第41話女神様:女神を騙すとかなに考えてるんですか!

 ギルド受付嬢から私達がスケルトン祭り暫定二位になった事を聞いた後、ギルドの酒場で夕飯を食べつつ今後の事について話をしていた。


「まさか祭りに参加してる自覚も無いまま、暫定二位になるとは……」


「……えぇ、本当に驚きましたね」


「まぁ、何よりもあのでっかい骸骨倒したのが良かったんだけどね」


「そうですね。私もあの戦いでレベルMAXになれましたし」


「あっ! そっか、もうアリシア輪廻出来るんだっけ?」


「はい、でも輪廻ってどうやるんでしょう?」


『女神様:輪廻は神殿に行って行います』


 クラリスにお願いするの?


『クラリス:私じゃないわ』


 じゃあ誰?


『女神様:それは……』


『ティリス:先輩。イシス様お連れしましたよ! 後、ブリギット様も来てくださいました』


 ブハッ! 本物? その二人ってケルトとエジプト神話のビッグネームじゃないのか!?


『女神様:えぇ、本物ですよ』


 私でも知ってるんだけど?


『女神様:まぁそうでしょうね』


 なんでそんなビッグネームがこんな所に居るの!?


『『イシス&ブリギット:だってこっちの方が面白そうだから』』


 お前らもか! やっぱ類友じゃん!!


『イシス:てへ』


 あっ、殴りたい……。


『女神様:まぁ落ち着きなさいハクア、イシスはこの世界では輪廻を司っているんですよ』


 ほう、イシス……ね?


『女神様:ふふっ、何か?』


 別に、それじゃあもう一人は?


『ブリギット:私はこの世界でも鍛冶の神をやらせて貰ってる』


 鍛冶神?


『ブリギット:あぁ、私は鍛冶の神だからなドワーフには良く信奉されているよ』


 ならコロも信奉してるのかな?


『ブリギット:あぁその子ならここ最近では一番熱心に私に祈りを捧げてくれる子だよ』


 そうなんだ? あれ、もしかしてこの世界それぞれの種族に対応した女神居ないよな?


『女神様:…………』


 黙るなよ駄女神!


『女神様:だ、誰が駄女神ですかいい加減にしなさい!』


 なら答えてみなよ。


『女神様:まぁ無くはないかもしれないかも知れませんね。絶対とは言いませんが……』


 今絶対顔を背けてるでしょ。


『女神様:ふうっ、な、何を馬鹿な。根拠も無くそんな事を言うのは感心しませんね……』


 いや、見えてるよ?


『女神様:嘘!?』


 うん、嘘。


『女神様:女神を騙すとかなに考えてるんですか!』


 うっさいボケェ! はぁ、面倒だけどまぁいいか。


『イシス:ハクア。貴女の仲間のエルフ達を連れて来なさい。私がここで直接輪廻させてあげるわ』


『ブリギット:あぁ、次いでにドワーフの子も連れてきな。私も一度会って話をしたかったんだ』


 そうなの?


『ブリギット:アンタみたいな特殊な事が無いと、普通こうやって話すなんて出来ないからな』


 なるほどね。了解ちょっと待ってて。


 そう言って私は再び現実に戻る。


 とはいっても時間も全然経ってないし、瞬きの内に話をしてる位だし、全然戻って来たって訳でもないけどね。


「アリシア、コロ、エレオノ三人とも私の手に触れて」


「「「へっ?」」」


「また行く」


「えぇ、またですか?」


「私も職業MAXだったっけ」


「行くってどこかな?」


「アクアも行く?」


 凄い勢いで首振ってるな~。一応モンスターだし女神に会うのは嫌なのかな?


「めんどいゴブ」


 正直者! 面倒なだけなのね!?


