第20話ああ、死ぬかと思った
「さて、どうしよっか?」
私達は今エルムの村から10キロ程離れた森の中にいる。何故私達がこんな所に居るかと言うと───。
まぁ私が吹っ掛けてこうなってんだよね~。
「えっと、ギルドの受付嬢さんの話によると、この近くの集落の近くにゴブリンが姿を現したそうです。数は二匹、その時は男手があったらしく追い払う事が出来たそうですが、何か起きる前に退治して欲しい。と、言う依頼のようですね」
「ばしょは、このあたりだよね?」
「はい。その筈です。ギルドの情報が合っていればですけど───」
アリシアにしては珍しく棘があるな~。まっ、しょうがないかあれは私もイラッと来たからね!
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「こちらが貴女達を監視する観測者のダンケルです」
受付嬢さんが一人の男を紹介する。
「よろ」
「よろしくお願いします」
「ゴブ」
「はぁ~、なんで俺がガキのお守りなんてしなくちゃならないんだ」
「仕事です。我慢して下さい」
うん。やる気ないうえに態度クソ悪いなコイツ。
「えと、よろしくお願いします。ダンケルさん、私はアリシアと言います。そしてこちらが───」
「必要ない。それよりゴブリンに襲われる位なら俺のものにならないか?」
「なっ!? 貴方───」
「いい、しごとだから、よろしく」
「ふん! まぁ、精々頑張るんだな。もし全員ゴブリンの餌食になったら楽しく鑑賞してやるよ」
『流石に気分が悪いですねby女神』
あぁ、初めて意見が合ったわ同感だね。
「いこう」
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こうして私達は最悪な顔合わせとなったとさ。
いやまあでも、アリシアがここまで機嫌悪いの出会ってから初めてだね。
「アリシア?」
「なんですか? ご主人様?」
明らかに不機嫌なアリシアに話し掛けると、努めて普通な感じで返すが、そんなアリシアにアクアの方を指差し。
「アクアが恐がってる」
「えっ、あっ!?」
「ゴブ~~」
「ご、ごめんなさいアクア」
そんなアクアを見たアリシアは、恐がらせた事を本気で申し訳無く思ったのかアクアを抱き締めながら謝る。
「うう~、幾ら嫌な思いをしたからって態度が悪かったです」
「だいじょぶだよ」
〈マスター。ゴブリンが見えました〉
ヘルさんの声に私達は気を引き締める。
「何匹いる?」
〈四匹居ますね〉
やった~。早速数が違うよ!?
「……あのギルド。ダメなんじゃないですか?」
「そうかも」
まだ他にもいそうかな?
〈分かりません……が、数が増えているという事は、近くの集落から娘を拐って来ている可能性もあります。職員の話によると、依頼を出されたのが三日前ですから、もしかすると十匹位になっているかも知れません〉
「誰かが捕まって居るのなら早く助けてあげたいですね」
確かに。ついでにゴブリン♀が居るなら仲間にしたいかな。
〈そうですね。私達が考えた通りなら進化すればあまり人と変わりませんからね〉
「それで作戦はどうします?」
「とりあえず、アリシアと、アクアのまほうでせんせいこうげき。そのあとはわたしがぜんえい、アリシアがまんなか、アクアがこうえいで、かいふくようのMPを、のこしながらこうどうする」
「分かりました」
「ゴブッ!」
〈アクアには私が指示を出して行動してもらいます〉
「ゴッ、ゴブッ」
よろしくヘルさん。
「アクアもヘルさんのいうこときいてがんばって」
「ゴブッ!!」
うん、いい返事だ。
「じゃあいこっか?」
「はい」
「ゴブッ!」
こうして私達の戦いが始まった。
「行きます」
「ゴブッ!」
「ファイアアロー」
「ウインド、カッター!」
アリシアとアクアが先制して魔法を放つ。
アリシアの魔法は火魔法の貫通特化の炎の矢。アクアの魔法は風魔法の斬属性のウインドカッターだ。
これは他にもゴブリンがいた場合、なるべく他のゴブリンにバレないようにするためだ。
「ギギ」
「ギガ」
「ギギ~」
二人の魔法で一気に三匹のゴブリンが倒れた。
やっぱり、アクアの魔法でも一発で倒せるのか。
そして私は最後の一匹に向かって行く。いきなり自分の仲間が三匹倒されたゴブリンは予想通り慌てている。
【鑑定士】スキル成功
ゴブリン
レベル5
HP:200/200
MP:0/0
物攻:17
物防:17
魔攻:0
魔防:0
敏捷:20
知恵:5
器用:10
運 :5
おぉ、初めて成功した! うれしいけどスキルとかは出ないんだね?
