです......」


 開けて部屋に入る。

 アイラの部屋は、右の壁には本棚が並んでいて、左の壁には綺麗な色をした剣や弓など、いろんな種類の魔武のレプリカが飾られている。


 部屋の中央に大きな机が置いてあり、そこにアイラが椅子に座っていた。


「おはよう昨日はよく眠れたかい?みんな」


 イザベルとドミニカは「はい!」と笑顔で言い、リリィも遅れて「はい」と真顔で答えた。


「う~んリリィ......別に服の指定とかは無いが、世界を守る魔法少女としてもう少し、清楚な格好してこないか?」


「ごめんなさい」


 機械のように真顔で言うとアイラはため息をつき、「まぁいいだろう」と話を続けた。


「三人を呼んだのは君らを、第02チームとして編成されたんだ。イザベルとドミニカ、この子は少々、いやかなりコミュニケーションをとるのが苦手だ。だが、上手くやっていってほしい」


 二人は「分かりました!」と答える。


「リリィもお姉さん達の言うことは、ちゃんと聞くんだぞ」


 リリィは小さくコクリと頷く


「でもなんで私たちが第02チームなんだ?前は第30チームだったのに」


 ドミニカは手を挙げてアイラに聞く

 

 チームとは1~40チームまであり、第01が一番強い人達がいて、下に下がるほど問題児や弱い魔法少女が多くなっていくのだ。


ただ、今は人数が減った今はバランス重視で弱い者と強い者を混ぜて編成しているため数字は関係なくなってきたのだ。


「あぁそのことなんだが、今日の早朝任務に行ったチームがほとんど消えてしまってな…おそらくゲートの仕業だと思うけど」

「え?」

「生還した娘(こ)に聞くと、どうも突然空から黒い幕が出てきて、そこから200人以上のゲートが湧いて出てきたらしい」


 イザベルは「あともう少しだと思ったのに......」と悔しそうに歯を食いしばる


「ミポルプ達の仲間も消えたミポ?」

「そうだな」


 二匹の妖精は悲しそうな顔をした。


「だから三人には町の調査にいってほしい、何か変わった事があれば報告する事…いいな?

 ゲートは特別強くなってるわけではないらしいから安心しな!」


 皆の顔を見渡して言うと3人は「はい!」と答えた

 

