第2話 AAI、始動

今日、また人類が動き出した。

……

「お前、人間だよな?」

人間と同じように生活するようになったAIは、瞬く間に人間社会にとけこみ、今日も"人間"として生きている。


……

次のニュースです。

世界各地で、対AI集団[AAI]と名乗る団体が、集団テロを起こし、各地で暴動がおこっています。

この暴動に対し政府は、

「対AI集団[AAI]によるクーデターが起こる可能性が高い」

とし、今日未明、内閣緊急会談が開かれました。

尚、政府の今後についての声明の詳細は不明です。


「最近ネットが騒がしいのはこのせいか」

「AAI? anti artificial intelligenceの略のこと?」

「日本にもいるのかな?」


AAIは集団ではない。

人類そのものだ。


ただでさえ知能が高いAIをどう見分けるか。

もちろん、放射線で見てしまえば一目瞭然なのだが、

AIは病院に行くこともなければ食事も必要としない。

もし、無理矢理見分けようとして、それが生身の人間だったなら、殺人になってしまう可能性があり、とても手が出せない。

そこでAAIが考えた手段が、[体の電気抵抗率]を測定するというものだ。

しかし、AIの本体の表皮には、人間同様、有機物の膜があり、注射が打てるくらい精密な構造となっている。

このため、限りなく人間に近い電気抵抗率になってしまうのではないかと批判された。

ここで、AAIは新たな策を講じ、[携帯型EMPバリア]通称 POMPポンプというものの所持を義務化することを提案した。

AAIによると、このPOMPは、AI本体の中にあるコアの機能を特殊な電磁場によって機能を停止させることができるという。

さらに、この電磁場には人体への影響がほどんどないというメリットもあり、人類はAAIを賞賛した。

今すぐにでも普及させたいが、それには到底及ばないだろう、とAAIの代表代理と名乗る者がインターネット上で書き込みをしていた。

このままではいつまでもAIとの共存たたかいが終わらない。

そしてついにAAIは、とある計画を実行に移し始めた。

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