〈いいえ、スキルも魔法も出ます。しかし今回はどちらも無いため出ませんでした〉
そうなんだ? ならいいか。
「わたしがやる。ぞうえんがあったらよろ」
「はい」
私は気を引き締め直し、ゴブリンに先制攻撃の【マヒ爪攻撃】を放つ。
「ギギ!」
ゴブリン
HP:140/200
MP:0/0
マヒまではしないようだけど、いい感じに入ったみたいだ。
ゴブリンは棍棒を振り上げながら向かって来る。そんなゴブリンを正面に据え、私はナイフを抜き相手をよく見て、攻撃を避ける為構える。
ゴブリンは間合いに入ると、直ぐに棍棒を上からまっすぐ振り下ろしてくる。
「ギガッ」
私はゴブリンに向い左側へ避けながら、カウンター気味に左腕を切り裂きそのまま駆け抜ける。
その動きを見たゴブリンは、振り下ろした棍棒を跳ね上げるように横に振り回し攻撃を仕掛けてくる。
それをバックステップで躱すと同時にゴブリンに向かってナイフを投げつける。
慌ててナイフを避けるゴブリンは、そのままバランスを崩し棍棒がスッポ抜ける。
危なっ!? 偶然の攻撃とかは恐いな。予想が出来ない分避けられない可能性が高い。
棍棒を避けた私は、慌てて立ち上がるゴブリンの背中に【麻痺崩拳】を放つ。
「ギッ」
ゴブリン
HP:20/200
MP:0/0
ラッキー! 麻痺が入ったみたい!
私はアリシアから借りていたナイフを手に取り、うつ伏せに倒れているゴブリンの心臓を刺し貫く。
「ギギッ! ギ、ガ……」
〈終りました〉
▶ハクアのレベルが2に上がりました。
HPが205に上がりました。
MPが100に上がりました。
物攻が29に上がりました。
物防が29に上がりました。
魔攻が33上がりました。
魔防が33に上がりました。
敏捷が60に上がりました。
知恵が185に上がりました。
器用が125に上がりました。
運が45に上がりました。
【麻痺毒LV.1(新)】習得しました。
【会心LV.2→LV.3】になりました。
【麻痺崩拳LV1→LV.2】になりました。
スキルポイントを5獲得しました。
▶アクアのレベルが2に上がりました。
おっ、レベル上がった。しかもスキルのお陰で物攻、物防が今までの二倍位上がってるな。
今まで私の貧ステでフロントやるのは不安だったけど、これならなんとかなるかも!
〈そうですね。スキルのお陰でこれからは物理の方が高くなりそうですね〉
でもやっぱり、前よりもレベル上がるのに時間が掛かるね?
〈マスターが倒した個体以外は、レベル1で生れたてばかりだったのでしょう。それに、やはり以前より必要経験値は多いようですね〉
まぁ同じレベル1でも、前より上位個体だからしょうがないか?
「【麻痺崩拳】いい感じでしたね」
「うんMPもいまのところ20つかうけど、わざのでや、こうちょくもすくないからつかいやすい。それに【ゴブリンキラー】もあるしね」
「しかもあのゴブリン。全く動けなくなってませんでしたか?」
確かにそうなんだよね? 私のマヒ効果は痺れる程度じゃなかったっけ?
〈スキル名が麻痺のものは、最初にマスターが思ったような動けなくなる効果のようです〉
「それなら、MPを20使う価値が在りますね」
確かに、しかも【マヒ爪攻撃】とかだとあんまり気が付かなかったけど、この世界の技系スキルは使うと、動きにアシストが入るみたい。
感じとしては、アクションゲームの必殺技使う感じかな。
コマンド入れると、そこから決まったモーションが起こるような感じで、体が勝手に動いてくれるから、それに逆らわなければ自分で動くより早く強く攻撃出来るしね。
この辺は本当にネトゲみたい。
〈マスター。早く魔石をとってしまいましょう〉
どうやって取れば良いの?
