女神ー詩

 女神は人々に救済を与えるはずだった。女神は美しく、太陽のように紅く、愛に燃える瞳を持っていた。女神の髪が風になびくとき、海に風を吹かせた。彼女が人のために流す涙は、金の豊穣をもたらした。雲で出来た衣は女神の翼だった。ほほえみひとつで人々の夜を終わらせた。

 女神には使命があった。全ての人間に愛を与えることだった。

 今ではすっかり疲れ果て、地に伏している。

 女神には荷が重すぎたのだ。

 おお女神よ。瞳を閉じる事なかれ。

 その紅き瞳だけが人々の希望なのだ。







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