感情に毒を盛る
君は僕のことが嫌い
僕もあなたのことが嫌い
相互関係それでいいんだ
何もかもに鈍感だから
嫌われてることに気づいてない
そんな君に今宵この僕が
最後の晩餐会を開こう
三つ星レストランのメニューにも
私の愛の毒を入れたわ
お遊び程度から致死性の物まで
あなたのために取り寄せたわ
そして君はやっと気づくわ
私の嫌悪という感情に
実った果実はあなたの中で
感情を食い破っていくわ
痛みも苦しみも何もない
楽な方法でしょう?
きっと翌朝には真顔にしかなれないわ
可哀想ね可哀想ね
思っちゃいないけどね
君は僕のことを気にかけてくれていた
僕は別に君なんかどうでもよかったんだ
片思いってやつさ
私はあなたのことを嫌いになった
その表情がお気に召さなかったんだって
そんなあなたに僕の優しさで
心を診療してあげましょう
注射器の中にも
私の愛の毒を入れたわ
お薬として注入してあげる
あなたのために調合したわ
そして君はやっと気づくわ
自分の感情が消えてきていることに
癒着した悪性腫瘍はあなたの中で
体をも壊していくわ
痛いよなんて弱音吐かないでよ
きっと術後には何も感じないわ
可哀想ね可哀想ね
そんな感情なんてないわ
感情皆無なあなたをずっと眺めていたくて
無垢なあなたが欲しくて
ごめんなさい
今更謝っても許されるわけじゃないけど
あなたは私を頼るしかないの
付属した私の愛はあなたの中で
どうやったら増殖するの?
大好き愛してるって言ってよ
私しか見えないはずでしょ?
大好き、大好きよ
あなたには届かないけどね
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