第6話
「テルくーんそろそろ帰る支度してー
ママお迎え来るよー」
「はーい」
「ねぇねぇテルくん
サンタさんになに頼んだ?僕ねブレイドのベルト」
「お願いしたよ秘密ー!」
「なんで秘密なのー教えてよ!」
「教えたらだめって言われたの!」
ほー、ほー、ほー、ほー
「あれ?テルくん支度できた?
テルくーん?
おトイレかな?ねぇテルくんしらないー?」
「知らなーい怒ってどっか行っちゃった」
ほー、ほー、ほー、ほー
なんの鳴き声なんだろ?
人が笑ってるみたいにも聞こえる気味が悪いなぁ
廊下の方かな?
「あ、テルくん
テルくーん支度できたの?」
「先生ー!!」
テルくんが何かに引っ張られたみたいだった
「テルくん?!」
咄嗟にテルくんの手を掴んだ
何かがいたであろう所を覗くとそこには何もなかった
「大丈夫?!」
テルくんの腕には大きな手で引っ張られた黒い痕がついていた
「先生ぇ僕ね嫌だって言ったのに無理やり引っ張られた」
「大丈夫、大丈夫だよ、もう大丈夫」
あれ?保育園にパトカーが来てる
「何かあったんですか?」
「あ、テルくんのお母さん!
今電話するとこだったんですよ」
「テルくんなにかあったんですか?!」
「ママぁ」
泣きながら抱き着いてきた
「テルくんが拐われそうに」
「え?!怪我はない?あぁ良かった」
怪我はないみたいだけど
なにこの手形、、、
「防犯カメラの映像観せていただきましまがそれらしい人物は映っていませんでした」
警察の人は不審者の侵入した形跡はないと言っていた
「大丈夫か?!」
パパが仕事を早く切り上げて保育園に来てくれた
「ごめんね来てもらっちゃって」
「全然大丈夫、それよりテルは?!」
「大丈夫、今落ち着いて寝てるところ
テルくん黒いサンタさんに連れてかれそうになって嫌がったら引っ張られたんだって
ちょうど先生が引っ張られたとこ見てて
助かったんだけど」
「そうかぁ、で?どんなやつだったんだ?」
「わからないんだって」
「わかんないって?引っ張られるところ見たんだろ?」
「テルくんの手を掴んでその先を見たらもう居なかったんだって」
「そんなバカな」
「警察の人も手形は人が掴んだあとに違いないって
でも不審者が侵入した形跡はないって」
「はぁー?なにがどうなってんだよ」
「ねぇ、パパ!おかしいよ、なんか変だって」
「確かにおかしい」
「今日お医者さんにも聞いたの
イマジナリティフレンドじゃないかって言われたよ
でも想像の人が手形なんてつけれる?!
テルくん誘拐されちゃうの?」
「誘拐なんてされるもんか
俺が守ってやるさ」
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