〈魔石の取り出し方は直接取り出すか、もしくは冒険者ギルドで受け取ったアイテムを使います〉
「そう言えば貰いましたね? その後の事ですっかり忘れてましたけど」
うん、まだ棘があるね。でも確かに貰ったっけ? 何に使うか分からなかったけど。
〈そのアイテムはソウルテイカーと言って、モンスターの死骸に向って箱の上部の窪みを押すと、魔石を自動的に取り出し、中に保管する事ができます〉
へ~、そんな便利なアイテムだったんだ。
『私が作りました!!byティリス』
本当に二人目まで混ざって来た!?
〈賑やかですね〉
あんまり嬉しくないけどね!? え~、女神ってもしかして全部ストーカー気質なの?
〈言い忘れていましたが、ギルドの職員も言っていた通り、魔石を取り出すと灰になってしまうので、先にマスターのスキルを使って下さい〉
あ~、そう言えばそうか、じゃあ先にやらないとね。ヘルさんダンケル何処に居る?
〈マスターの後方5キロにいます。アリシア達を壁にすれば見えない筈です〉
ゴブリンは私がヘルさんと話している間に、二人が一ヶ所にまとめて置いてくれた。私はアリシアとアクアに目配せして壁になって貰い、それぞれの腕を切り取り【喰吸】を使った。
▶【喰吸】のスキルが発動しました。
【毒耐性LV.7→LV.MAX】になりスキルが【毒無効】に変化しました。
【急所攻撃LV.4→LV.6】に上がりました。
【見切りLV.2→LV.4】に上がりました。
おお、吸収して直ぐにスキルが上がった。
〈はい。スキルレベルが上がって直ぐに効果が出るようになりました。それよりも───〉
うん、分かってる。
私はモンスターの死骸に向けソウルテイカーを使う。
するとモンスターの死骸が灰になり、その中から拳大の大きさの宝石のような物が、こちらに飛び出し箱の中に収まっていく。
「あれが魔石ですか? 綺麗ですね」
アリシアが初めて見る魔石に感想を言う。確かに綺麗だったけど、あの魔石どうすればこんな手の平サイズの箱に入るんだろう?
『私が女神の力を付与して、魔石のみを幾らでも圧縮保存できるように作りましたbyティリス』
また入ってきたよ。そう言えばあの駄女神からシメられたらしいけど大丈夫?
『ひうっ! あっ、な、何も、何も……あ、ありませんでした……よ? byティリス』
『ええ、特に何もしていませんよ? フフッ……by女神』
ふう、心に傷が出来たようだ。
「おね、ちゃ、むこう、から、ゴブの、においする」
オオ! アクアが頑張って長文喋ってるよ! ウチの子偉い! 可愛い! っと、ヘルさんお願いします。
〈確かに2キロ程先の方にゴブリンが二匹います〉
「いこう」
私の言葉に頷き。私、アリシア、アクアの順で歩き出す。
そう言えばさっき覚えた【麻痺毒】ってどんなスキル?
〈【麻痺毒】はその名の通り麻痺毒をMPを使って生成出来るスキルです〉
「それなら、ご主人様には必要ないスキルですね」
確かに私【麻痺崩拳】に麻痺効果あるしね
〈いえ、攻撃スキルについているものより成功率が高く、更にこちらもエディットが可能で、レベルが上がればMPの消費量次第で、効果時間やダメージ量を好きなように変えられるようです〉
それなら確かに使い道ありそうかな? とりあえずダメージ無しで効果時間最大にしとこ。
〈見えてきました。レベルはそれぞれ8と7です〉
「今度はどうしましょう」
「なるべくいまのうちに、いろいろなパターンためしたい」
「なら今度は弓で戦ってみたいと思います」
「ひか、りまほ、やる」
「うん。わたしはおぼえたスキルつかってみるから、まずはアクアから」
「ゴブッ!」
作戦が決まりアクアが準備を始める。
「シュー、ティング、レイ!」
アクアの光魔法はレーザーのようなものだったが、速さはあってもダメージは余り無かったようだ。──が、それでも相手の隙を作るには充分だった。
「ギッ」
「ギギ」
「ふっ!」
「カマイタチ」
