漫才
笹熊美月
漫才
1.猫カフェ
A「突然すみません。猫カフェに行きたいんですけど」
B「行ったらいいじゃん?」
A「いや、でも男が一人で行くには敷居が高いというか……」
B「猫相手に何恥ずかしがってんだよ。 いいか、一度しか言わねーぞ? 行ったらいいじゃん!」
A「二回言ってますし」
B「仕方ねーな。俺が一緒に行ってやるよ!」
A「結構です。予行練習のため猫カフェの店員やってください」
B「あ、はい……」
A「ここが猫カフェか。ちょっと入りづらい雰囲気あるなぁ」
B「いらっしゃいませぇ!」
A「うおっ! 店員さんですか?」
B「店先でモジモジしちゃってぇ。もしかして初めて?」
A「ああ、はい。初めて来ました」
B「ご新規一名様入りまーす!」
A「あ、どうも」
B「ご指名なさいますか?」
A「え、選べるんですか?」
B「もちろんフリーでも構いませんが、お客さんは運が良い。花びら大回転入りまーす!」
A「風俗じゃねぇか!」
B「いやいやいや、ちゃんとした猫カフェですから。ご安心ください」
A「怪しいなぁ……。おお、これだよ、これ! 猫たくさんいるじゃん!」
B「どうぞ、ご自由に猫と触れ合ってください」
A「ほら、こっちおいで。にゃーにゃー。可愛いなぁ」(アドリブ)
B「あのー、お客様」
A「ん、何?」
B「猫が全く近寄ってませんが」
A「そうだったの!? どこにも猫いないのに可愛がってたの? はたから見たら完全に頭おかしい人じゃん!」
B「はっはっは!」
A「何笑とんねん。なんで猫が一匹も近寄って来ないんだよ?」
B「もしかして何匹か猫殺したことあります?」
A「んなわけあるか! そんな奴が好き好んで猫カフェに来るわけねぇだろ! 他にも原因あるでしょ、店の飼育とかさぁ!?」
B「申し訳ございません。では私が一肌脱いで、お客様の猫になります!」
A「は? いや、別にいいよ。何言ってんの?」
B「にゃーにゃー、ごろにゃーん!」
A「いい、つってんだろ! 近くんじゃねぇ!」
B「にゃーにゃー、ごろにゃーん!」
A「ええー、ちょ、やめろって! すみませーん、残り何秒ですか!?」
B「……ふぅ、駄目か。これ以上は手の施しようが無い」
A「こっちのセリフな! もっとマシな猫カフェ無いの?」
B「デリバリーもございますが?」
A「風俗じゃねぇか! いい加減にしろ」
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