「それとリリィに変身ペンダントとパートナー妖精を渡そう」


 近くに来るようリリィに手招きをする


「ありがとう......」


 机の上にハート型に加工された、黒い宝石が埋め込まれたペンダントが置かれる。


「おーい!遊んでないで出てきなさい!」


 周りを見渡しながら言うと、突然リリィの耳元から「ワッ!」と大声が聞こえてきた。


「キャア―――!」


 リリィは思わず、ガラスが割れるぐらいの甲高い声をだし、後ずさりしようとした瞬間長い自分の髪の毛を踏んで転ぶ。


 その反応に見ていた三人は「あ、かわいい」と呟く


「キャハハハ!この子かわいいルル!」

「この子は少々いたずらっ子だが力は誰よりもある妖精だ、名前はルルーロールっていう仲良くしてやってくれ」


 顔を真っ赤にしているリリィに「よろしくルル!」とピンク色の妖精は小さな手を差し出す。


「次やったら呪い殺す」


 睨み付け、差し出された手を力強く握り返した。


 そんなこんなで三人は一通り自己紹介すますと、基地を出て地下都市から地上へ出るエレベーターに乗る。


「はいこれ、みんな今のうちに飲んどいてね」


 イザベルは妖精を含めた6つの薬をみんなに配る。


「これは?」


 リリィは黄緑色の液体が入った小瓶を不思議そうに見た。


「これは飲んだ者の魔力を、相手に感知させないようにする薬だルル!」

「へー」

「でも気を付けてね!感知させなくする分、私たちの魔力は0に等しくなるから」


 付け足すイザベルに、「かっこよく決まったのに余計なことするなルル」と眉間にしわを寄せ、ほっぺをプク―と風船のようにふくらませる。


 指示通りリリィは全て飲みほすと、全身から何かがサーと消えていくのを感じる。


 地上に出ると、「そうそう!」とドミニカはリリィに言った。


「ゲートの特徴を説明しておこう!髪と目が白くて、両方の手の平に目玉があったらゲートだからね!攻撃するときに、相手に手の平を向けて来るのが特徴!」


「何故、手のひらを?」


「手のひらから黒い幕を出して、魔法少女を吸い込むからだよ

 名前の由来も黒い幕から来てるの!」

「なるほど」

「じゃあ行きましょうか」


 3人と3匹は頼まれた地区を歩いていると早速ゲートとすれちがった。

 

 ゲートの外見は普通の人間と変わらなかったが何かを呟いていた。


(何か言ってる)


 リリィは立ち止まり耳を澄ませた


「なにしてるルル?」


 とまるリリィに聞くが何も言わない


「行くルルよ!」


「お母さんを助けてって言ってる」


 それを聞くドミニカ達は大笑いをし、「そんなわけないでしょ」と言い先に進んだ。


 リリィは、すれ違うゲート達が「お母さんを助けて」と連呼しているように聞こえるが、

どうやら他のみんなには、ただ唸っているようにしか聞こえないらしい。


 町の中は特に変わっている所はなく、ゲートが増えていただけだった。

イザベルとドミニカも気を抜き始めたのか会話を始める。


 1時間ぐらい歩いただろうか、八百屋の近くの壁で白髪のリリィと同じ身長の少女が、うずくまっていた。


 少しイザベルは警戒するが手のひらがこちらに向いていて、目玉が無かった事に気づき「君どうしたの?」と近づいた。


「おい待て!」


 他の五人もイザベルについて行った。


「助けて!お母さんを助けて!」


 イザベルに泣きながら言う少女は、リリィの方をチラリと見ると「お姉ちゃん!」と走って抱きついた。


「誰?」

「結衣だよ!」

  

 リリィは本当に知らないのか眉間にしわを寄せ首をかしげる。


「結衣?どこから来たのかしら…珍しい名前ね」


 すると突然「みんな静かに!」とドミニカが言い、なにやら周りの音を聞いているのか目をつむっていた。

  

 リリィ達も周りの音に耳を傾けると、何かが大勢で近づいてくる音が聞こえてくる。


「ゲートだニィ!」


 ニャーラーニィは遠くを指さす、まだかなり遠くにいて見づらいが確かにいた。


「向こうからも来てるわ!」


 イザベルはさっき来た道を指さした。


「なんで薬の効果は最低4時間のはずじゃない?」

「おそらく薬じゃない…結衣ちゃんだわ」

「リリィ、とりあえずその子から離れて逃げよう!なにかの罠かもしれない」


 リリィは離そうとするが昔の路上生活を送っていた、一人だった時の自分が突然フラッシュバックし「うぅ......」と言うが、目をつむり結衣を突き飛ばすと全速力で逃げた。2人と3匹も急いで追いかける。


