第43話 東の国

東の国

サリタ「あれ、ユリーヌさんって面識ないんですか?」

ユリーヌ「私は隠れてたからな。この国で。まぁ落ちこぼれさ。」

東の民「あんまみない顔だし、だけど呪絵ジュエ入ってるし。謎だな。強いのか?」

ユリーヌ「んー、弱いぞ。」

東の民「弱いのか・・・。」


僕たちは東の民の御神木ルルアについた。

にしても、大きな木だ。

東の民「この中で、いつも戦いまくってるんだぜ。おーい、みんなカカポがきたぞー。」

中は、入ると空洞になっていて、そこでは闘技場があった。

見渡すと、1万人ほどの東の民がいる。

東の民「おー!カカポ!いいね!」

東の民「お前誰だ!変な髪の色だな。」

東の民「ん、前も送ってくれたサリタじゃない?西の。」

サリタはぺこりとお辞儀をした。

言語もわかるし、これが挨拶になっているはずだ。


東の民「おお、親切な上に礼儀正しいじゃないか!いいやつだ!」

東の民「いいやつだ!」

東の民「この国に住んじゃないよー!」

サリタ「ええ?すごい歓迎ですね。」


東の民「そりゃな!異国のものは歓迎するさ。こんな辺境の地までたどり着くのはそうそういないからな。しかも娯楽が戦いと飯しかねえからよ。」

東の民「お前、強いのか?」

サリタ「いえ・・・。戦いは苦手です。」

東の民「ん、賢者類か!あーね。」


サリタ「西の国と交易がしたいと思って、きました。王様はいるのですか?」

東の民「一番強いのが王だが、今いないな。どっかいったわ。」

サリタ「ええ・・・。」

東の民「まぁいいだろ。反論あるやついる?」

東の民「意義なーし。」

東の民「ないよー。」

東の民「おっけーだ!」


サリタ「ゆる!?」

ユリーヌ「西に比べれば、緩いな。まぁ単純だしな。」


東の民「でも、交易ってうちらの島になんかあったっけ?」

東の民「呪絵ジュエなら入れてもいいけど、賢者類は入らんし、遺伝子が合わないからなぁ。食い物もめぼしいものもないぞ?」


サリタ「実はこの島でしか取れない葉っぱがあるのです。それとカカポ、宝石を交換しましょう。貨幣はこの国にありますか?」

東の民「貨幣?ないぞ。」

サリタ「やっぱり。物々交換しましょう。僕が作ったカカポ製造機を献上しますので。これなら少ない石と草でカカポが作れます。半永久的に。壊れたら直し方を教えるので、他に賢者類の方はいますか?」

東の民「髪を三つ編みにしてるのが、賢者類のやつだ。そいつに教えてやってくれ。」

東の民「カカポ食い放題とか!すげえ!お前神か!」

サリタ「泣いて喜んでる・・・。」

ユリーヌ「食料に乏しくてな。さつまいもと魚しかないんだよ。」


東の民「どんな葉っぱが欲しいの?」

サリタ「ええと、三種類あって、月桂樹、菊、桜というのが欲しいです。」

東の民「それなら、すぐ取れるから、闘技場でも見て待っててよ。」

サリタ「ありがとうございます!」


東の民「よし!カカポ食ったし。俺が入る!」

東の民「いけー!いけー!」

東の民「よっしゃ俺とやるか!」


二人の東の民が闘技場に入った。

どうやら、一対一の戦いらしい。

東の民「誰かゴングを頼むぜ。」


カーン!

どこからともなくゴングが鳴った。

二人の呪絵ジュエが輝く

東の民「レコオ、ンエカ!」


わわ、火球が出た。


東の民「レサシケ、ンエカ!」


もう一人にぶつかる前に、火球は消えた。

むむ、不思議だ。やはり言葉で発動するのか。

ユリーヌ「あれは大気中の酸素を使って火を起こす絵だな。初歩だ。」

サリタ「あの腕の絵ですか?」

ユリーヌ「おお、そうだ。」


一人が接近し蹴りを放った。


東の民「キイタ、ロケサ!」

東の民「ぐっ!」


片方の両腕が吹っ飛んだ。


サリタ「え!?なんで!?てか大丈夫!?」

闘技場では血しぶきが上がってる。


勝負あり!


どこからか、声が聞こえた。


東の民「よっしゃー!カカポもーらい!」

東の民「くっそー!いってえええええ!」


ユリーヌ「1時間もすれば、私たちは新しい腕が生えるんだよ。」

サリタ「ええ!?トカゲ!?」

ユリーヌ「まぁ、死んだら再生はしないんだが。ちなみに、心臓を潰さない限り、顔を飛ばそうが、腕をもごうが、腹を裂こうが治るぞ。」

サリタ「ひえ・・・。」


やはり、兵器としては、西も北も歯が立たない・・・。これじゃ一人で北の国は壊滅だ。


東の民「ああ、そうそう。北の国滅んだらしいぜ。女はこっちに移住するって通信があったな。」

サリタ「え、そうなんですか!?」

東の民「ああ、西の国の傭兵が壊滅させたらしいが、知らんのか?連絡とってみ?」

サリタ「はい・・・。そういえば、夢中で通信するのずっと忘れてた。」

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