第87話、金縛りの縛れぬものよ。
「行くぞ、窮鼠!」
俺の決意は固まっていた。まず口座内に残された残金を500円だけ残し、あとは全て現金へ変換。手元へ戻した。
その理由はたった一つ。お金を使い切らないようにするためだ。
慌てて引き出したため、上手くキャッチができず無数の小銭が手から
だがいい。今はそれらを拾い集めている暇はない。
「来い、牡羊座!」
能力を呼び覚ます。ベルトから出力された牡羊座のマークが、俺のアーマーに吸い込まれると同時に、聞きなれた声が一番聞きたくないフレーズを口にする。
『トランス・エリース』
能力発動……シタ…………ト、同時…………ニッ!
「ウガアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
頭が……焼けるように……ッ!
「頭から角を生やした程度で何が変わるのやら。金縛れ!」
グゥ! ネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミネズミッ!
まとめて……まとめてまとめてまとめてッ!
「ブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺ス!」
ぶっ殺してや…………あ?
「ガ……ガガガ………………ガ?」
身体……ガ…………動カ……………………。
「何も分かっていないような顔じゃなぁ。わしの子らがお主の全身を覆い尽くしておろう? ……ん?」
グガ……ガガガ……ッ!
「知性まで金縛りの被害に合うとは。初めてのケースではあるが……興味深いのぉ。さてさて、いと面白き姿で固まっているお主の前で、友人を腹に入れてしまおうかねぇ。安心するが良い。お主は
グ……グギギ…………。
「それでは、優雅にこの油の塊を……いただきま──」
…………………………。
「──……ブッ…………ロスッ」
「あ? 今なんか喋ったか?」
「……」
「……気のせ──」
ッ! ブッ殺ス!
「ブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スッ!」
「な、何が起きてるんだッ!」
「燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤス燃ヤスッ! ブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スッ! 放電感電大虐殺ッ!」
殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス!
「こいつ、全身から放電しているのか!?」
「ウガァァァァアアァァァアアァァァァアアアァァァアアァァァアアッ! ブッ殺シテヤルゥッ!」
放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電放電発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱発熱燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼燃焼虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺虐殺ッ!
「こいつ……何を!? いや、金縛り状態にも関わらず……なぜ喋れる!」
「殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス!」
「……まさか、自然と漏電しているのか!? 確かにわしの金縛りは『動くもの』にしか作用しない……! 最初から『動いているもの』は止められない……ッ!」
「ウガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
「……ッ! まさか、この男の涙を見て気づいたのかッ! わしの能力では運動エネルギーのベクトルを静止させることが出来ないということにッ!」
「
我が子達が……あぁ、我が子達が……ッ! どんどん焼け死んでいく……ッ!」
ブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブツ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スブッ殺スッ!
「死ネェエエエエエエェェェェェエェェエエェェエエエェェェェッ!」
殺意ガ……暴走スル!
「腕が……わしの腕達がッ! わしの子達が! どんどん死んでいく……ッ! なんだ、なんなんだあの能力は……!? 何故ずっと放電し続けられるのだッ!」
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