「まぁいいか三人とも手」


 そう言って手を差し出すと二人とも手を握って来る。


「目を瞑って」


「はい」


「うん」


 そして私は再び女神どもがたむろする謎空間に行く。


「三人とも目を開けても良いよ」


「え、えぇ! こ、ここどこなのかな!?」


「コロ、ここは女神様方がいらっしゃる特別な空間ですよ」


『ブリギット:コロナ・ハグナスお前は私がハクアに頼んで連れてきてもらった』


「ふえ、そ、そのお姿はブリギット様!」


 コロはいきなりの事に驚いている。さもありなん。


 とはいえあれがブリギットか~。


 私の目の前に居る鍛冶神ブリギットは、燃えるように赤い髪を腰まで無造作に伸ばし、眼光鋭く、挑戦的に嗤うかのように口を歪めていた。


 なんだろう? 女神と言うよりアマゾネスって感じのワイルドさだな。


『ブリギット:話に聞いていた通り失礼な奴だな』


「勝手に人の心を読まないで貰おうか?」


『ブリギット:えらそうだな!?』


『ティリス:ハクアさんですから』


『クラリス:ハクアだもの』


 なに、声揃えて言ってんのこの駄女神共。


『『ティリス&クラリス:まあまあ』』


『ブリギット:まぁいい、それよりコロナ。お前は普段から私の事を熱心に信奉しているな』


「は、はい。ボクも鍛冶師の端くれなので、ブリギット様に祈りを捧げるのは当たり前の事です」


 語尾のかな……が、抜ける……だと!? コロさんキャラクターは大事にしようよ!?


『ブリギット:ふふっ、そうか最近は祈りなど形式になっている職人が多いからな、コロナお前の才能は私が保証しよう。これからも精進するんだぞ』


「は、はい」


『ブリギット:あぁそうだ。お前にこれを渡そうと思ったんだ』


「こ、これは」


『ブリギット:私が作った鍛冶用の鎚だ』


「い、頂いても良いんですか」


『ブリギット:あぁ、使ってやってくれ』


「あっ、ありがとうございます」


 うんうん、良かったねコロ。


『ブリギット:どれ、ハクアちょっと来い』


「犬みたいに呼ぶなよ!」


『ブリギット:まぁそう言うな。私もお前のファンだからな。今回のボス撃破も良かったぞ。最後のあれはなんだったんだ?』


「あぁ、崩拳は地球のみたく気を打ち込むのじゃなく、システム的な攻撃力のブーストみたいだったからさ、打ち方さえ同じなら武器を持ってても発動出来ると思ったんだよね。後はスキル無いけど魔法剣の要領だよ」


『ブリギット:ふふっ、本当に面白い奴だ。腕輪を見せてくれ』


 今度はなにも言わず素直に腕輪を見せると、ブリギットが手をかざし腕輪に光を注ぐいく。


 すると腕輪が光を放ち──。


 ▶鍛冶神ブリギットの力がゼーゲンの腕輪に注がれゼーゲンの腕輪+1に強化されました。


 おおっ。


『ブリギット:餞別だ。これからも頑張ってくれ、楽しみにしている』


「ありがと」


『ブリギット:それから私達もチャットに参加して行くからな』


 何処まで増える女神共!?


『ブリギット:さあな?』


「そういえば武器や防具の設定てあんたがしたの?」


『ブリギット:そうだが』


「じゃあ、女の子の装備が可愛くて露出あると防御が高いのは?」


『ブリギット:ふっ、愚問だなハクア。そんなものはただの趣味だ!』


 その一言に私はおもむろに手を差し出すとブリギットも私の手を握ってくる。


『ブリギット:これからも期待していてくれ』


「楽しみにしているよ! ブリギット!!」


『ブリギット:あぁ任せろ。そうだ、いい忘れていたがコロナ。製作に行き詰まったり何か相談したい事があったら、ハクアに頼めば私に繋がる。何時でも相談してこい』


「はい! ブリギット様」


『イシス:話は終わったようね』


『ブリギット:あぁ、悪かったな』


『イシス:アリシアいらっしゃい』


「は、はい!」


 ふむふむ、あれがイシスか……。


 銀髪のストレート。長さはブリギットと変わらないけど、印象は丸っきり逆で静と動って感じで違うな。


 それに豊穣の女神って言われるだけあって、クラリス並の胸部装甲持ち。凶悪だ……。とはいえ全体的な印象は正に女神って感じで、清楚って思う。


 まぁ「てへ」とか言うくらいだからな茶目っ気はあるんだろうけど、……こんな世界に居るくらいだし。


『イシス:それじゃあ今から貴女の事を輪廻させるわね』


 イシスはそうアリシアに語り掛けながら頭に手を置く、その瞬間アリシアの体が光り直ぐに収まる。


「これは、凄いです」


 え、何が? 何か変わったのか? おい、エフェクトやイベントのオートスキップ止めろよ。それとも制作の手抜きか?


