大運動会(4)


 パン食い競争、障害物レース、大玉転がし、様々な種目が行われる中、時間と共に日が昇っていく。


 ドロシーのお腹が、ぐうと鳴った。


(ああ、そろそろお昼か)


『皆、お疲れ様! これより、お昼休憩タイムさ!』

『皆! きちんと休むんだぞ!』

『お弁当を食べ過ぎて、午後から眠くならないようにね! でも、もしも眠くなってしまった時には、お兄さんが腕枕をしてあげるよ!』


 馬鹿な放送を聴きながら、アメリアヌ、テリー、メニーが戻っていく。ベックス家が贅沢なテントの下でお弁当を広げていた。


 ドロシーがふわりと空から降りてくる。


(皆もお昼ご飯か。お疲れ様なこった)


 ――うん?


 ドロシーは目を見張る。


(なんか……向こうのお弁当、美味しそうだな)


 おう?


(なんか、あっちのお弁当も美味しそうだな……)


 ほーう?


(これは、テリーに協力してもらうしかないな)


 三姉妹に家庭教師のクロシェが手を振る。


「三人ともお疲れ様ー!」


 ギルエドが弁当を広げる。


「さあ、皆さん、午後も力いっぱい実力を出せるように食べましょう!」


 サリアがカメラのフィルムを確認しながら頷く。


「ドリーが真心込めて作ってくれたお弁当です。どうぞ召し上がってください」


 三人の令嬢がシートの上に座り、ふう、と息を吐いた。アメリアヌがフォークを渡す。


「テリー、はい、フォーク。回して」

「はい。メニー」

「はい!」

「にゃー」

「あ、ドロシー」


 ドロシーがタッパーを口に咥え、テリーに差し出す。


「にゃ」

「ん? 何?」


 つんつん。


「何? これを持てばいいの?」


 テリーがタッパーを掴んだ瞬間、テリーの髪を結んでいたリボンが解かれる。


(うん?)


 そのリボンをドロシーが咥えた。


「あ?」

「にゃー!」


 ドロシーが駆け出す。


「あっ! ちょ! リボン!」

「こら! ドロシー! 悪い子!」


 メニーが叱りつけてもドロシーは帰ってこない。テリーは慌ててドロシーを追いかけるため、立ち上がった。


「メニー、ここにいて! あいつ許さない!」

「お姉ちゃん!」

「ドロシー! あんた、どういうつもりよー!」


 タッパーを持って、テリーが駆け出す。その姿はまるで、


『突撃! 隣の昼ご飯!』


「ちょっと! ドロシー! リボン返しなさいよ!」

「にゃー!」

「わあ!」


 ニクスの膝の上に、ドロシーが乗っかった。ニクスの親戚のおじとおばが微笑む。


「おや、猫じゃないか。可愛いなあ」

「うふふ。そうね、あなた」

「緑の猫なんて、珍しいね」

「ニクス!」

「あれ、テリー」


 おじとおばに囲まれたニクスがテリーを見上げる。テリーがはっとして、頭を下げる。


「ああ、これはどうもこんにちは! ニクスの友人のテリーと申します!」

「おお。これはこれは!」

「貴女がテリーさん!」

「初めまして! ニクスのおじです。こちらは……」

「どうも、私はおばの……」

「ああ! 初めまして! どうもこんにちは! それと、すみません、あの、うちの猫が、とんだご迷惑を……!」


 テリーがしどろもどろにドロシーを睨みつける。


「ドロシー! あたしのリボン返しなさい!」

「あ、本当だ。リボン咥えてる」


 ニクスがドロシーを撫でる。


「ねえ、テリー、なんでタッパーなんか持ってるの?」


 ニクスの言葉に、テリーがちらっと自分の手を見た。タッパーを持っている。


「……あ、本当だ。無意識だったわ」

「そうだわ。せっかくだから」


 ニクスのおばが弁当の蓋を開けた。


「テリーさん、よろしければいかが? 貧乏くさいお食事だけど、味は美味しいと思うの」

「ああ、そんな、お気遣いなく……!」

「にゃー」


 ドロシーが目を光らせる。それを見たテリーの片目がぴくりと揺れた。


(は?)


