達哉

妻に隠していることは、ほかにもいくつか、あった。仕事上のことだ。いくつも、おとがめが、あり、告発されそうに、なった事件もある。この会社は、この病院は、そんな、病院だった。ラベルや、体裁がよいのは、表向き、だけだった。どんな会社にも、じつに、おもしろい、ドラマや、完璧でない、人間みが、あるもの。まさに、ひとの手で、つくった、会社には、ひとの手の、ぬくもりが、じわっと、染み込んで、温かい。家庭も、また、そうだ。ひとの、ぬくもり 。それを、どう、感じるかが、人生だ。100年の人生のうちには、まさに、いろんなものに、ふれ、いろんなものを、しるだろう。けれど・・・、つまる、ところ、ひと、だ。ひとのさがすゴールは、ひと、である。ひとが、求めるものは、やはり、人だ。患者や、看護師。同僚、医院長。電車に、のれば、何百人もの人と、すれちがう。帰ったら、家庭があって・・・、子供達がいるむかしからの、気の合う、友人もいる。けれど、いつも、じぶんになにか、足りないと、じぶんは、なにか、かけていて、不完全だ、そんな、気がしていた。埋めれば、埋めるほど。財産を、もてば、持つほどに。足りないなにかは、探しにくく。じぶんは、いつまで、たっても、100点満点に、ならない。       でも、達哉は、その探していた、なにかが、彼女のその、かがみの、ような、何も求めていない、何も期待していない、まったく、ムリして、前に進もうとも、しない、その、真っ白な、目のなかに、答えがあるようで、ならなかった。彼女に、聞いてみると、彼女だって、ちゃんと、求めているし、探しているし、あきらめて、いないし、ちゃんと、幸せを、のぞんでいるのかも、しれない・・・・。でも、ただ、彼女のような、無心に、しあわせを、のぞむ、被害者は、しあわせを、のぞんで、そして、そのしあわせを、壊されて、傷つく様子を、みて、たのしむ、加害者にとっては、かっ・・・・こうの、獲物だ。かっ・・こうの、見せ物だ。

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