「なんか……今まで以上に強くなれたと実感出来ます」


「へぇー、そんな風に実感出来るんだ」


『イシス:次はハクア。私も貴女の腕輪に力を与えるわ』


 そう言ってイシスは私に近付き手を翳す。


 するとブリギットの時のように光が腕輪に注がれる。


 ▶転生神イシスの力がゼーゲンの腕輪に注がれゼーゲンの腕輪+2に強化されました。


『イシス:これで私とも何時でも連絡が取れるようになるわ。輪廻したい時は何時でも呼びなさい。別にハクアがどうしてもと言うなら世間話位付き合ってあげるわ』


 ……おや? これはもしかして?


『女神様:イシスはツンデレ属性です』


 と、駄女神が私に耳打ちしてくる。


 やっぱりかい! 女神ってキャラ濃くないと勤まらないのか?


『女神様:いえ、そんな事は…………ない……です……よ?』


「自信持てよ」


『クラリス:エレオノ、コロナもクラスを変えるのよね? 何にするのかしら?』


「あ~、ハクアどうしよ?」


「エレオノの好きにしていいよ」


「そう? じゃあ私は騎士に」


「へっ? 魔術師じゃないの?」


「うん。そうしようと思ったんだけど、私ももっと強くなりたいからその為にまずは近接からかなって」


「そっか、ありがと」


「魔法剣士なんてなろうと思えば直ぐになれるしね」


『クラリス:ふふっ、分かったわそれじゃあ変えるわね』


 クラリスはエレオノの頭に手を翳すとクラリスの手に光が灯り、アリシアのように一瞬エレオノが光ると消えていく。


 やはり手抜き感……。


『クラリス:終わったわよ』


「ありがとうございますクラリス様」


『クラリス:次はコロナね』


「は、はい。ボクは鍛冶師になりたいです」


「ん? そんなんもあるの?」


『クラリス:えぇあるわよ。特殊な条件でなれるクラスの一つね』


 へぇー。そうなんだ。


『クラリス:鍛冶師や錬金術師はそもそも最初にスキルが無いとなれないのよ』


「でもコロって鍛冶スキルあったよね?」


「ボクはお父さんに反対されてたからクラス取れなかったかな」


 あ~、なるほどね。


『クラリス:サブはどうするの?』


「えっと、そっちはいいです」


 サブ?


『クラリス:生産職系のクラスにするとステータスが下がるのよ。だから大体が冒険の時にクラスを付け替えるの。一度取ってしまえば自分で変更も可能なのよ』


 なるほど、まぁコロはステータス高いから大丈夫でしょ。いざと言う時は戦士に変えればいいし。


『クラリス:分かったわ。それじゃあ──はい。これで貴女は今日から鍛冶師よ頑張りなさい』


「は、はい」


「う~ん、皆固いな~、もっとリラックスすればいいのに」


「「「無理です」」」


『女神様:誰も彼もが貴女のように不届きではないんですよ』


 うっさい、駄女神!


『女神様:また言った!?』


 まぁいいか、皆ありがとね。また今度。


『ほぼ全員:頑張ってね~』


 あの女神共軽いわ~。


 女神達の別れの挨拶を聞きながら私は目を開ける。


「おねちゃん、おか」


 アクアさん最近少しギャル入ってません?


