第14話 連携
- 神戸某所、バー・ジャストフィット -
「泉さん。惜しい人を亡くしましたね?」
「せやな。剛造くんにはもっともっと楽しい事が待っていたやろうに。」
「泉さん、次は僕が行こうと思っています。僕のマイルカントリーで必ずやつを!」
「赤井くん、実はその事でひとつ提案があるんや。」
「なんですか?」
「剛造くんのロッド、ゴーゾースティックは知っての通りまさしく剛竿やった。しかし、一瞬で粉砕されたと聞いた。」
「ええ。だからこんどは僕のマイルカントリーの柔の力で!」
「そこなんや。おそらく、君のマイルカントリーもある程度通用するかもしれへん。でも、剛の力も必要になるんやないかな?」
「なるほど。確かに。」
「おそらくは君のマイルカントリーである程度勝負できるやろう。でも最後必ずピックアップの場面で柔では堪えきれなくなると思うんや。」
「そうかもしれませんね?」
「最後の最後でわしのパイソンの剛の力を合わせれば、必ずヤツを仕留められると思う。せやから、今回は君と俺とで共闘してくれへんか?」
「かまいませんよ!泉さんがそこまで仰るのなら、一緒に戦いましょう!そして必ず剛造くんの敵を討ちましょう!」
「ああ、必ずヤツを倒そう。剛造くんに。」
「剛造くんに」
チン、
剛造くんに献杯を捧げたマッカランを一気に飲み干し、僕と泉さんは、天竜湖へと向かった。
”クッソー何が起こった??僕は確かにヤツの力をねじ伏せていた筈。マイルカントリーは完璧に仕事をしてくれていた。なのに何故?あと少し、ほんのちょっとのとこだった筈だ?泉さんのパイソンも完璧だった。なのに何故??”
ゾクっ。。。
何かの気配がした
次の瞬間
フッと泉さんの体が軽くなった。
僕が振り返ると、泉さんの下半身が消えていた。
何故だ?ヤツはまだ水の中にいるはず?
なのに何故そこにいるーーー!!!
まっ、まさか?
そのまさかであった。確かに僕らが対峙していた怪物は水面から頭を覗かせていた。じゃ、今、僕の真後ろにいるのは???
クッソー!やられた!怪物は2匹いたのか!総ての謎が解けた。やはり僕と泉さんは、ヤツに勝っていたんだ!
この事を仲松くんと飯見さんに伝えなければ!このままでは誰もヤツには勝てない!
ガっツン!
いっ…、足に火を押し付けられたような感覚に襲われた。
間違いなく、ヤツは僕の右足に噛みついている。
あと少し、あと少しで洞窟なのに…。
「なっ、なかまつくーーーん!」
「飯見さーーーーーん!!」
”くっそー…。もうダメだ…。これで僕もお終いか…。”
たっ、頼んだぞ、僕のトローチ。この事を飯見さんと中松君に知らせてくれ!
これが僕の最期のキャストだ!
ビューーーン!!!
バキバキ、グシャグシャ、ゴリゴリ、
ゴっクン!
………………。
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