ポエット!


星屑がきらめいて、光が降り注ぐ。

何億年も前の過去が、人の目に焼き付けられる。

星の間にはなにもない。

星のいのちが終わる。人が気づくのは何億年も後のことだ。

人は光を求める。

また何億年も後に、気づくだろう。




草原


草原を白馬が駆ける。

駆ける白馬は誰も止められない。

足が折れるまで駆ける。

草木が折れる。

大地が悲鳴を上げる。

雷鳴のようないななき。

白馬は見つけた。

白馬のあるべき場所を。






人の心は硝子のよう。

砕けてしまっては二度と戻らぬ、儚い硝子。

千里先まで見通す硝子。

傷が付いては、指先ですら見えやしない。

汚れてしまえば、丸い玉。

綺麗に拭いて、しまっておこう。

誰にも傷つけられないように。




革命


地が裂けるように、石畳が揺れる。

人は武器を持った。

立ち上がれ、祖国のために。

街は燃えた。煙が立つ。

貴族の首がはねられた。誰もが首をはねられた。

熱病に浮かされるようだ。

津波のように、革命は広がっていく。

だが、十年たってしまえば、熱はひく。

石畳は口を閉ざす。

人が革命について口を閉ざしたように。




海賊



海賊よ!

黒き旗をかかげしものよ!

お前が恐れるものはなんだ!

海か!海軍か!海賊か!

いいや違う。

恐れるものは宝だけ。

手に入れてしまった後の失望だけ。




モルヒネ


誰かが白いベッドで寝ている。

命が今燃え尽きようとしている。

モルヒネは痛みを止める。

考えを止める。

そうして、苦しみを和らげる。

痛みより、殺すべきものがある。

殺すべきなのは、苦しみだ。



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