「ふわっ、も、戻ってきたのかな?」


「はい」


「そうみたいね」


「お疲れコロの自宅に帰ったらステータス確認しよう」


「も~! 凄くびっくりしたかなハクア」


「お、おうごめんなさい」


 思わず素で謝ってしまった。


「でも、ありがとかな! お陰でブリギット様とお会い出来てこんな物まで頂けたよ」


「良かったねコロ」

 、

「うん」


 ギルドで食事を済ませてからコロの自宅に帰ってきた私達は、ステータスを確認してから今後の方針について話す事にした。


「じゃあヘルさんよろしく」


 〈分かりましたマスターまずはアリシアです〉


 名前:アリシア・アールヴ

 レベル:1/25

 位階:2

 性別:女

 種族:エルフ

 クラス:森呪使いLV.8

 HP:380→450

 MP:420→500

 物攻:75→90+30

 物防:93→110+40

 魔攻:250→280+10

 魔防:240→270

 敏捷:85→115

 知恵:360→400

 器用:170→200

 運 :30→35

 武器:狩人の弓

 副武器:疾風のナイフ

 防具:森人の狩服、鋼の胸当て、革の手袋

 アクセ:功魔のピアス

 魔法:

 暴風魔法LV.1→LV2、土魔法LV.5→LV6

 火炎魔法LV.2→LV3、水魔法LV.5→LV6

 除去魔法、呪魔法LV.3→LV4、範囲魔法

 魔法名:

 ウインドブラスト、ウインドカッター

 フレイムブラスト、フレイムランス

 ウォーターウォール、アースクリエイト、クオリア

 武技:

 狙い撃ち

 ユニゾン:

 ボルケーノ、インフェルノ

 レゾナンス:

 ゲイルテンペストLV.8

 称号:

 奴隷、しもべ、王家の血筋

 強敵打破ジャイアントキリング、魔族殺し

 スキル:戦闘系スキル

【魔闘技LV.3】【魔弓LV.1→LV2】

 技能系スキル

【薬草調合LV.7】【思考加速LV.1】

【料理LV.6】【野生LV.8】

 ステータスUP系スキル:

【剛力LV.5】【堅牢LV.5】

【魔術LV.6】【魔坑LV.5】

 スキル補助系

【魔法の天才LV.7】【魔法の技巧LV.7】

【弓のコツLV.5】

 攻撃ダメージUP系

【魔力覚醒】

 補助、その他スキル

【精霊契約】【速攻魔法】

【MP消費緩和LV.6】【MP効率upLV.5】

【魔力操作】【無詠唱】

 スキルポイント1900


「うわ、軒並み上がってる」


 エレオノの言う通り本当に凄いな! コレもう私働かなくても良いんじゃね?


「これでますますご主人様のお役に立てます」


「うん、頼りにしてる」


「はうっ、ご主人様」


 なぜかアリシアが私に抱き付いてくるのでとりあえず頭を撫でながら柔らかさを堪能する。


 役得です。


 〈はぁ、次はエレオノですね〉


「……うん、よろしく」


 何故テンション下がってるの?


 名前:エレオノ・アノマリス

 レベル:16/20

 位階:1

 性別:女

 種族:半吸血鬼ダンピール

 クラス:戦士MAX→騎士LV1

 HP:550→570

 MP:190→190

 物攻:190→185+40

 物防:140→155+60

 魔攻:74→70

 魔防:129→140+10

 敏捷:145→140

 知恵:165→165

 器用:161→165

 運 :65→65

 武器:鋼の剣

 副武器:ミスリルバックラー

 防具:戦士のインナー、玉鋼の胸当て、ミスリルの籠手

 アクセ:魔防のピアス

 魔法:

 火魔法LV.1

 武技:

 四段突き新、パワースイング、連撃

 ブラッドソード、真空斬り

 レゾナンス:

 アイシクルクロスLV.4

 称号:

 僕、英雄の資質、半吸血鬼

 強敵打破ジャイアントキリング、魔族殺し

 スキル:戦闘系スキル

【魔闘技LV.5】【鉄壁(新)】

 技能系スキル

【直感LV.3】【受け流しLV.3】

【見切りLV.5】【盾術(新)】

 ステータスUP系スキル:

【剛力LV.7】【堅牢LV.5】

【魔術LV.2】【魔坑LV.4】

 スキル補助系

【剣の天才LV.4】【剣の技巧LV.6】

 攻撃ダメージUP系

【剣技攻撃力up】

 補助、その他スキル

【MP消費効率upLV.3】【背水】

【多勢無勢】【学習】【日光無効】

【レゾナンスLV.4】【言霧】【吸血模倣】

 スキルポイント1500


「あっ【鉄壁】と【楯術】が増えてる」


 〈【鉄壁】は使う事で一時的に防御力を3倍にする事が出来ます。その代わり効果は大きいですが、効果は20秒で動く事で自動的に解除され、再度使用するためには5分掛かります〉


