第7話 偵察

ガシッ!!


 咄嗟に剛造さんの元へ駆け寄ろうとした僕は誰かに止められた。


「あ、あなたは?」

「僕?僕は綾野均。千葉の蕎麦屋」

 -そばはち店主 綾野均 -

(千葉の蕎麦屋そばはちの店主。実はフロッグマンの正体は彼である。この話はまた後程。)


「はっ、離して下さい!剛造さんを放っては帰れません!」


「今行っても君があーなるだけだよ?それよりも君には剛造さんに託されたことがあるだろ?」


「うううっ、剛造さん……。」


「分かったら早く逃げるんだ。」


「でもライギョマン達になんて、どこで会えるのか僕には分かりません…。」


「南千葉のスローイングって釣具屋に行ってごらん。そこの冨樫店長、通称トガテンを頼りな。」


「トガテン?」


「そう。彼ならライギョマン達へのコネクションが豊富なはずさ。」


「わかりました。ありがとうございました。」


 僕は後ろ髪引かれる思いで天竜湖を後にした。


「綾野くんも人がいいね~?でも、剛造くんには悪いけど、いいデータが取れたよ♪」


 - 田森正晴 -

(ロメオトラスト代表、関東で人気をはくす999999シックスナインの産みの親)


「そうですね。今の6パワーでは歯が立ちませんね?」


「うん。これから帰って新しい竿の開発だ。」


 チラっ。対岸に目をやる田森。


「おっと、お客さんは僕らだけではなかったようだね。まあいい、さあ帰ろう。」


- その頃、対岸では -


「あーあ、力に力で対抗しようとしてどーするの?でも、見ておいてよかった。こりゃ赤井くんでも厳しいかな?」


 - 仲松宏樹 -

(Bトラスト代表、彼のプロデュースしたブリッツェンはあまりにも有名。)


「ですね。柔よく剛を制す。」


 - 来栖拓也 -

(フルハウス代表、仲松からの信頼が厚く、仲松ロッドのチューニングを任されている。)


「ブリッツェンだけだと心元ないから、念のため新しい竿もテストしようと思うんだよね?多部くんお願いね。」


「わかりました。」


 - ルアーショップ小野 店長多部 -

(言わずと知れた、ザ・ライギョロッド、ウィードヘッドマスター統括責任者)


「今度は短いのを試したいな?来栖くんもブリッツェンのブラッシュアップお願いね。さ、帰ろう。」

「「わかりました!」」




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