短編を書いてみた。

@sutekinakanbusama

遅い夕焼け

空が真っ赤に染まる頃、僕は丘の上に居た。

特に理由などなくまあ、なんとなく見てみたい景色を求めて上ってみただけだ。

怖い。なんて感情は無かった。ただ、なんとなく物寂しい気持ちのまま自分の町を眺める。

どうしてか、こうしているときれいな夕焼けなはずが胸を強く叩く何かがある。

これが、偉大な自然の力なのだろうか?

もし、それなら今すぐどこか遠くに飛ばして欲しいと願ってしまう。

この町に居るのは、疲れてしまうんだ。

どこか、どこか遠くへ。

ただ、もう遅い。

就職先はこの町の小企業、町おこしに重きを置いている。

大きくなった手からは、ほのかに土の匂いがする。

この土の匂いがする手が、これから何かを作り上げ、守り、引き継ぐ。

ああ、遅いな。遅いんだ。何もかも。

学生時代からの過ちなのだろうか?

それでも、やるしかない。明日には、きっと前をを向いているから…

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