「それじゃあ、あんまり使えないかな?」


「そんな事は無いよ。大きい一撃を耐えたい時は使えるしね」


「そっか……そんな風にも使えるんだ……」


 〈【楯術】は楯を装備している時に敵の攻撃を楯で防ぐとダメージを20%軽減出来ます〉


「わっ、凄い」


「うん、楯の防御も頑張んないとね」


「うっ……、はい……」


 〈最後はコロナです〉


「よろしくお願いしますかな」


 名前:コロナ・ハグナス

 位階:1

 レベル:13/20

 性別:女

 種族:ハーフドワーフ(エルフ型)

 クラス:戦士MAX→鍛冶師LV1

 HP:675→650

 MP:170→180

 物攻:265→250

 物防:264→245

 魔攻:65→55

 魔防:105→95

 敏捷:155→155

 知恵:215→215

 器用:290→320

 運 :60→60

 武器:破壊の戦斧

 副武器:なし

 防具:職人の服、鉄鉱石のガントレット、鉄鉱石の胸当て

 アクセ:石化防止のピアス

 魔法:

 風魔法LV.3、土魔法LV.6

 魔法名:

 ウインドカッター、アースクリエイト

 アースクエイク

 武技:

 ラッシュ、破壊の一撃、トマホーク

 称号:

 強敵打破ジャイアントキリング、幻想へ届きし者

 スキル:技能系スキル

【集中LV.8】【直感LV.3】

【罠師LV.6】【会心LV.7】【鍛冶LV.7】

 耐性系スキル

【土耐性LV.4】【風耐性LV.4】【頑強】

 ステータスUP系スキル

【剛力2LV.1】【堅牢2LV.1】

 スキル補助系

【斧のコツLV.3】

 攻撃ダメージUP系

【背後攻撃LV.7】【格闘LV.4】

 属性スキル

【破壊LV.5】

 補助、その他スキル

【鍛冶師の天才(極)】【危機察知LV.3】

【魔剣錬成】【幻想錬成(無)】【根性】

 スキルポイント900


「うっ、軒並み下がっちゃったかな」


「大丈夫だよ」


 それでも十分強いし。


「ごめんなさい」


「それより鍛冶師になってもスキル増えないんだね?」


「鍛冶師や彫金師、錬金術師みたいな生産職は特にそういったのは無いかな。その代わり物を作る時そのクラスに応じた物にボーナスや成功率が付くかな」


 へぇー、つまり良いものが作りやすくなったり、パラメータが良くなるんだ。


 〈とりあえずはこんなものですね〉


 ありがとヘルさん。


 〈いいえ、大したことではありません〉


 ヘルさんにステータスを見せて貰った後、私達は再び祭りについて話を始めた。


「最初に確認したいんだけど」


「確認って何ハクア?」


「祭りに参加して楽しみたい。それともなんとしてでも優勝したい?」


「……私は、……私は勝ちたい。勝ってお母さんの使っていた武器を手にいれたい! でも、それで皆に迷惑も掛けたくない……」


「迷惑なんて思わないですよエレオノ。だからご主人様、私も優勝を狙いたいです!」


「やるなら勝つ。ゴブ」


「ボクも精一杯頑張るかな」


「皆ありがとう」


「じゃあひとつ提案」


 皆が優勝を目指したいと言うので、私はニヤリと嗤って自分の考えについて話し始めた。


「……ご主人様良くそんな事考えますね」


 うわ、呆れられた!


「でも、ズルじゃないよ」


「う~ん、確かに……」


「鍛冶師の意見として言わせて貰えば、確かにそのやり方なら物凄く簡単だと思うかな」


「はぁ、それじゃあ方針はそれで行きましょう」


 アリシアは呆れながらもそう言ってくれた。


「じゃあ明日から頑張ろう」


「「「オー!」」」

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