アリシアがその隙を見逃さず矢を放ち、片方のゴブリンの肩を射ち抜き、私は自作の風魔法を発動してゴブリンを切り裂く。
この鎌鼬は【斬】最大【射程】ゼロ【待機】5秒にして腕に展開する事で、ウインドカッターより少ないMPで切れ味を上げる事に成功した魔法だ。
「ギガッ……」
一匹目はそれで事切れたようだが、二匹目のゴブリンがアクアに向かう。
しかし───「ふっ」と言う掛け声と共に、アリシアが矢を放ちゴブリンの移動を妨害したその隙に【麻痺毒】を食らわせる。
「ギギギギッ」
麻痺が入ったようで動きが止まり身動きが出来なくなるゴブリン。
「ストログ」
アクアが間髪入れず強化魔法のストログでアリシアと私の物攻を上げた。
「ハッ!」
「やあー!」
私達二人のナイフによる攻撃でゴブリンは膝から崩れ落ち、動かなくなる。
〈アリシア危ない!〉
ヘルさんの声に反応しアリシアが横に跳ぶも。何処からか飛んで来た矢に足を貫かれてしまう。
「あっ、くっ」
「アクア」
私の声に反応して、いち早く言いたい事を察したアクアはアリシアの側まで駆けて行く。アリシアはその間に自分の足に刺さった矢を自力で引き抜く。
「ふっ、くっつ!」
アクアがアリシアに治療魔法を掛け始める。
治療魔法はレベルが上がれば、あれくらい直ぐに治せるらしいけど、今のレベルでは結構掛かるみたいだ。
私はそれを確認して矢が飛んで来た方に集中力を高める。
〈洞窟側の高い木の上です〉
───あそこか! 遠いけど背が高い木だから射ち下ろす感じになって飛距離が伸びたのか。
ヘルさんにアリシア達を射線の外に退避するよう指示をお願いして、私は木を目指して走って行く。
途中何度か矢を射掛けられるも、ヘルさんがタイミングを教えてくれるので楽に避けられる。
と言うか、弾幕シューティングで鍛えた私に、警戒出来てればこの程度の攻撃は通用しない!
それを見たゴブリンは、矢が通用しないと考えたのか次の攻撃が飛んで来なくなる。
逃げた? そう思った瞬間。
〈上です〉
言葉を理解すると同時、上からゴブリンソルジャーとゴブリンナイトが降ってくる!
マジか!?
間一髪、二匹の攻撃を飛び込み前転で回避する。
あっ! ソルジャーが弓持ってる。アリシアを射ったのアイツか。
〈マスター。ソルジャーがレベル1、ナイトがレベル2です〉
レベルも進化数もほぼ一緒。でも相手の方が一匹多いな。
ゴブリンソルジャーが弓を捨て剣で斬り掛かってくる。
それを横に避けるとその隙にゴブリンナイトが私の背中を盾で殴り飛ばす。
後ろからの衝撃で前につんのめり、ゴブリンソルジャーの剣の軌道に入るが、私は力の流れに逆らわず前に飛び込み、ゴブリンソルジャーの左側を抜け様に【マヒ爪攻撃】を使って攻撃する。
だが、同時にゴブリンソルジャーの攻撃も私の脇腹を浅く切り裂いた。
〈マスター〉
大丈夫まだ動けるよ。
【鑑定士】スキル成功
ゴブリンソルジャー
HP:220/300
MP:0/0
物攻:30
物防:20
魔攻:5
魔防:5
敏捷:40
知恵:10
器用:20
運 :5
スキル:【背後攻撃】【野生】
ゴブリンナイト
HP:400/400
MP:0/0
物攻:20
物防:35
魔攻:5
魔防:15
敏捷:30
知恵:10
器用:15
運 :5
スキル:【背後攻撃】【見切り】
ハクア
HP:160/200
MP:35/100
うわ、スキル持ってる。
〈全員居れば問題ないですが2対1では強敵です〉
絶体絶命。ってかこれ絶対Gランクの依頼じゃないでしょ!?
〈少なくともFランクですね〉
だよね!! うわっ!?
今度はゴブリンナイトの方が盾を構えながら突進してくる。
それを出来るだけ引き付けて避けると、ゴブリンナイトが私の後ろの木にぶち当たり反動でひっくり返る。
チャ~ンス!
〈後ろです〉
ナイフを降り下ろそうとした瞬間、ゴブリンソルジャーが剣を振り回しフォローに入る。
ちっ! やりづらい!