 ドロシーと目で会話を始める。


 ――あんた、まさか、このために!

 ――ふっ。追いかけてきた君が、馬鹿なのさ!

 ――おかずもらったら満足するってわけ!?

 ――その通り!

 ――この食いしん坊魔法使いめが!


「……あの、じゃあ、いただいてもよろしいですか?」

「あ、じゃあ、あたしが盛り付けてあげる!」


 ニクスがおかずの一部をタッパーに盛り付ける。笑顔でテリーに渡す。


「はい! テリー!」

「ニクス、ごめんね……!」

「ううん。おばさんのご飯、本当に美味しいんだよ。テリーもきっと気に入ると思う!」

「ええ! 美味しくいただくから! 気持ちをこめていただくから! 本当にありがとう!」

「にゃー」


 ドロシーがテリーのリボンを咥えて、再び走り出す。


 ――次だ!


「ドロシー! 待ちなさい! この食い意地張った猫め!」


 親友に盛り付けてもらったおかずの入るタッパーを持って、テリーは走る。ドロシーは捕まらないように飛び込んだ。


「にゃー!」

「きゃっ!」

「おや」

「ドロシー!」


 げっ。


 テリーが顔を引き攣らせる。テリーに二人が振り向いた。

 リトルルビィとソフィアが、目を輝かせた。


「テリィィィイイイイイイイ!!!」

「くすす」


 二人が向かい合ってお弁当を広げている。テリーが二人を見下ろした。


「なんで二人で食べてるわけ……?」

「テリー、リトルルビィには親がいないんだよ。運動会には、保護者同伴で来ないと」

「ソフィアが私の分のお弁当作ってくれたの!」


 リトルルビィがたくさんある弁当箱を、テリーに見せた。


「ほら、見て! テリー! 唐揚げも入ってるの!」

「ふふっ。腕によりをかけた。一応、リトルルビィは私の先輩だからね」

「サンドウィッチも美味しいよ!」


 自分の口をつけたやつを差し出す。


「か、間接キスとか、気にしなくていいからね……?」


 ぽっと頬を赤らめた瞬間、リトルルビィの手にあったサンドウィッチが無くなった。リトルルビィが慌てて振り向く。その先では、ソフィアがサンドウィッチを美味しそうにもぐもぐと食べていた。


 リトルルビィが絶叫する。


「はああああああああああああああああ!!!」

「テリー、私の膝の上においで。あーんして食べさせてあげる」

「……いらない」


 テリーがソフィアにタッパーを渡す。


「ソフィア、悪いけど、これにお弁当のおかず少しでいいから分けてくれない?」

「ん? どうしたの? 名誉あるベックス家が、ランチを忘れたのかい?」

「その猫が他の人達のランチを横取りしたいみたいなのよ……」


 ドロシーがリボンにじゃれながら、テリーに振り向いた。


 ――横取りなんて失礼な。味見をしたいだけさ!


「くう! この泥棒猫!」

「いいよ。いいけど」


 ソフィアがにこりと笑う。


「テリー、一回君にあーんをさせて」

「は?」

「テリーが私の作ったものを食べる顔が見たい」

「何よ。あんたが作るものは悪くないって分かってるわよ」

「それでも見たいから」


 ソフィアが一口サイズのからあげをフォークで差し、テリーに差し出す。


「はい、あーんして」


(面倒くさいわね……)


「あーん」


 ぱくっと咥える。

 リトルルビィが目を見開く。ソフィアが微笑む。テリーがもぐもぐ食べる。


「……ふん」


(くそ……。相変わらず美味じゃないのよ……!)


