第53話 過去
リューリンは記憶の海を遡っていた。
時間をぐるぐると巻き戻すように、とてつもない過去まで行った。
そこにはまだ人はおらず、現代では神と呼ばれる者たちが地球を作っている最中だった。
ある神は破壊し
ある神は創造し
ある神は草木を植え
ある神は海を作り
ある神は空を作り
ある神は陸を作り
それぞれが好き勝手地球を弄んでいた。
神々はお互いを認識はしているが、どこか他人だった。
そこに、リューリンは生まれた。
龍と人を合わせようと神が行った実験の成功例だ。
生まれた少女の小さな体には神々の力はあまりに強大すぎた。
ただ、肉体は強固だった。痛みも苦しみもなく快適だった。
が、脳だけは人間だった。
恐怖し、不安し、感動し、喜んだ。
その記憶が今、サリタの酒に酔って強制的に思い出された。
その中に、一際大きな力を持った神々が4体いた。
名前は
ハーデース
セポネ
アポン
ゼウヌ
この中でもっとも強い力を持つものはハーデースだ。こいつが諸悪の根源だ。
他の神々はハーデースに倒されたか、違う惑星に逃げた。この四人はハーデースの力に惚れ込み地球という惑星を使って遊んでいたのだ。
どうやら、私たちが最終的に相手にしなければならないのはこの四人だ。
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