今まで私達のパターンだった事をやられ歯噛みする。その隙にゴブリンナイトは再び体勢を立て直す。
クソッ! ガッテム!! チキショー!!
またゴブリンナイトが突進して来たので、今度は砂を手に取りゴブリンナイトの顔に投げつける。
だが、ゴブリンナイトはそれを簡単に盾でガードする。
が、狙い通り!
私は視界が塞がった瞬間に、ゴブリンナイトに向かってスライディングをして左足を刈り取る。
するとゴブリンナイトはバランスを崩し、勢いのままにふっ飛び今度は背中から木にぶち当たった。
鈍い音と共に木からずり落ちるゴブリンナイト。その隙を逃さず私は「カマイタチ」と、魔法を発動してゴブリンナイトに斬りかかる。
「ギッ!!」
その瞬間、後ろからゴブリンソルジャーが剣を突き刺す構えで私の背中に突っ込む。
完全に隙を付いたその攻撃は普通なら避けられない───が、私の狙いは最初からゴブリンナイトではなくゴブリンソルジャーだった。
だから私は斬りかかる振りを止め、ゴブリンソルジャーの攻撃を、アイススケートの回転ジャンプのように避けながら、ゴブリンソルジャーの首に向かってカマイタチを振り下ろす。
カマイタチは切れ味優先にし【ゴブリンキラー】の効果も攻撃に乗り、ゴブリンソルジャーの魔法防御程度では、大した抵抗も無くバターのようにその首を落とした。
そして体は勢いのままにゴブリンナイトに体当たり気味にぶつかる。
───と、ちょうどその時。
「ファイアブラスト!!」
「ウインド、ブラ、スト!」
ナイスタイミング!!
アリシアとアクアの声が重なり、火魔法と風魔法のブラストが放たれ。
こちらへと突き進みながら、次第に風魔法を火魔法のブラストが飲み込み、火の玉がより巨大な炎の塊になる。
これがアクアと私が魔法を使える様になった段階で考えた。オリジナルの合成魔法「ボルケーノ」だ。
そんな事を考えながらなるべく遠くに退避する為走る私。
あれ? これ逃げきれなくね?
そんな事を思った瞬間、炎の塊となったボルケーノが倒れて木にもたれ掛かっているゴブリンナイトに当たった。
ドガァァァァァァァアアアア!!
閃光、爆発、自分が想定していた以上の威力と衝撃に私は───。
▶ハクアのレベルが3に上がりました。
HPが220に上がりました。
MPが110に上がりました。
物攻が35に上がりました。
物防が35に上がりました。
魔攻が38上がりました。
魔防が38に上がりました。
敏捷が70に上がりました。
知恵が190に上がりました。
器用が130に上がりました。
運が50に上がりました。
【マヒ爪攻撃LV.4→LV.5】になりました。
【魔法の片鱗LV.2→LV.3】になりました。
【魔法のコツLV.2→LV.3】になりました。
スキルポイントを5獲得しました。
▶アクアのレベルが3に上がりました。
▶アリシアのレベルが10に上がりました。
▶アリシアのレベルが10に上がった為、クラスが解放されました。
───そんなメッセージを聞きながら吹っ飛ばされた。
・・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
「ご主人様~」
「おね、ちゃ~ゴブ!」
「ぶっはぁ、ああ、死ぬかと思った」
予想以上の威力で爆風に巻き込まれるとは───。
「ご主人様!!」
「ゴブー」
吹っ飛ばされた私は地面に埋まり、やっとの事で這い出したと思ったら二人に抱き付かれた。
それにしてもすごい威力だった。
「すいません。教えて貰った時には、まさかあそこまで強力な魔法だと思わなくて」
「ゴブー」
「わたしもおもわなかったから、おあいこ」
〈大丈夫ですかマスター〉
「へいき、まだゴブリンいるのかな?」
〈恐らくですが、もう居ないと思います〉
「なんでですか?」
〈ゴブリンは基本的には単純ですから、巣の側でこれだけ大きな音がすれば隠れて見に来る筈です〉
「ああ、確かに」
「ゴブ」
なるほど。じゃあとりあえず、アクアに傷を治して貰ってそれから巣を調べよう。
こうして私達は、ゴブリンとの予想外の連戦をして少しの間休憩を挟むのだった。
はぁ、本当にゴブリンって面倒だ!
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