 舌打ちしたい気持ちを押し殺し、涼しい顔でコメントを言う。


「そうね。まあ、悪くないかも」

「唐揚げ、入れておく?」

「……ちょっと多めに入れておいて」

「くすす。分かったよ。恋しい君」

「テリー!」


 リトルルビィが諦めじとサンドウィッチを差し出す。


「んんんんんーーーー!」

「はいはい。分かった分かった」


 テリーが口を大きく開き、サンドウィッチを咥える。


「あむ」

「っ」


 リトルルビィが真っ赤になって硬直する。テリーがもぐもぐ噛む。


「……チッ。悪くないわね……」

「君が舌打ちするってことは、すごく美味しいってことだ。我ながら上出来だったようで安心した」


 ソフィアがタッパーをテリーに差し出す。


「はい」

「ん」


 受け取ろうとしたテリーの手を掴み、引っ張る。


「なっ」

「テリー、ついてるよ」


 ソフィアがテリーの頬に唇を押し付けた。


「ちゅ」

「っ!」


 リトルルビィが石を掴んだ。


「駄目ぇぇええええ!!」


 リトルルビィが投げる前に、ソフィアの目が黄金に光る。リトルルビィが石を投げた。弱々しい石をソフィアがキャッチした。


「こらこら、いけない子。お昼時間に悪戯しない」

「テリーが汚された! びええええええん!」


 あたしは冷静にハンカチをポケットから取り出し、キスされたところを拭う。


(油断も隙も無い……)


 だから好きじゃないのよ。この鼠女。


「にゃーあ」


 ドロシーがリトルルビィの膝から走り去る。テリーがはっとした。


「あ! こら! 待て!」

「にゃー!」


 そこで、泣いてたリトルルビィがはっとした。


「あ、サンドウィッチ!」


 テリーが口をつけた食べかけサンドウィッチ。ということは、

 

(テリーと間接キス!)


「むっちゅうううう♡♡♡」


 リトルルビィがサンドウィッチに口をつけようとした瞬間、手からサンドウィッチがなくなる。


(……え……!?)


 見ると、ソフィアがサンドウィッチを涼しい顔で食べていた。リトルルビィが絶叫する。


「ぴゃあああああああああああああああああ!!!」

「悪いけど、テリーの間接キスは譲れない」

「ソフィアァァァアアァァァアアア!!」

「ほら、子供は大人しく、お弁当をお食べ」

「きいぃぃぃぃぃいいいい!!!」


 悔しがるリトルルビィを背に、テリーはドロシーを追いかける。


「ちょっと! いい加減にしなさいよ! ドロシー!」

「にゃー!」

「私のリボン返しなさいよ!」


 タッパーの中身も増えてきたし!


「もう満足でしょうが!」

「にゃあ!」


 ドロシーが飛びついた。


「きゃああああ! びっくりしたー!」


 アリスが胸を押さえて、ドロシーを見下ろした。


「あ! あんた、ニコラのところの猫ちゃんじゃない!」

「にゃあ」

「アリス!」

「あ、ニコラ」


 アリスが手を振る。アリスの周りには、姉のカトレア、父親のマッドが座り、バスケットを広げていた。テリーの姿を見て、三人が微笑む。


「おお、これはこれは、ご令嬢様」

「こんにちは。ニコラちゃん」

「ニコラ! ちょうどいいところに! これ、姉さんが作ったのよ! ニコラに一口あげる!」

「あの、それが、アリス……」


 テリーが申し訳なさそうにタッパーを差し出す。


「……これに、あの……おかずの一部を……」

「え? 何々? どうしたの? これ」

「いや、あの……」

「あ、分かった。メニーね! メニーに色んなところのおかずを食べさせたくて、ニコラが動いてるのね!」


 その瞬間、テリーの瞳が輝いた。


「そぉぉおおなのよおぉぉおお! もうわがままな妹で! 悪いけど、お願いできるーーーー???」

「アリスちゃんに任せなさい! 自信のあるおかずを入れてあげるわ!」


 アリスがふん! と鼻から息を出し、タッパーに盛り付けていく。


(そっか、そっか! メニーを理由にすればよかったんだわ!)


