カーニヴァルエンジン戦記というSFロボットシリーズ三作目です。
一作目、二作目を先に読むことをお勧めします。
前作にて、仲間の協力を得て宇宙の戦場に戻ることができた主人公ヨリトモはかつての友軍に反乱するために傭兵団として活動することになる。
しかし敵勢力「人形の館」はその力を拡大するべく、天才的な銃兵器の製作技術を持つ惑星ナヴァロンの姫モーツァルトを手に入れようとしていた。
星間同盟は彼女を守るための救援を出したが、到着するまでの三日間を防衛するミッションを主人公たちに依頼する。
しかしナヴァロンの姫には多額の賞金がかけられたため「スター・カーニヴァル」のプレイヤーたちが彼女を狙って砦に押し寄せることに……。
前作から引き続き、迫力ある戦闘シーンとロボットアクションが楽しめます。
豊富な軍事知識を下地に説得力ある描写がされた空中戦。
味わいのある魅力的なキャラクターが物語を引き立てて、今回もピンチに陥る主人公にこの先どうなるのかとハラハラしながら最後まで楽しむことができました。
今のところ物語は完結していませんが、続編が執筆されれば続きも読みたいところです。
VR空間で行われる戦争ゲーム『スター・カーニヴァル』。
世代を問わず、幅広く支持を得たこのゲームは、有人操縦式の人型巨大ロボット「カーニヴァル・エンジン」を駆り、ミッションをこなします。
ミッション内容は様々。
敵を殲滅したり、定められたポイントを攻撃したり……。
さて、この『スター・カーニヴァル』。
実は、バーチャルの話ではないのです。
実際に遠く離れた惑星に攻め入り、本当に異星人を滅ぼしているのです。
その秘密に気づいた主人公ヨリトモが、仲間たちと一緒に闘う物語なのですが。
三作目である本作では、『惑星ナヴァロン』の要塞を守ります。
この要塞にいるのは、「お姫様」。
最早少数となった自国民と共に立てこもり、必死に防衛しています。
……ここだけ読むと。
可憐なお姫様が、白馬の王子様を待っているように思えますが。
とんでもない。
本作のタイトルをご覧ください。『狙撃姫』ですよ。
このお姫様。
めちゃくちゃ、強い!! そして肉食ですよっ。
いや、ほんっと、カッコいい。このお姫様といい、今回は、めちゃくちゃ女性陣がカッコいい!!
ヨリトモ(というか、ベルゼブバブ)が窮地に陥った時のあのシーン……。
ネタバレになるから言わないけど。……いいよね。あそこね。
映像化した時、絶対言うんだ、私。
「これ、掲載されてた時から、私、めっちゃ良いシーンだって、レビューにも書いたんだよっ」
もう、ドヤ顔で言うね……。
ってか、毎回思うんですけど、この作品、誰か映像化してくれないかなぁ!?
今回なんて、巨大ロボット同士が、格闘戦するよ!?
絶対、良いって!! 画になるって!!
ということで。
一話から読むもよし、本作から読むもよし、のSFロボット作品です。
ぜひ、お楽しみください
現実と虚構がクロスオーバーする、遠き宇宙の激熱スーパーロボットバトルシリーズの3作目です。
私はシリーズの1から読んでいるのですが、この3作目『惑星ナヴァロンの狙撃姫』は今までの最高傑作であると言っても過言ではありません。
本作は、「要塞を守る」というシンプルなストーリーゆえ、その緩急が際立ちました。
救うべき遠い星の要人と、そうとは知らず敵対することになってしまう現実の級友たち。
迫り来るピンチ、仲間との絆、圧倒的不利な状況からの起死回生、手にした新たな技と爆発的クライマックス。
どこをどう取っても素晴らしく完璧に熱い!
さらに特筆すべきは、作者様の持ち味であるマシン描写。
機体の構造や駆動の仕組みなど、物語の折々でたびたびドバァァ……!と入ります。
ド文系の私は、こういうシーンで読む勢いが落ちてしまうことが多いのですが。
本作に関しては、書かれている内容の半分も理解できなくても「何だかよく分からんけどとにかく凄いぜヤバイぜ!!」ということがビシビシ伝わってきて、むしろ物語の勢いを加速させる役割を果たしているのです。
凄い。圧倒されます。生半可な腕ではできませんよ、これ。
もう、とにかく楽しかったです!! はー最高かよ!!!!
さて、何やら次のシリーズに繋がりそうなエピローグ。第4弾への期待もしつつ、しばらく心地よい余韻に浸ります。