#3 予知夢
僕は、昔からちょくちょく予知夢を見る。今日はコンビニでプリンが安い、というくだらないに近い夢を見た。
「歩くん!いのりプリン食べたい」
「え、朝から?」
「安いし!」
「けど学校冷蔵庫ないよ?昼までにダメにならないかな…」
「あ~~…んー、けど食べたいし……」
「……帰り、寄ってくか」
「…!うん!」
_けど、 くだらないものが多い中、本当にやばい予知夢を見ることも一、二回あった。
初めて見たときは、友達の母親が別の友達の父親と駆け落ちをする夢。実際に起こってしまってとても残酷で、とてもドロドロな出来事だった。その友達は今もまだ気まずいまま、生きている。
二回目に見たときは、殺人犯に遭遇して身内が殺される夢。これはギリギリで助かったが、あと一秒でも警察の突入が遅れていたら、本当に死んでいたかもしれない。
ただ、そんな夢を見るときには一つ、条件があったと思う。
「歩くん?どうしたの?」
「…え?」
どうやら僕は知らない間に、教室に着いたみたいだ。
「あ、いや…ちょっと考え事してて」
「そっか、よかったー。…ね、もう少しだね、クリスマス」
「あぁ、そうだな」
もう辺りは冬で、いのりが来て半年近くになっていた。
「雨、降らなきゃいいけど…無理かなー…」
「いのりは雨女だもんな」
「そうだよもう…昔はそこまで雨女じゃなかったのにな~」
「クリスマスか…」
…そういえば、あんな予知夢を見るようになったのは、十二月の後半だった気がする。
「…予知夢、見たくないな」
「え?歩くん今何か言った?」
「ううん、何でもない」
「そっか!じゃあまたあとで!」
「うん、またあとで」
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