第54話 夢の中

まだ、夢の中にいるようだ。奇妙な浮遊感がリューリンを包んでいる。

本来、龍と人とのハーフである、リューリンは類稀なる生物的優位性がある。つまり、どの生物よりも強靭な体なのだ。

しかし、サリタが生み出した劇薬はそれをいとも簡単に壊した。

リューリンの細胞を壊し尽くし、幻覚を起こさせていた。

すぐさま、リューリンの体の中で、劇物を治す物質が出る。それをまた破壊する。

破壊と創造の狭間にいるリューリンの自我は強烈だった。

ここを越えれば、また新たな力が・・・。

彼女を支えるのは肉体ではない。

自分が強者として生まれた宿命に耐えうる意志力だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る