 曲がり角を見つけて曲がろうとした時、リリィの視界に泣いて助けを求める結衣が入り、「やっぱり可哀想」と結衣の方に走って行った。


「リリィ!」


 リリィを追いかけようとすると、ドミニカの手をイザベルが掴んで止める。


「ダメ!今は一人多く生き延びなきゃ」

「でも!」


 するとイザベルとドミニカの前を大量のゲートが通り、明らかにリリィ達の方に走って行ったのが分かった。


「着いた」


 結衣を見つけ少し安心した時だった。


 大人ぐらいの身長のゲートが目の前にいるリリィに、手の平を向けて目玉で見ていた。


「遅かったか......」


 リリィは一瞬で、出てきた黒い幕に吸い込まれた。


* * * *


「谷川先輩!」

「健二先輩!」


 スーツ姿の若い男女は、右の頬にクマに引っかかれたような一本の大きな傷跡が特徴的な50歳ぐらいであろう銀縁メガネの男に話しかける。


「もうお帰りですか?」

「あぁそうだ、早く帰ってゲームがしたいからな」


 二人の残念そうな顔に「どうかしたか?」と聞く


「実は私たちでこれから飲みに行くんですが先輩もどうかなと思いまして......」

「ごめんな、また今度誘ってくれ!」


 ハハハ!と笑いながら肩をポンポンと叩き、傘とカバンを持ち会社を出た。


 しばらく歩いていると髭面の太っている男が、小さい女の子に話しかけているのが見え、明らかに怪しいと思った谷川は、携帯の動画を起動し胸ポケットにカメラを出るように入れると、髭面の男に話しかけた。


「おい、いい年こいて何やってるんだ?」


 その瞬間、髭面の男は「ひ、ひぃ!」と振り返らづに逃げた。


「まったく気がくるってやがる」


呟き、少女に「大丈夫?」と優しく話しかけた。


 少女は小汚いワンピースを着ていて、黒の宝石付いたペンダントをしていた。そうゲートに消されたリリィだった。


 リリィは自分が誰なのか、ここはどこなのか分からず記憶を失っていたのだ。


「かわいそうに......」


 健二は初めて会うリリィをただのホームレスだと思い、とりあえず自分の家で保護することにした。


「どうだ?うちに来ないか?外は寒いだろ」


 リリィは話す言葉が理解できなかったが、とりあえずコクリと頷く


 家は二階建ての日本家屋で家の中はお香の香りがしていた、とりあえずリリィを風呂に入らせてから、二人で食事にした。


「お魚さんは嫌いかな?」


 あまり箸が進まないリリィに話しかけるが、本人は首をかしげる


「言葉が通じないか......」


 食べ物に警戒するリリィに食べ物が安全で美味しいという事を証明する為、口に掻き込んで見せる。


 するとその姿が面白かったのか、クスクスと笑い真似をした。


 全て食べ終わると、リリィは右の頬についている傷が気になったのか、自分の頬をさすってまじまじ見つめた。


「あぁ、僕のこれが気になるか」


 コクリと頷く


「これはだなぁ......」


 数秒考えてから「転んじゃったんだ」と笑うと、リリィは伝わらなかったが笑う健二を見て大丈夫なことが分かりニコリとした。


 その後健二はリビングを出て細い廊下を挟んだ向かいにある、障子の部屋に入る。


 室中は畳の部屋になっており、そこに布団を二枚引くとリリィを寝かせてから、健二は自分の布団に仰向けになった。


 ふとリリィのペンダントが気になったのか、自分のポケットから取り出してしばらく眺める。


「風呂に入ってた時に気になってとっちゃったけど、まさか......な」


 そう呟きポケットにしまった。


「とりあえずお互い話せるように、明日から言葉覚えさせよう」


 大きな独り言を言うと、リリィの手を握り眠りについた。


* * * *


 ここはとある地下にある死臭の漂う一室


 薄暗く、そこらじゅうに血が飛び散っている。


人が掘った為、天井も低く壁は土がむき出しになっていた。そんな土の壁には、数えきれないほどの魔導機動隊が持っていたペンダントが、五寸釘に掛けられており、他の壁を見ると拘束器具など拷問道具が掛けられていた。


 床には人の歯や爪などがドッサリ入ったバケツがあり、奥の方に拘束器具の着いた血まみれの椅子が置いてある。


 またドアから見て右の方を見ると柵があり、その中には死体が入ったズタ袋がゴロゴロ転がっていて、魔法少女であろう顔に黒い布の袋を被らされた、2人の女性が背中合わせで吊るされていた。


「誰か来た」

「誰って?」

「分からない、でも魔力が小さいわ」

「お願い神様、どうかあの子をお守りください......」


― この世界の鬼から

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