四章 ダンジョン編
プロローグ
「やっぱり屋敷の管理を一人でするなんて無理ですよッ!」
広間にて、この間酷使してしまった剣の
「この屋敷は広いですし僕だけでは手が回りません何とかしてください!」
懇願にも似たその直訴。応える俺に容赦はなく、
「そんな必要ない。掃除くらい、俺一人でも何とかなってたんだ。庭の手入れが無い上、レティシアがたまに手伝ってくれる分、時間的には十分だろ」
「仕事終わるのっていつも夜中じゃないですか! 今日に限っては、レティシアさんどっか行っちゃいましたし、もっと遅くなりますよ? あんたらと違って、こっちは睡眠が必要なんですからね?!」
とは言っても、まだ下男を始めて一週間だ。慣れれば手際も良くなるだろうし、庭の手入れや食事を作る必要も無いのだから、先を見据えると問題ないように見える。
仕事に対して不満があっても手抜かりしない辺り性格が出ている。
「あれ、レティシアいないのか?」
「今は仕事の割り振りについて考えてくれませんかねッ」
レティシアが外に遊びにいくのは珍しく無いが、現在は早朝。となると、昨夜から帰ってきていない事になる。
「なんだか、お前がやって来た日に似ているような……」
「はい? 何を言っているんですか?」
やはり何かトラブルがあったからではなかろうか。彼女なら透過能力があるから無事に済みそうだが、朝まで帰ってこなかったのは一度だけで、クレイグの一件があった日だった。
「タケモト~」
噂をすれば。レティシアの困った声が聞こえてきた。
帰ってきた彼女の背後には、鬱々とした少女の姿があり。
「この子、困ってるみたいです。助けてあげられませんか?」
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