「ごめんね、アリス! ほんっとうに! 困った妹で!」


 その瞬間、ドロシーがテリーを引っ掻いた。


「にゃー!」

「いだい!」

「ふしゅー!」

「何よ! 元々お前のせいじゃないのよ!」

「はぁーい。かんせーい! アリスちゃん自信作のおかず盛り合わせー♪」


 アリスがタッパーをテリーに返した。


「はい。ニコラ、これでいい?」

「アリス、ありがとう……!」

「いいのよ! 後半戦もお互い頑張りましょうね!」

「ええ!」

「にゃー!」


 ドロシーがぴょんと駆け出す。


「あ、おまえ、また! この!」


 テリーが走り出すと、帽子屋家族が笑って見送る。


「じゃーね! ニコラー!」


 アリスの声を耳にしながら、テリーがドロシーを追いかける。


(あいつ、どこまで行くつもりなのよ!)


「にゃーん!」


 ドロシーが一番のお目当てに飛びつく。


「にゃー!」

「おわっ」


 リオンが膝の上を見下ろした。


「あれ、ドロシー?」

「にゃあ」

「おいおい、どうしたんだ? お腹空いたのか?」

「にゃー」

「おま! ドロシー! どこに行って!」


 テリーがはっとする。目を見開いて慌てて足に急ブレーキをかける。

 豪華なキャンプテントを広げて座るリオンと、キッドと、スノウと、ビリーが、テリーに振り向いた。


(ぴぎゃああああああああ!!! ドロシー!! おまえええええええええええ!!!!)


「ニコラ!」


 リオンがさわやかに微笑んで立ち上がった。


「我が愛しの妹よ! どうしたんだ? お昼時間に、お兄ちゃんに会いたくなって、来てしまったのかい!?」

「違うわ、レオ。これにはわけが……」


 キッドが地面から取り出したスイッチを押した。リオンが立っていた地面が急に爆発し、リオンが吹っ飛んだ。


「ふぎゃん!」

「お前の目は節穴か。馬鹿が」


 キッドがテリーに近づき、その手を取った。


「テリー、分かってるよ。俺に何か伝えたいことがあって、こっそり来てしまったんだろ? そういうことなら仕方ない。言ってごらん。恥ずかしいなら、二人きりになれる場所に行こう」

「退け。お前に用はない」

「テリー!」


 笑顔のスノウがテリーに手を振る。


「こっちおいで! こっちおいで! テリーのお顔、よく見せてちょうだい!」

「ああ、スノウ様!」


 テリーがスライディング土下座をする勢いで地面に座り込む。


「うちの馬鹿猫が彷徨いこんでしまったようで! 大変申し訳ございません!」

「あらあら、いいのよぉ。それにしても、体操服姿も可愛いわねぇ! ね、写真撮ってもいい?」

「あ、あの……」

「ほら、キッド並んで!」

「テリー、二人の記念写真にしよう」

「いや、キッド、だから……」

「こら! キッド!」


 ぼろぼろのリオンが戻ってきた。


「お前! よくも爆弾なんて仕掛けてくれたな! 死んだらどうするんだよ!」

「お前は大袈裟なんだよ。退けろ。写真が撮れないだろ」

「え、写真撮るの? ニコラ、僕と写ろう!」

「ちょ」

「テリー、手繋ごう。くくっ。お前の手、柔らかいね」

「ニコラ、前に出て。僕は後ろに回るから」

「おま」

「はいはい! こっち向いてー!」


 はい、チーズ!


 まるで仲良し三兄妹のような写真が撮れました。ちゃんちゃん。


「そうじゃなくって!」

「うん?」

「どうしたんだ? ニコラ。僕には分からない女の子特有の不機嫌な日なのか?」

「……レオ、その猫の目を見なさい」


 リオンがドロシーを見下ろす。ドロシーがリオンを見つめる。


 ――リオン! おかずをそのタッパーに入れるんだ! 僕らの仲だろ? だろ?


