第127話 店のレイアウト変更!

 イリアが着替えている間、店内のレイアウトを考える。

 きちんとした写真スタジオを一階に作るか。

 半分に仕切っても、問題無い。

 そもそも、売る物が指輪しかない時点で、スペースを取ることが無い。

 入口近くに、ドレスを飾る。

 カウンターでの接客及び、販売。

 奥での写真撮影。

 二階は、物置とリビング(休憩所)で何とかなるか。


 衣装を【複製】したとしても全部で三着しかない。

 一着は、リロイとニーナの分だ。

 そうすると貸衣装としては、二着になる。


 レイアウトをクロに相談をする。

 一階奥の部屋は、転写部屋が良いと言う。

 俺と同じ案なので、転写部屋については決定だ。

 写真スタジオについては、一階にして二階の半分を改造して着替えスペースにしてはどうかだった。

 まだ、ドレスの数も少ないが今後増やしていく事も考えると、部屋は分けたほうが良い気もする。

 着替え終わったふたりが、階段から降りてくるのもいいな。


 入口側の半分を販売スペースとして、購入者は奥で撮影および精算して貰うシステムにした。

 間仕切り壁は、木材を立てて板を張る位で済ますつもりだ。

 あと二日程しかないので、急ピッチで改築しないと間に合わないな……



 クロに今迄の労いも含めて、褒美として何が欲しい? と聞いたが、俺に仕える事が喜びなので必要無いと言われた……

 それはそれで、嬉しいような悲しいような気分だ。

 それでは俺の気が済まないから、何か欲しい物を言ってくれと再度聞く。

 クロは困りながらも、やはり思いつかない様子だ。

 仕方ないので、考えておくようにクロに言った。



 クロは、今から二階の改築に取り掛かってくれるようだ。

 木材と木板を【アイテムボックス】から出しておく。

 エイジンが来たら、服の試着をさせて欲しいと伝える。


 クロの働きは本当に凄い。

 執事とはこういうものなのかと、思ってしまう。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「タクトさん、遅くなりました!」


 凄い勢いでエイジンが入って来た。

 全然、遅くない。

 むしろ早いくらいだ。

 余程、シロに会いたかったのだろう!


「急に呼び出して悪かったな」

「いえ、問題ありません」


 支社長が私用で勝手に出てくるのは、問題あると思うが……

 エイジンとクロとで、二階まで上がる。


 四階の俺の部屋ではイリアが着替えているので、エイジンは三階で着替えて貰う。

 クロに衣装を持って来て貰い、訳も分からないまま着替えをさせる。


 やはり少しきついようだ。

 一旦【複製】をして、きつい部分を少し大きめに調整をする。

 激しい動きは出来ないが、写真のポーズくらいは問題ないだろう。


 シロにイリアの様子を聞くと、御機嫌で写真撮影をしているようだ。

 フランは、被写体を扱うのが上手な様だな。


 下で写真もいいが、一度屋外でも撮ってみたいので、バルコニーでも撮影も含めて、何も知らないエイジンを連れて四階まで上がる。


 俺の部屋の扉を開けると、ノリノリでポーズの取っているイリアと目が合う。

 当然、後ろにいるエイジンもその姿を見ている。


 無言の時間が続く……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る