雨降りの後に

如月捺穂

#0 バスの中

_いつからだろうか。僕は毎朝バスの中で、雨が降るのを願っていた。特別雨が好きなわけではない。ただ雨の日になると、会える気がするからだ。


それは三年前、僕がまだ高校三年生だった頃の話だ。

スクールカーストでは一応上の方にいると思うし、学校生活はわりと充実していた。

そんなある日のこと。僕のクラスに、転校生がやって来た。高校生活最後の年に引っ越しとか、正直可哀想だと思った__その人を見るまでは。

これは、人生に一度あるかないかぐらいの、悲しい物語である。

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