第60話 商人ギルド昇級試験-1!
試験官は、ロックスとローラの二人。
ランクは、冒険者ギルドと同じくランクはSSSからGまである。
今回は、ランクSまで受験可能。
試験内容は、
・ランクE~Gまでは筆記試験のみ。
・ランクB~Dは、くじを引き決定された商品の調達が追加される。
・ランクS~Aは更に商人スキルの確認が追加となる。
調達する商品は購入しても問題は無いらしい。
商人としての力量が問われるようだ。
スキル確認が気になる。
ステータス確認でなく、スキル確認でどこまで俺のスキルがバレるのか……
「スキル確認は、どうやって確認するんだ?」
「特殊な水晶で、商人に必要なスキルを習得しているか確認です」
「必要なスキルって何だ?」
「そうですね、【鑑定眼】や【交渉】等で特定レベル以上習得しているかになります」
「分かった」
【鑑定眼】はそれなりに高いので問題ないか。
規定レベルに達していなければ、その時に上げるとしよう。
まず、ランクGの筆記試験。制限時間は、二時間
一問目:Aさんが一個が金貨三枚のリンゴを七個買いました。 支払う金貨は何枚でしょう?
……又か、昨日と同じく小学校低学年レベルだぞ。
二問目:Bさんが金貨六〇枚の剣を購入しました。 金貨一〇〇枚で支払いましたが、おつりはいくらになるでしょう?
……もう嫌だ。簡単すぎるというか、このレベルの問題を真剣に解かなければならないんて!
三~四問目も同レベルの問題。
五分程で解き終わり、「終わった」と告げる。
ロックスは鼻で笑いながら回答を確認するが、悔しそうに全問正解と告げる。
ローラは感心していた。
ランクF、ランクEも同様に小学生レベルの算数だったので、合計の制限時間:六時間。
これも、一〇分掛からずに終わった。
明らかにロックスは悔しがっている。
ローラは、楽しそうだ。
まるで、新しいおもちゃが目の前にあるかの様に、好奇の眼で俺を見ている。
ランクDになり、鑑定士が呼ばれて、試験官として追加された。
ランクB~Dの筆記試験も算数レベルなので問題無く解いた。
指定商品の調達も今迄の旅で得ていた。
ポケットで【アイテムボックス】を発動させて提出する。
ランクD、『クルの実:三個』
ランクC、『ブルックバードの羽根:三枚』
ロックスは、何かの間違いでは無いのかと、鑑定士に詰め寄るが本物なので結果が覆ることは無い。
ランクB、『オークの首飾り:一個』
これは、オークの集落で奪って来たが該当品が分からなかったので、数十個ある首飾りを全て出した。
ロックスは、絶句していた。
「どうして、そんなにポケットから出てくるんですか? 不正してませんか?」
ロックスが、因縁をつけて来た。
「タクトは、【アイテムボックス】のスキル持ちだから、それ位は簡単に出来るぞ!」
「【アイテムボックス】のスキル持ち……」
「これ以上、難癖つけると試験妨害として報告するぞ」
「いえ、申し訳ありませんでした……」
ローラには【アイテムボックス】の事を、出来れば秘密にして欲しいな……
ロックスは、そのまま何も言わなくなった。
権力に弱いタイプだな。
とりあえず、くじ運が良いのか持っている物だったので助かった。
オークの首飾りは、全て該当品だった。
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