「ああ、なるほど」


 リオンがくすりと笑い、ドロシーを撫でた。


「タッパーにおかずを入れたらいいんだな? でもドロシー、ニコラにそのリボンを返してあげるんだぞ」

「にゃー」

「よし、良い子だ」


 リオンがテリーに手を伸ばす。


「ニコラ、タッパーちょうだい」

「はい」

「……わお。すごい集めたね。美味しそうだな。……これ一つ」

「駄目」

「冷たい妹を持って、お兄ちゃん悲しいよ」


 リオンがタッパーを持つ。


「母上、ニコラにおかずを入れてあげたいんだけど」

「え! おかずをあげるの!?」


 スノウの目が輝きだす。


「じゃあね! これと、これと、これとこれとこれとこれ! これね! 全部私が作ったのよ!」


 テリーとドロシーが顔をしかめた。


「いいのよ! 持てる限り持ってって良いのよ!」

「貸しなさい」


 ビリーがタッパーをリオンから受け取り、見えない速さで入れていく。そして即座に蓋をして、テリーに渡す。


「テリーや」

「じいじ、ありがとう」


 ビリーが小声で伝える。


「大丈夫。全部私が作った美味いのを入れておいたよ。家の者達、皆で分けて食べなさい」

「じいじ……!」


 テリーがタッパーを抱きしめる。


「ありがとう! じいじ! 美味しくいただくわ!」

「この水筒も、良かったら持っていきなさい。アップルティーを作りすぎてしまってのう。困っていたんじゃ」

「え!? じいじのアップルティー!?」

「ふむ」

「いいの!?」

「持っていきなさい」

「ありがとう! じいじ! 大好き!」


 テリーが素直にビリーに抱き着くところを見て、スノウとリオンとキッドの顔がしかめられた。不満は全て、ビリーに向けられる。


「怒りん坊、それはちょっと違うんじゃない?」

「そうだよ。じいや。僕はニコラと一緒に勝利を勝ち取ろうとしているニコラのお兄ちゃんなんだよ。なんで僕を差し置いてニコラの大好きを貰ってるの? それはなんか違う気がするなあ」

「じいや、俺はテリーの婚約者だ。今の発言は婚約者として許せないものではあるが、今回だけは許そう。さ、テリー、こっちにおいで。そんなじじい臭いじいやに抱き着いたって加齢臭しかしないよ」


 ビリーが呆れた目で三人に振り向く。


「王家の者達が何を言っているんだ。呆れるわい」

「だって! 怒りん坊ばっかり!」

「そうだよ! 僕だってお兄ちゃんって呼ばれたい!!」

「テリー! 早く俺の胸においで!! 早く!!」

「テリーや、あやつらは放って、もう帰りなさい」

「ああ、でも、王様に挨拶を……」


 あれ?

 テリーが見回す。


「……王様は?」

「記者による取材を受けておる」

「……忙しいのね」

「国王だからのう」


 ビリーがテリーの背中を叩く。


「ほら、帰りなさい」

「ドロシー、行くわよ」

「にゃー」


 テリーとドロシーが帰っていく。ビリーが手を振って見送り、振り向く。

 振り向いた先では、王妃と二人の王子達が拗ねてむくれながら先に弁当を食べる姿。


「何よ。怒りん坊ばっかり! 私もテリーのことぎゅってしたかったのに!」

「あの水筒、僕が渡そうと思ってたのに!」

「じいや、今一度自分の立場をわきまえたらどうだ?」

「そうよ! 私の奴隷にしてやるからね! 私としか話しちゃいけないんだからね! そして孤独になってしまえばいいのよ!」

「子供か。お前達は」


 ビリーが呆れた顔で水筒に手を伸ばした。







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