忘れられない出逢いがある。


カランコロン


私は一人、いつものbarへ入った。


すると


カウンターに肘をつき


タバコをくゆらせる男が一人。


頭には氷が乗っている。


頭からビシャビシャになり


切れ長の鋭い瞳でこちらを見つめている。


私は後退り、店を出ようとする。


マスターが目配せをして、一番遠い席へ促す。


首を横に振り、拒否するが


マスターは「大丈夫、大丈夫」と口パクで促す。


仕方なくそっと腰かけるが


男から目が逸らせない。


「やぁ」男が言った。


『かこん』その拍子に、頭から氷が落ちた。


私は我慢出来なかった。


「ぶわーーーーーっはっはっはっひーーーーーっふがっ」


ブタ鼻と同時に私は椅子から転げ落ちた。


チビりそうなぐらい笑った。



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