第3話

「なぁママ?」


「なにパパ?」


「テルにサンタさんになにお願いしたか聞いたんだよ」


「あーなんだったなんだった?」


「それがさぁ内緒にしろって言われたって教えてくれないんだよ」


「えー誰に?」


「炭をくれたサンタさんに言われたって」


「えーなにそれ

テルくんサンタさんに手紙書いてたけどどこやったんだろ」


「それ見つけようぜ

あれは教えてくれないぞー

でさそのあとなんだけど何かに引き付けられてるみたいにどんどん森の奥行っちゃってさ

手掴んで止めたんだよ

そしたらその手が炭でよごれたみたいだったんだよなぁ


昨日のサンタさんに呼ばれたって」


「ええ、なんかちょっと怖い」


「なぁ、ちょっと怖いだろ

でも俺がくすぐったから怒って嘘ついたのかも

子供ってそんなもんだろ?」


「たしかにそうね

明日手紙探してみるね」



ー翌日ー



「テルくんお迎えきたよー」


「あ、ママー」

天使のような笑顔で飛び付いてくるテルくん

「今日はお買い物して帰ろうね」

あれ?手に絆創膏してる


「あのテルくんのお母さんちょっといいですか?」


「はい?どうしました」


「あの今日テルくんお友達と喧嘩しちゃって

すみません」


「え、いや、こちらそこ

相手の子は怪我とか大丈夫ですか?」


「あ、それは大丈夫です

ただテルくんの手に爪でひっかき傷ができちゃって

二人はもう仲直りしたんですけど」


「そうだったんですか、すみません

なんで喧嘩に?」

「これテルくんが書いた絵なんですけど

今日サンタさんを書いてくださいって言ったら

テルくんのだけ

真っ黒なんですサンタさん

それでお友達とサンタさんは赤だよって喧嘩になって

私聞いたんです

なんでテルくんのサンタさん黒いの?ってきいたら

家に来たサンタさんは黒いんだって」


「家に来たサンタさんっていったんですか?」


「そうです、なにか心当たりはありますか?」


「いやぁ」

黒いサンタさんって炭をくれたサンタさんのこと?



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