俺、美少女を家に送る。
勢いで送るなんて言ったの自体は後悔していないけど、会話ゼロってのはどうなのよ。
すごく気まずいなあ………
だからといって自分から話しかけられるほどのコミュ力もないし。
そもそも話しかける話題が無いんだよなあ………
だがそれにしたって事務的に家の場所聞いて終わりって、もう少し何かなかったのか俺。
気まずさを逸らしたくて、なんとなく隣の美少女を見てみる。
上から見下ろす感じになるのだが、髪とかつやつやして見える。
しかも、すごく落ち着いた雰囲気出してるし。
とても後輩だとは思えん。
や~、可愛いよなあ~、俺もこういう人と付き合ったりしたいなあ………
「あ、私の家ここです。送っていただいてありがとうございました。」
「いえいえ~、ちょうど帰り道だったから気にしないで。」
実は90°くらい違うとか言わない。
黙ってた方がかっこいいじゃん?
主人公っぽいじゃん?
「それで、ですね。」
おう、どした。
なぜかもじもじする美少女桜ちゃん。
眼福です。
「よろしければ、後日改めてお礼したいので、連絡先を教えていただけませんか?」
「別に良いけど………」
というかこちらからすれば願ってもないことなんだが。
お礼は期待しても良いんだろうか。
そんな期待などおくびにも出さず(たぶん出てないと思う)、メールアドレスと電話番号を教え合って、
「それではまた。」
「お、おう。」
………最後の最後にキョドるとか。
残念ながら俺に主人公役は明らかなキャスティングミスだな。
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