私は君たちとは違う者

私は、生まれつき人とは種族が違った。

狼人間ひとならざるものだったんだ。

私はあっという間に山に捨てられた。

神の祟りだと、呪われた子だと言われた。

愛はもらえなかった。

ただ悲しかった。


山に捨てられた後、私は動物たちに拾われた。

メスの狼が私を可愛がってくれた。

山には動物がたくさんいた。

狼が狩りを教えてくれて、うさぎが野菜や果物をくれて、熊が魚を採ってくれた。

鹿が私を世話してくれて、馬が綺麗な景色へと連れて行ってくれた。

他にももっとお世話になった動物は居た。

ありがとう、ありがとう。

私はその感謝の感情で溢れていた。


いつの日か、私は世話焼きの鹿にこう言われた。

「一度、山のふもとの孤児院に行ってみない?」と。

そこには人ならざる者がたくさんいるらしい。

毒を飲んでも生きられる少年、ナイフで切りつけられても生きられる少女、半獣半人の青年なんてのがいるらしい。

そこで仲間を増やせそうだった。

友達が欲しかった。

「私、その場所に行きたい!」

私は鹿に従った。


そのふもとで私は悲惨な目に遭った。

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