第18話 魔王との勝負!
「知りたくば、妾と勝負でもするか? 勝負方法はお主が決めてよいぞ」
ここは引く訳にはいかない。
勝負と言っても、魔王相手に力勝負で勝てるわけ無い。
勝てるとしたら、頭脳戦か……。
「数字の勝負?」
意味が分からない様子だ。
まぁ、当然だろう!
「ルールは簡単だ! 二十を言った方が負けだ」
アルシオーネは首を傾げる。
俺は簡単にゲーム説明をする。
・勝敗は、「一」から数字を言っていき最後の「二十」を言った方が負け。
・一回につき三つまで言える。
「これだけだ! 簡単だろ」
「分かった。こんな勝負で良いのか? 変わっているな」
「先にどうぞ」
先攻をアルシオーネに譲る。
「一・二・三」、「四・五」、「六・七・八」、「九・十・十一」、「十二・十三・十四」、「十五」、「十六・十七・十八」、「十九」を答えると「二十」とアルシオーネが言った。
「はい、負け!」
アルシオーネに負けを伝えると、負けた事を自覚したのか悔しそうに、
「……もう一回じゃ」
再戦を要求するので応じるが、次も俺の勝利。
アルシオーネはかなり悔しがっている。
更に再戦要求して来るので、
「先程の質問にはもちろん答えてもらうが、俺が勝ったらなにか良い事あるのか?」
無意味な勝負をする気はない。
「あの山をやる!」
ドラゴンが生息する山を指差す。
急な事で、グランニールが焦っている。
負けたら住処が無くなるから、当然だろう。
「いや、いらない。そもそも、お前の物かも怪しい」
即答する。
「一回勝つ毎に、お前の
こちらから、俺にとっての最大メリットを提示する
「良いぞ、妾には
……十一だと! 完全にチートだろ!
こっちは交渉した末にやっと八個習得したっていうのに……。
ガルプって神は、バカなのか?
こんな事してれば、世界崩壊して当たり前だろ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
再戦するも、勝負は当然俺の全勝で終わる。
『勝利の法則』を知っている俺が負けるはずがない。
このゲームは『三』『七』『十一』『十五』『十九』を順に言えば必ず勝てる。
たとえ『七』や『十一』が言えなくても『十五』を言えば、最後には『十九』を言って勝利だ。
グランニールが騒がしいので【念話】を使用すると、声を上げる。
(無敗のアルシオーネ様が負けた!)
グランニールが驚いていた。
「うるさい!」
両手両膝を地面につけて、下を向いていたアルシオーネが顔を上げた。
半べそだ。まさに小学生の泣き顔。
手で涙を拭くと立ち上がり、
「タクト! お主はこの世界で唯一、妾に勝った奴じゃ! 誇りに思え!」
……なんで、俺に負けたのに偉そうなんだ。
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