第1話 いじめの見返り(前編)
「ほんっと、気持ち悪いよね~真弓って。」
「わかる~ちょっと可愛いからってね。まさにぶりっ子。私この前、真弓が彼女がいるクラスの男子に言い寄ってたの見たんだよね。」
「うっそ。無いわ~絶対調子のってるって。やっぱり、お仕置きしたほうがいいんじゃない?」
「私、賛成。優奈はどう思う?」
「そうだね‥。私のおばあちゃんから聞いた話なんだけど、見返り様って知ってる?見返り様に願い事をするとね、なんでも願い事がかなうんだ。願い方は簡単でね、願いを書いた紙に自分の血を少しつけて、その紙を燃やすだけ。だけど‥
「なにそれ面白そう!!それに手軽だね。よし、見返り様に真弓をこらしめてもらおうよ。」
「・‥。」
「優奈、何か言った?」
「ううん。なんでもないよ。そうときまったら、いつお願いする?」
***
「真弓さん、好きです。付き合ってください!!」
体育館の裏に呼ばれたと思ったら、告白かあ。
私あんまりこの子のこと知らないんだよね。
まあ、別にいいっか。まあまあの顔だし。今の彼氏とは別れよ。最近つきあい悪いと思ってたんだよね。
「うん!いいよ。ありがとう、告白してくれて。実はね、私も君のことが気になってたんだ。」
私はその男の子を上目遣いで見上げる。
「本当!?」
ほら。男なんて私がこんなこと言ったらすぐにその気になるんだから。馬鹿だよねえ。
そう、私は女王サマ。
異性は私の周りに群がって、同性の奴らは働き蜂のようにひざまずいて私のことをうらやんでいるの。
今の男が居なくなったんだから、明日からたっくさん貢いでもらわないと。
今度の男がどんなモノをくれるのか、楽しみでしかたがないわ。
***
「もう、人の話は最期まで聞きなさいって習わなかったのかしら。ねえ、ルーちゃん。え?私たちには都合が良いじゃないかって?まあ、そうだけどさ。おもしろくないじゃないか。む!変わり者は余計だよ、ルーちゃん!」
足下がまったく見えない夜道であるのにもかかわらず、昼間であるようにしっかりとした足取りで一人の少女と何か、が歩いていた。
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